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在庫ファクタリングとは何か?在庫を抱えるリスクと処分方法について解説

2024年6月19日

商品の売買をするにあたって、ある程度の在庫を抱えることは必要かもしれません。
在庫がほとんどなければ、注文があっても商品を販売できない事態に陥りかねないからです。

しかし一方で「在庫リスク」という言葉もあるように、在庫を過剰に抱え込むことはマイナスです。
在庫リスクを減らすためにはどうすれば良いのかについて解説します。

在庫リスク対策としておすすめなのが、在庫ファクタリングです。
従来の売掛債権ではなく、在庫を買い取ってもらうことでキャッシュを確保するサービスです。
どのような仕組みか、利用するメリットについて解説するので参考にしてください。

なぜ在庫リスクと呼ばれるのか?

在庫を適度に抱え込むことで仕入コストの削減や売り上げ機会をみすみす逸するような事態も回避できます。
しかし過度に抱え込んでしまうと、メリットよりもデメリットの方が大きくなりかねません。
主な問題点として、以下のようなことが挙げられます。

1.管理コストの増大
2.品質の劣化
3.税コストの拡大
4.キャッシュフローの悪化

なぜ以上で紹介した課題が生じるのか、以下で詳しく見ていきます。

1.管理コストの増大

在庫が増えると、管理にかかわるコストがかかるのはデメリットです。
在庫が増えれば、それだけ広大な保管スペースを確保しなければなりません。
大きな倉庫を借りるとなると、賃料も決して安くありません。

また在庫の保管場所の光熱費もかさむでしょう。
過剰在庫を抱えている状態であれば、本来ならより狭い保管スペースでも構わないはずです。
その分、余計な出費をしていることに気づくべきです。

在庫が多ければ、棚卸しや品質管理にかかる手間も増大します。
ピッキングや管理などで人手が多く必要になって、人件費がかさむでしょう。

2.品質の劣化

長年在庫を倉庫で保管すれば、どうしても徐々に劣化していきます。
食料品のように賞味期限など消費までの期間が限定的なものはもちろんです。
期限がない商品でも劣化は進むので、徐々に商品価値も低下していくでしょう。

またどのような商品でも、はやりすたりがあります。
在庫を抱え込みすぎると、徐々に時代のニーズから離れてしまって、ますます売れ残ってしまうという悪循環に陥りかねません。
このように長期間在庫を保有し続けるのは、リスクもいろいろと起こりうることは覚えておきましょう。

結局価値が低下した分、ダンピングしなければならなかったり、最悪売れずに処分したりすることにつながりかねません。
売り上げ低下によって、結局損するのは自分たちです。

3.税コストの拡大

在庫を多く抱えていると、課税額が大きくなる点も注意しなければなりません。
世間一般にはあまり広く知られていないかもしれません。
在庫が多いと、帳簿上は利益が上がっていると解釈されるからです。

ここで利益の計算方法について、簡単に解説します。
まず利益は売り上げから売上原価と経費を差し引くことで、算出できます。

では売上原価はどう算出するのか、期首在庫と当期仕入高の合算から期末在庫を差し引くことで計算する形です。
もし期末在庫が多ければ、売上原価が少なくなってしまいます。
ということは、あくまでも帳簿上ですが、利益が大きくなってしまいます。

また在庫が売れずにそのままだと在庫の購入費を経費計上できません。
在庫が売れるなり、廃棄するなりしたときに初めて経費としてカウントできます。

在庫を多く抱えると利益が出ているように見られてしまいます。
それに伴い、法人税などがより多く課税されてしまう点には留意してください。

4.キャッシュフローの悪化

在庫を過剰に抱えると、キャッシュフローの悪化を招きかねません。
在庫は資産の一つではありますが、売れて初めてお金を産んでくれます。

たとえば在庫を1,000万円分抱えていたとしましょう。
帳簿上は1,000万円分の資産を抱えていることになるかもしれません。
しかし実際に使えなければ、元も子もありません。

原料購入費として500万円を取引先から請求されたとします。
「在庫500万円分で何とか…」と言っても、相手が応じることはまずないでしょう。

しかも先ほども見たように余計な在庫を抱えることで、倉庫の賃料や光熱費、人件費も大きくなります。
税金のコストも高くなってしまい、出ていくお金が増えてしまうのです。
資金繰りが悪化してしまって、気が付いたときには経営が立ち行かなくなることも想定できます。

過剰に在庫を抱え込まないための方法とは?

ある程度の在庫を抱えるのは問題ありませんが、過剰に保有し続けるのは問題です。
もし心当たりがあれば、適度に保管できるような体制づくりを構築してください。
過剰在庫対策を進めたければ、以下のポイントを押さえましょう。

1.在庫管理体制の見直し
2.過剰在庫の現状把握
3.需要予測を正確に行う
4.在庫管理システムの導入

具体的にどのようなことに気をつけ、対策すれば良いかについて解説するので参考にしてください。

1.在庫管理体制の見直し

在庫管理体制を有しているのであれば、そのルールや手順について問題がないか見直しましょう。
過剰在庫を抱えているのは、現行のマニュアルに問題のあることが多いからです。

まずは発注ルールを見直しましょう。
過去の品切れや廃棄状況を分析し、発注する条件を見直すわけです。

大量仕入することによりセット価格で割引になることは往々にしてあります。
しかし大量仕入したがために過剰在庫を抱えることになり、管理コストで帳消し、むしろマイナスになっているかもしれません。
大量に仕入れている場合、きちんとそのメリットを享受できているか、一回立ち止まって考えましょう。

2.過剰在庫の現状把握

倉庫に商品がいくつあるのか、正確に把握できる体制を構築しましょう。
どの程度の在庫があるのかわかっていなければ、現状に即した適切な発注量もわからないからです。

たとえば帳簿上は存在しているのに、在庫がどこを探してもないという経験はありませんでしたか?
このような管理上の不備があると、いつまでも放置されるリスクも出てきます。
また在庫が売り上げに反映されていないと、欠品を引き起こすかもしれません。
ずさんな管理をしてきたのであれば、一度見直す良い機会になるでしょう。

3.需要予測を正確に行う

適度な在庫を保有するためには、需要予測を行って発注する必要があります。
予測は過去のデータに基づくなど、客観的な観点から出すように心がけてください。
中には担当者の経験に基づく間で行っている法人もあるようです。

しかしこのような主観的で根拠のない予測は、見誤ることも出てきます。
とくに最近ではSNSが普及していて、急激に特定の商品がヒットする「バズる」ことも往々にしてあります。

そこで販売データをリアルタイムで蓄積できるシステムを導入することです。
そしてその動きを逐一追って、何かいつもとは違った動きがあれば、その要因を分析し、必要に応じて発注数を変えることも求められます。

需要が高まれば、発注量を増やさないといけないでしょう。
しかしそれが一時的なのか、恒常的なものなのか分析しておかないと発注ミスを起こしかねません。

4.在庫管理システムの導入

適正在庫を維持するためには、ここまで見てきたようにこれまでの推移をデータ管理しなければなりません。
しかしそのようなマネジメントができるだけの人員がいないという中小企業もあるでしょう。

そこでおすすめなのが、在庫管理システムの導入です。
在庫管理システムを採用すれば、在庫の現状と将来的な需要予測をコンピューターが行ってくれます。
自分たちでマネジメントする必要がありません。

ただしシステム導入コストが発生する点にも留意しなければなりません。
またシステム導入でこれまでマニュアルで行ってきた場合、作業フローも見直さないといけないでしょう。

在庫ファクタリングを利用してキャッシュフロー改善しよう

在庫リスクの管理をするためにおすすめの方法として、ファクタリングの活用が挙げられます。
従来のファクタリングは、売掛債権を売却することで現金を調達する方法です。
しかし在庫ファクタリングと言って、保管している在庫を業者に売却して現金化するサービスもあります。

在庫ファクタリングを利用すれば、売れ残っている商品でも処分が可能です。
さらに現金化できるので、キャッシュフローの改善効果も期待できます。
ここでは在庫ファクタリングについて、詳しく見ていきましょう。

古本買取と似たような仕組み

在庫ファクタリングは、在庫を売却することで買取代金を受け取るサービスです。
不要な本やゲーム、ブランド品などをリサイクルショップに持っていって、いくらかのお金に換金するのと同じような仕組みです。

在庫ファクタリングは、売れる商品だけが対象ではありません。
今後販売の見込みの立たない商品や売れ残って不良在庫状態になっている品物でも、ファクタリングの対象です。
小売業や卸売業など、在庫を恒常的に抱えているところが活用できるサービスと言えるでしょう。

在庫ファクタリング利用の流れ

在庫ファクタリングを利用する場合、サービス対応している業者に申し込みましょう。
すると担当者が買取希望の在庫の査定を実施します。
そのうえで買取価格が提示されるので、納得できればそのまま売却です。
そして買取代金を受け取るというのが基本的な流れです。

従来のファクタリングの場合、売掛債権が実在するか、債権回収できるだけの取引先に信用力があるかを考査します。
一方在庫ファクタリングでは、商品の価値をベースにして買取額が決められます。
もし買取できるだけの価値を有していないと判断されれば、売却そのものがキャンセルになる可能性があるので注意してください。

キャッシュフローの改善が期待できる

在庫ファクタリングを利用することで、キャッシュフローが改善し、資金繰りに窮するのを回避できるかもしれません。
保有する在庫を売却することで、資金調達できるからです。

従来のファクタリング同様、買取取引なので融資ではありません。
つまり後日返済する必要もないわけです。

今すぐに支払いをしなければならないけれども、手持ち資金がないという事態もあるでしょう。
在庫ファクタリングで売却を進めることで、必要な資金を確保できるかもしれません。

在庫は任意で選択できる

在庫ファクタリングでは、倉庫内で保管している在庫すべてを売却する必要はありません。
こちらで取捨選択して、買取対象の在庫を選べます。

当面売れそうになかったり、倉庫内でかさばっていたりする不要な在庫を優先的に処分することも可能です。
現金が手に入るだけでなく、不要な在庫をピンポイントで整理できるのもおすすめの理由の一つです。

節税効果が期待できる

在庫ファクタリングをすることで、節税対策できるのもメリットと言えます。
在庫を多く抱えていると帳簿上は資産となってしまうと、別項で紹介しました。
つまり課税額が大きくなってしまいます。

しかし在庫ファクタリングで、過剰なストックを処分していきます。
そうすれば資産の目減り効果が期待でき、課税額を少なくできるわけです。
もし過剰在庫で課税額が大きくなって、納税するのも厳しくなっているのであれば在庫ファクタリングの利用を検討するのも一考です。

銀行融資の審査においても利用可能

法人代表者の中には銀行融資を申し込んだけれども、融資を拒否されたというケースもあるでしょう。
しかしたとえ審査に落ちた法人でも、在庫ファクタリングであれば利用できるかもしれません。

在庫ファクタリングは、法人やその代表者の信用力は買取判断の対象外だからです。
在庫が買取可能かどうかで、ファクタリングするかどうかの判断をします。
商品に価値があれば、買い取ってもらえ、現金を確保できるわけです。

在庫とファクタリングのまとめ

在庫をある程度確保することは、注文が入って迅速に対応するために必要です。
しかし過剰に在庫を抱えてしまうと、逆にデメリットの方が大きくなります。
課税額が多くなりますし、ランニングコストもかさむのでキャッシュフローが悪化してしまいます。

在庫ファクタリングを利用することで、不要な在庫を一掃できるだけでなく現金も調達できるのは魅力です。
場合によっては、大幅なキャッシュフローの改善効果も期待できます。

一方で在庫を過剰に抱えているのであれば、商品管理に問題があるかもしれません。
在庫ファクタリングの利用とは別に、管理体制の見直しを進め、在庫管理のスリム化も図りましょう。

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