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ファクタリングを利用したときの会計処理はどうやるの?仕訳や勘定科目、消費税などを分かりやすく解説します

2024年1月18日

近年、新たな資金調達手段として注目を浴びているファクタリング。

ファクタリングとは、所有している売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金を調達します。

中小企業や個人事業主の方を中心に流行しているファクタリングですが、実際にこのサービスを利用した場合の会計処理は一体どのように行われるのでしょうか。

企業がお金の取引を行う場合、会計処理は必ず行わなければなりません。

会計処理において、ファクタリングの利用はそもそも負債?資産?
このような初歩的な疑問を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。

今回の記事では、ファクタリングの会計処理の基本的な内容から注意点などを一挙解説します。

ファクタリングの会計処理について

まずは、通常の掛取引を行った際の会計処理について説明します。

通常、売掛債権が発生した場合は、借方に売掛金、貸方に売上を計上します。

・借方:売掛金
・貸方:売上

その後、入金の時点で、借方に現金や預金、貸方に売掛金を計上し、完了です。

・貸方:現金(預金)
・借方:売掛金

つまり、通常の売上が掛取引で発生した場合、売上が発生した時と入金された時に2回仕訳を行うことになります。

では、ファクタリングを利用した際の会計処理はどうなのでしょうか。

ファクタリングの会計処理には3種類ある

ファクタリングを利用した際の勘定科目や消費税など、様々な疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

ファクタリングは契約形態や種類によって仕訳の仕方が異なります。

①3社間ファクタリング

3社間ファクタリングとは、ファクタリングサービス利用者とファクタリング会社、売掛先の3社間で取引が行われる契約形態です。

3社間ファクタリングは比較的安い手数料で利用できますが、売掛先に資金調達の旨が通知されてしまうことが特徴です。3社間での取引であるため、資金調達にも時間がかかることもあります。

では、3社間ファクタリングの仕訳は一体どのように行うのでしょうか。

3社間ファクタリングでは、債権の発生時・ファクタリング契約時・ファクタリング会社からの入金時に仕訳を行うため、計3回の仕訳を行わなければなりません。

1.売掛債権の発生
売掛債権が発生した際の仕訳は、通常の掛取引と同様です。
借方に売掛債権、貸方に売上を計上します。

・借方:売掛債権
・貸方:売上

2.ファクタリングの契約成立
その後、必要書類等を提出し、審査に通過すれば、ファクタリングの契約が成立します。
借方に未収金、貸方に売掛債権を計上します。

未収金とは、その名の通り、未回収のお金を計上するための勘定科目です。
通常、事業以外の取引で発生した場合にこの勘定科目を使用します。

ファクタリングは売掛債権を譲渡することで得る予定の代金ですので未収金となるのです。

ファクタリング契約時には、現金や預金を計上するのではなく、未収金にしましょう。

・借方:未収金
・貸方:売掛債権

3.ファクタリング会社から入金
では、実際にファクタリング会社からお金が振り込まれた時の仕訳はどうするのでしょうか。

実際に振り込まれる金額は売掛債権満額ではなく、「売掛債権の額面-手数料」です。
この取引を会計処理する場合、借方に現金と“手数料として”売掛債権売却損(or 雑損失)、貸方に未収金を計上します。

・借方:現金 売掛債権売却損
・貸方:未収金

3社間ファクタリング利用時の会計処理について解説しました。
次に2社間ファクタリングの会計処理をみていきます。

②2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、ファクタリング利用者とファクタリング会社の2社間で行われる契約形態です。

2社間ファクタリングは、比較的手数料は高めに設定されていますが、資金調達の旨を誰にも知られず、即日利用が可能になります。

即日ファクタリングを利用することで、会計処理を2回で済ませることができます。

1.売掛債権の発生
通常の掛取引、3社間ファクタリングと同様に、借方に売掛債権、貸方に売上を計上します。

・借方:売掛債権
・貸方:売上

2.ファクタリング契約日に入金された時
即日ファクタリングでは、基本的に午前中の申込→午後に入金の流れになります。
つまり、1日でファクタリングサービスの利用が完結しているのです。

日を跨いでいないため、3社間ファクタリングのように売掛債権発生以降の仕訳を2回に分けず、1回の処理で済ませることができます。借方に現金と売掛債権売却損、貸方に売掛債権を計上し、完了です。

3社間ファクタリングでは、未収金を一度計上することでタイムラグをカバーしていましたが、即日であるため、それをする必要がなくなっています。

借方:現金 売掛債権売却損
貸方:売掛債権

以上が2社間ファクタリングについての説明でした。
最後に保証型ファクタリングの会計処理について解説します。

③保証型ファクタリング

まず、保証型ファクタリングは3社間ファクタリングや2社間ファクタリングのような買取型ファクタリングとは異なり、「保険」のようなファクタリングです。

もしも売掛先の倒産などが原因で売掛債権を回収できなかった時に備えることのできるのが、保証型ファクタリングです。

売掛先から売掛債権が無事支払われたときと、支払われなかったときとで会計処理が異なるため、パターン別で解説します。

<売掛金を回収できたとき>
まず最初に売掛金を無事回収することができたときの仕訳をみていきましょう。

保証型ファクタリングでは、必ずしも契約時に仕訳が発生するとは限りません。
では、いつ発生するのかというと、「保証料が発生したとき」です。

保証料を支払うタイミングはファクタリング会社によって異なります。

保証料が発生した、その時点で、借方に支払手数料、貸方に現金や預金といった勘定科目を計上します。

保証料は支払手数料の勘定科目に分類されます。

・借方:支払手数料
・貸方:現金

<売掛金を回収できなかったとき>
売掛先の倒産などが原因で売掛債権を回収できない場合の会計処理はどのようにするのでしょうか。

1.回収不可能の売掛債権が発生
まず、回収不可能の売掛債権が発生した時点で、借方に貸倒損失、貸方に売掛債権を計上します。

売掛金が回収不可能になった場合、貸倒損失の勘定科目を使用します。

・借方:貸倒損失
・貸方:売掛債権

2.ファクタリング会社からの入金
回収不可能となった売掛債権に対して、ファクタリング会社から保証金が振り込まれます。
その場合、借方に現金預金、貸方に雑収入を計上します。

ファクタリングは、事業益ではないため、雑収入の勘定科目を使用し、計上します。

・借方:現金預金
・貸方:雑収入

以上がファクタリングにおける3種類の仕訳の方法でした。
契約形態や種類によって、勘定科目や仕訳の方法が異なるファクタリングですが、会計処理を適切に理解することで、資金調達の際の資金繰りがよりスムーズになります。

より理解を深めるために、ファクタリング会計処理時の注意点をいくつかご紹介します。

ファクタリングの会計処理の注意点は?

ファクタリングの会計処理を行うときに注意すべきポイントは以下の通りです。

・消費税が発生しない
・手数料の勘定科目に要注意

それぞれについて解説します。

①消費税が発生しない

ファクタリングの利用には、消費税は発生しません。
なぜなら、ファクタリングは売掛債権の譲渡取引に値し、「非課税取引」の扱いなのです。

つまり、ファクタリングの利用には消費税が発生しないのです。

もし仮に消費税を加算されることがあった場合は、悪質な業者である可能性が高いでしょう。

②手数料の勘定科目を要確認

ファクタリングの利用には、必ず手数料が発生します。
その手数料を計上する際の勘定科目は「売掛債権売却損」であるとお話しました。

売掛債権売却損でない場合は、雑損失や割引料といった勘定科目を利用します。

一般的にこれらの勘定科目は経費として扱われます。
そのため、売掛債権売却損分、法人税を減らすことができ、節税対策にもつながります。

手数料の勘定科目を間違えて記載しないよう注意しましょう。

以上がファクタリング会計時に注意していただきたい2つのポイントでした。

ファクタリングの会計処理のまとめ

ここまででファクタリングの会計処理について説明させていただきました。
今回の記事をまとめると以下の通りです。

■ファクタリング3種類の仕訳方法
①3社間ファクタリング
1.売掛債権の発生
・借方:売掛債権
・貸方:売上

2.ファクタリングの契約成立
・借方:未収金
・貸方:売掛債権

3.ファクタリング会社から入金
・借方:現金 売掛債権売却損
・貸方:未収金

②2社間ファクタリング
1.売掛債権の発生
・借方:売掛債権
・貸方:売上

2.ファクタリング契約日に入金された時
借方:現金 売掛債権売却損
貸方:売掛債権

③保証型ファクタリング
<売掛金を回収できたとき>
・借方:支払手数料
・貸方:現金

<売掛金を回収できなかったとき>
1.回収不可能の売掛債権が発生
・借方:貸倒損失
・貸方:売掛債権

2.ファクタリング会社からの入金
・借方:現金預金
・貸方:雑収入

■ファクタリングの会計処理時の注意点
・消費税が発生しない
・手数料の勘定科目を要確認

ファクタリングの会計処理についてご理解いただけたでしょうか。
経営と経理は切っても切り離せない存在です。

今回の記事で、通常の掛取引とファクタリング取引で会計処理に違いがあることをお分かりいただけたかと思います。

ファクタリングの会計処理について十分に理解を深めておくことで、実際にファクタリングを利用し、資金調達を行った際も、滞りなく処理を進めることができるでしょう。

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