ファクタリングで「卸売業」の資金繰りを改善！メリットと活用すべき状況を解説

商品を各種メーカーから仕入れ小売業へ販売する「卸売業」は、「中間業者」と呼ばれることもあり、流通に関しての重要な位置に存在している事業者です。
しかし生活に関して欠かすことができない仕事である卸売業の中には、資金繰りに苦労している企業も少なくはありません。
本稿では、卸売業の資金繰り改善に役立つ「ファクタリング」について、利用するメリットと積極的に活用していただきたい状況などもご紹介いたします。

「卸売業」における経営の問題点

会社経営において資金繰りに関しての負担や不安は、ゼロにすることは難しい問題です。
また経営に関しての問題点は各社違いがあり、業種や業界によっても大きく異なります。
しかし資金繰りを改善するためには、その問題点を一度整理してみることが効果的です。
資金繰り改善のための第一歩として、卸売業を営む企業の多くが抱えている経営の問題点をピックアップさせていただきます。

仕入費の確保が必須

卸売業が業務を行うためには、メーカーからの仕入を行うための資金確保が必須です。
しかし特に仕入から販売という経営の流れが安定するまでの間は、仕入費の確保に苦労する卸売業は少なくはありません。
仕入費が不足してしまえば事業そのものが滞り、売上を確保できず資金繰りが悪循環に陥る危険が高まります。
自己資金を潤沢に保つことが難しい中小の卸売業や開業間もない時期には、仕入費の確保は大きな負担となりかねません。

売れ残りによる資金繰りの悪化

一口に卸売業と言っても食料品や衣服など生活に密着したものだけでなく、事務用品や製造業に必要な部品など、企業相手に販売を行う卸売業も存在しています。
どのような商品を取り扱っているかによっても変わりますが、流行に左右される商品や季節商品などを取り扱う場合には、在庫管理の難易度は一気に高まることになります。
在庫が不足してしまうと売上を伸ばすチャンスを逃しかねず、逆に余剰在庫を抱えてしまうと保管の費用が嵩むなど資金繰りの負担になりかねません。

経営者様の判断力が問われるのも確かですが、チャンスを逃さないためや予想外の費用が発生した際に対応できる素早い資金確保も、安定した経営を行うための重要なポイントとなります。

利益率の低さ

卸売業は利益率が低くなりやすい業種と言われています。
流行の先を読み、他社が取り扱っていない商品を確保できれば大きなチャンスともなりますが、そのような状況は期待しにくいのが現実です。
また同業他社と取り扱う商品が似てしまいやすいことから、価格競争に発展しがちなことも利益率を低下させてしまう要因の1つです。
独自サービスの提供が難しい卸売業にとっては、価格競争の中でも生き残るためにスムーズな資金調達の実現が求められます。

取引先の倒産リスク

商品の仕入先が大手メーカーなどであれば倒産するリスクは低くなりますが、卸先となる企業に関しては小規模な小売店であることが少なくありません。
規模が小さな企業は、大企業よりも経営を安定させにくいのは事実であり、卸売業者の取引先が倒産してしまう可能性は常に存在しています。
取引先が倒産してしまうと売上の減少は避けられず、売掛金の回収ができなくなる危険も否定できません。
取引先の与信管理を含め、倒産リスクへの備えも卸売業の経営には大切な要素です。

融資の審査通過が簡単ではない

資金調達の選択肢として、もっとも一般的なのは「融資」かも知れません。
しかしコロナ禍による影響が徐々に薄らいできた現在であっても、中小企業や個人事業主が融資の審査に通過するのは容易なことではありません。
また卸売業はここまでご紹介したような資金繰りの問題点があることも影響し、融資に頼った資金調達の難易度はさらに高まります。
負債額の増加による貸借対照表の肥大化や返済の負担が増すことなども、資金繰りにおいてはリスクとなるため、安易に融資に頼るのは危険かも知れません。

卸売業の資金繰りがファクタリングで改善できる理由

本稿で卸売業の資金繰り改善を目指す経営者様におすすめさせていただく「ファクタリング」とは、「決済日前の売掛金を売買契約によって現金化する資金調達方法」のことを指します。
金融庁も事業者向けの資金調達方法の1つとして認めており、ルールを守って営業しているファクタリング会社を利用していただければ、違法性などを心配していただく必要はありません。

また卸売業が抱えている資金繰りの問題点の解消や軽減にも、ファクタリングは適しています。
ここからは、卸売業の資金繰りをファクタリングが改善できる理由を解説させていただきます。

売掛金をファクタリングで早期現金化できる

ファクタリングに利用できる売掛金は、原則的に決済日前であることが求められます。
支払いが遅れ不良債権となった場合には、買取対象とならない点には少し注意が必要です。
しかし「決済日前の売掛金が買取対象」ということは、本来の支払日よりも早いタイミングで売掛金を現金化できるという意味にもなります。
支払サイトの長さが卸売業の資金繰りの負担になることは少なくありませんが、ファクタリングによって早期現金化が行えれば負担の軽減に繋がります。

赤字経営でもファクタリングの審査通過は可能

卸売業を営む中小企業や個人事業主にとって、融資の審査通過は簡単なことではありません。
その大きな理由となるのが、経営状況だけでなく将来性も重要となる融資の審査基準です。
ですがファクタリングの審査では、売掛金の売却申込みを行った企業の経営状況や将来性は審査に重要な要素ではなくなり、赤字経営であっても審査通過が可能です。
「売掛先が決済を行う信用の高さ」が審査で問われるため、経営が安定しており過去の取引実績に問題のない売掛先からの売掛金であれば、審査通過は難しくないのです。

即日での資金調達もファクタリングなら期待できる

「タイムリーな資金調達の実現」ができれば、卸売業の資金繰りは大きく安定するはずです。
しかし融資による資金調達は1ヶ月以上の期間が必要になることが多く、素早い資金調達に適しているとは言えません。
これに対してファクタリングは、最短即日での資金調達も可能です。
融資とは大きく違う審査基準や提出書類の少なさ、担保も保証人も不要であることなどがその理由となりますが、急ぎの状況でも対応できる期待の高さは、ファクタリングの大きな魅力の1つとなります。

売掛先が倒産しても「ノンリコースファクタリング」なら買戻しなどは不要

もしも売掛先が倒産してしまった場合には、大切な取引先を失うことになってしまいます。
さらにそれが売掛金の決済日前だとすれば、手に入るはずだった売上を受け取れないという危険まで発生することになります。
ですが売掛先の倒産前にファクタリングで売掛金の現金化に成功していれば、債権の買戻しなどを求められることがなく、倒産によって受ける被害の軽減が可能となります。

このように償還請求権のないファクタリングは「ノンリコースファクタリング」と呼ばれており、倒産リスク軽減に役立ちます。
ただし契約時にはノンリコースまたは償還請求権なしとなっていることをご確認の上、手続を進めていただくことが大切です。

ファクタリングは「売買契約」だから負債を増加させない

法的には「売買契約」に該当するファクタリングでは、現金化により得た資金は融資とは違い負債として扱われることはありません。
融資による資金調達は負債額を増加させ、返済の負担を発生させます。
そしてさらに貸借対照表の肥大化などによる、企業価値の低下が起こるリスクも考えられます。
ですが負債の増加によるリスクはファクタリングでは考慮する必要はありません。

「2社間ファクタリング」なら売掛先に知られずに利用することも可能

ファクタリングが法的に問題がない資金調達方法だとしても、まだまだ馴染みのない企業も多く、利用に関して「売掛先からの印象」などを心配される経営者様もいらっしゃるかも知れません。
また理解を得るために説明を行ったことが、売掛先にとって負担となる可能性もゼロとは言えません。
もし売掛先への関係性への影響を理由にファクタリングの利用を躊躇されているのであれば、売掛先への通知が不要な「2社間ファクタリング」という選択肢があります。
2社間ファクタリングは手続に売掛先を含めないため、ファクタリングの利用を知られる確率は非常に低くなり、安心感が高まります。

卸売業がファクタリングを利用すべき状況

ファクタリングが卸売業の資金繰り改善に役立つ資金調達方法であることは確かですが、利用すべきシチュエーションを理解しておくことで、その利用価値を一層高めることができます。
ここからは他の資金調達方法よりもファクタリングの利用を推奨する、3つのシチュエーションをご紹介させていただきます。

資金ショートなど急ぎで現金が必要な時

仕入費や在庫の保管費などが不足しそうになり資金ショートに陥りそうなピンチには、「中小企業向きの審査基準」と「資金調達スピードの速さ」というファクタリングの2つの特徴が役立ちます。
今すぐにでも現金が必要な状況でも、落ち着いて手続を進めていただくことができれば、高い確率で短時間での資金調達に成功できる期待が高く非常に頼りになります。
また「運転免許証・請求書・通帳コピー」など少ない書類で利用できる場所もあり、さらにWEB完結型のオンラインファクタリングを利用していただくことで、少ない手間で一層素早い資金調達が実現可能となります。

融資までのつなぎ資金を確保したい時

融資を受けられる目処は立っているが、融資が実行されるまでの資金繰りに不安が残るという状況でも、ファクタリングの利用をご検討ください。
ビジネスローンなど比較的利用しやすい融資商品も存在しますが、融資を受ける前にさらに負債額を増やすのは良い選択肢とは言えません。
しかしファクタリングならば負債額を増やすことがないため、安心して利用していただくことができます。

貸借対照表などを改善したい時

設備投資などを行うために融資を受けたいが、貸借対照表の肥大化などによる自己資本比率の低下などが審査に影響しそうという時には、ファクタリングを利用し貸借対照表のスリム化を行ってみてはいかがでしょうか？
ファクタリングを利用して売掛金を現金化し、得た資金で負債を減らすことで、オフバランス効果により貸借対照表のスリム化を進めることが可能です。
貸借対照表のスリム化によって、自己資本比率などの数値を改善させられれば企業価値が向上し、融資を受けられる可能性も高まります。

『ファクタリングで「卸売業」の資金繰りを改善！』まとめ

・卸売業には仕入費の確保や売れ残りのリスクなど、経営上の問題となる要素が幾つも存在する
・ファクタリングによって売掛金の早期現金化を行うことで、卸売業の資金繰り改善が期待できる
・つなぎ資金の確保や即日資金調達可能なスピードを活かしての資金ショート回避など、適したシチュエーションでファクタリングを活用することで、利用価値は一層高まる

売掛先の信用力重視の審査基準など、融資とは大きく違う特徴を持つファクタリングを活用することで、卸売業の資金繰りの負担を軽減することができます。
融資との併用も問題はなく、資金調達スピードなどファクタリングが持つメリットを活かせるシチュエーションで活用していただくことができれば、ファクタリングは卸売業にとって非常に頼りになる存在となります。