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ファクタリングで債権譲渡登記は必須?不要な場合について紹介

2024年9月18日

ファクタリングに申し込もうと思ったら「債権譲渡登記が必要です」と言われてしまったことはありませんか?
言われるがままに安易に債権譲渡登記の手続きをすると、想定していなかったリスクを背負ってしまうこともあり得ます。

そこでここでは、ファクタリングにおける債権譲渡登記の役割について見ていきましょう。
なぜ業者が求めるのか、登記不要で利用できるサービスはないかについて紹介するので法人代表者は参考にしてください。

債権譲渡登記の基礎知識

債権譲渡登記の手続きについて、よくわからない、内容を理解していない法人代表者も多いでしょう。
そこでまずは債権譲渡登記の基本的なことやなぜ手続きをするのか、その目的について見ていきます。

そもそも債権譲渡登記とは何?

文字通り、債権を第三者に譲渡したことを登記で記録する手続きを指します。
債権の譲渡人と譲受人が共同にて手続きを進めなければなりません。

債権譲渡登記することで、債務者以外の第三者に対して譲受者は「自分が債権を譲り受けた」と主張できます。
債権譲渡登記を受け付けているのは東京法務局だけで、ほかの地方の法務局では手続きできないので注意してください。

地方の法人の場合、この手続きのためだけにわざわざ東京に出向くのは面倒でしょう。
代理人による手続きも可能ですが、委任状を作成する必要があります。

目に見えない資産を取り扱っている

たとえば銀行融資の場合、貸し出しの代わりに法人の保有する不動産などを担保にするケースも少なくないでしょう。
もし債権回収できなかった場合、その代わりに不動産を差し押さえることで損害を回避するためです。
そこで法人の保有する不動産に抵当権を設定します。

一方ファクタリングの場合、売掛債権に関する譲渡取引です。
不動産のように現物として存在するものではなく、売掛債権は目で見えない資産です。
するとそのままの状態では、だれが売掛債権を保有しているのかはっきりしません。

そこで用いられるのが、債権譲渡登記なのです。
登記手続きすることで、ファクタリング業者は売掛金を回収する権利について自分が現在保有していると主張できます。
売掛金回収不可になるような問題を回避するために、このような登記手続きを求めるわけです。

債権譲渡は法的に問題なし

債権譲渡とは、債権に関する条件を変更せずにそのまま第三者に移転する手続きを指します。
実はこれまで、譲渡禁止特約を設けていたなら、自由に債権譲渡は認められませんでした。

しかし2020年に民法改正が行われ、債務者が債権譲渡に関する制限を明示しても債権者は自由に譲渡できるようなルールに変更されました。
資金の流動化を促進するために、法改正が行われたわけです。

ファクタリングと債権譲渡の違いについて解説

ファクタリングで債権譲渡登記の手続きを求められることはあります。
しかし少し複雑かもしれませんが、ファクタリングと債権譲渡は一見すると同じ取引に見えるものの厳格に定義すると両者は別物です。
両者にはさまざまな相違点があるので、こちらで紹介します。

目的が異なる

ファクタリングと債権譲渡はそもそも目的が異なります。
債権譲渡は約束の期日を過ぎても支払われていない不良債権の処理が目的です。

たとえば取引先の業績が著しく悪化した場合、売掛債権の回収はまず無理でしょう。
しかし売掛先から債権譲渡をすでに受けていれば、第三債務者への取り立てが可能です。
債権回収でデフォルトが起きた場合、自分たちが受ける損害を最小限にとどめることが大きな目的です。

一方ファクタリングはリスク回避よりも、早期の現金化が主要な目的と言えます。
売掛債権を回収する場合1〜2か月程度、業種によってはさらに時間がかかる場合もあります。
売上代金が入ってこないと買掛の支払いや原材料の調達コストを捻出できない恐れが出てくるわけです。

そこで自社の保有する売掛債権をファクタリング事業者に売却して、通常よりも前倒しで現金化するのが主要な目的です。
債権譲渡することで、通常よりも早期に資金確保してキャッシュフローの改善を目指します。

代金の受け取り方法

両者は代金の受け取り方法も異なります。
債権譲渡の場合、いくら受け取れるか行使した段階では不透明です。
最悪1円も受け取れず、手数料だけ支払う、むしろマイナスの取引になりかねません。

一方ファクタリングで回収ゼロといった事態はまず考えられないでしょう。
売掛債権の額面金額から、業者の設定する一定の手数料を差し引いた金額が支払われます。

ファクタリングで債権譲渡登記が必要な理由

ファクタリングを利用するにあたって、債権譲渡登記を求められることもあるでしょう。
なぜ登記手続きを求められるか、その理由は主に2つあります。

1.二重譲渡防止
2.対抗要件への備え

それぞれどのような事情が関係しているのかについて、以下で見ていきます。

1.二重譲渡防止

債権譲渡登記を行う目的の一つに、二重譲渡の防止が挙げられます。
二重譲渡とは法人が保有する一つの売掛債権を複数の相手に譲渡する行為です。
売掛債権の譲渡を2つの業者に約束した場合、どちらか1社は譲受し損ねます。

そうすれば、受け取り損ねた業者は大きな損失を被るでしょう。
債権譲渡登記を行っていれば、だれが該当の売掛債権の権利を有しているか登記情報で明確に記録されます。
登記という有力な根拠があるので、自らが債権者であると主張できるわけです。

2.対抗要件への備え

債権譲渡登記を求めるファクタリング事業者のもう一つの狙いが、第三者に対する対抗要件への準備です。
先ほど紹介したように、売掛債権を自ら譲受したことが登記によって明記されます。
これは法的根拠としては強力です。

たとえば債務者である法人が経営破綻した場合、ほかの債権者がその法人の財産を差し押さえようとするでしょう。
しかし登記があれば、ファクタリング会社は堂々と債権に関する主張が可能です。
優先的に債権の回収も可能なので、損失を最小限に食い止められるでしょう。

従来対抗要件を準備するためには、証書による通知もしくは承諾が必要です。
しかし債権譲渡登記をあらかじめ済ませておけば、証書を作成しなくてもかまいません。

ファクタリングで債権譲渡登記手続きは必須?

ここまでファクタリングを利用するにあたって、債権譲渡登記の手続きが求められると紹介しました。
では100%どの事例でも必須かと言えば、そうでもありません。
実は条件次第で登記なしでも現金化できる場合もあります。

ここではどのようなケースで債権譲渡登記不要にて手続きできるかについて見ていきましょう。
また近年登記なしでも利用できるサービスも増えているので、その背景についてもあわせて紹介します。

3社間取引であれば必要なし

3社間ファクタリングであれば、原則債権譲渡登記の手続きを省略して利用可能です。
3社間は業者と利用法人、売掛先の3つの間で行われるビジネスモデルです。
つまり債権譲渡に関して売掛先にあらかじめ通達し、了承を得るのが条件で取引を進めます。

そのうえ、売掛金の回収は業者自身で行うのが3社間の特徴です。
売掛金の存在をより確実にチェックでき、なおかつ業者に代金を引き渡すことについて売掛先も了承しています。
よって自分が債権者であると証明する必要はないので、登記の手続きを省けるわけです。

2社間では必要になる可能性

もう一つのビジネスモデルである2社間ファクタリングは、利用法人と業者間の取り決めだけで成立します。
2社間の場合、売掛先に内緒で手続きを進められます。
すると業者にとってはリスクを背負わなければなりません。

先ほど紹介した二重譲渡の恐れもありますし、法人の提示した債権が実は架空だったという可能性も否定できません。
売掛先に知られることなく手続きを進めるので、業者としては債権が実在するか確認するにも限界があります。
そこで債権譲渡登記を求めるわけです。

債権譲渡登記があれば、別の業者にも法人が債権譲渡しても「こちらが法的に有効な譲受者だ」と主張できます。
また架空債権で登記手続きをした場合、公文書の捏造をすることになります。
詐欺罪や公正証書原本不実記載などの罪に相手を問えるので、架空債権でだますのも難しくなるでしょう。

2社間でも債権譲渡登記不要の業者も増加傾向

2社間では債権譲渡登記が必要な場合もあります。
「場合もある」と紹介したのは、実は登記手続きなしでも利用可能な2社間ファクタリングも増えているからです。

2社間の魅力は、スピーディな現金化が図れる点です。
売掛先の同意が必要ないので、手続きを簡略化できます。

ところが債権譲渡登記の手続きを求めれば、せっかくのフットワークが軽くなるアドバンテージも半減します。
スピーディさを活かすために債権譲渡登記の手続きを省くような業者も出てきているわけです。
中には最短即日に現金化できるような商品も見られます。

ただし2社間で債権譲渡登記もなしで売掛債権を買い取るとなれば、業者にとってはハイリスクな取引になりかねません。
そこで手数料を高く設定することで、リスクマネジメントを行うわけです。

2社間の場合、手数料は10〜18%といったところが相場です。
3社間は一桁の手数料率がほとんどなので、すでに高めと言えます。
しかし債権譲渡登記なしで契約できるサービスを見ると20%といった手数料率のところも見られます。

また手数料の上限を表記していないサービスもありました。
もしかするとかなり多額の手数料を請求される可能性もあるので、その点は留意してください。

ファクタリングと債権譲渡登記に関するまとめ

不動産のように目に見えるものではない売掛債権の譲渡でお金が動くのが、ファクタリングというビジネスモデルです。
よって利用法人側がやろうと思えば、複数の業者に二重譲渡したり、そもそも実在しない架空債権で現金を引き出したりすることも可能です。

そこでファクタリング会社の自衛手段として、債権譲渡登記を求める傾向が見られます。
登記で確かに自分たちが債権を譲受したと主張できれば、優先的に債権回収ができるからです。

3社間では売掛先とすでに接触しているので、登記手続きは原則不要です。
しかし売掛先へ通知せずに利用できる2社間の場合、リスクマネジメントの一環として債権譲渡登記を求める場合もあります。
ただし利便性を重視する業者の中には登記不要で利用できるサービスもあるので、今すぐに現金が必要な場合には活用してください。

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