お知らせ
Message
起業前・起業直後にファクタリングは活用可能?利用条件やメリット・注意点を解説
2023年10月19日
「ファクタリング」は、融資を受けるのが難しい中小企業や個人事業主も利用しやすいと言われている資金調達方法です。
実際に融資の審査に落ちてしまったという企業が、ファクタリングでの資金調達には成功したという例は数多くあり、多くの企業とって使いやすいのは確かです。
では、事業としての実績が乏しく融資を受けにくい起業直後や、起業前の資金調達にも向いているのでしょうか?
本稿では申込条件を含め、「起業前・起業直後にファクタリングは活用できるのか?」という疑問に回答させていただきます。
目次
ファクタリングで資金調達を行うための条件
銀行からの融資などと比較して、ファクタリングは審査に通過するためのハードルが高くない資金調達方法です。
しかしどんな状況でも活用できるのかと言えばそうではなく、幾つかの条件を満たしている必要があります。
まずは「ファクタリングで資金調達を行うための条件」を、簡単に解説させていただきます。
法人または個人事業主であること
ファクタリングは「事業者向け」の資金調達方法であるため、法人または個人事業主でないと利用することはできません。
では「フリーランス」はどうなるのかと疑問に思われるかも知れませんが、フリーランスとは特定の企業に属さずに業務を行うという「働き方」を指します。
フリーランスとひとまとめにしていても、法人や個人事業主である場合も、開業届を行わず個人として業務を営んでいる可能性もありますので、フリーランスがファクタリングの利用対象となれるかは一概には言えません。
しかし起業して法人または個人事業主に該当していれば、条件の1つを満たしたことになります。
「法人のみ」に限定されていないかに注意
多くのファクタリング会社で法人・個人事業主問わず申込可能となっていますが、一部のファクタリング会社では「法人のみ」に申込対象を制限していることがあります。
対象を法人のみに限定しているのは、銀行系の一部などであり数は多くありませんが、個人事業主として起業した場合には、ファクタリングの申込前に利用条件の確認をしておくと安心です。
「決済日前の売掛債権」を保有している
法的には債権の売買契約に該当するファクタリングは、「売掛債権」を保有していなくては利用することはできません。
また売却を希望する債権が決済日を過ぎた不良債権である場合には、買取審査に通過し現金化に成功できる可能性は、ほぼゼロとなります。
ファクタリング会社側から見て不良債権を買取るリスクは大きく、もし買取対象となれたとしても高額な手数料を請求される可能性が高くなりますので、決済日が過ぎた債権はファクタリングには不向きとお考えください。
つまり、起業している法人・個人事業主で売掛債権を保有している方がファクタリングの利用対象となれるのです。
売掛先の業種・申込企業の業歴に制限がある場合も
ファクタリングには、将来発生することが確定していると判断される「将来債権」も利用可能です。
しかし将来債権の買取対応を行っている場所は少なく、現実的には資金調達に活用するのは難しいでしょう。
また一部のファクタリング会社では、買取可能な債権の業種に制限を設けている場所や、一年以上など一定以上の業歴があることを申込企業に求めている場所も存在しています。
対象となるための条件が厳しいファクタリング会社は、大口債権の買取にも対応していることが多いなど利用するメリットはあるものの、審査自体が厳しめで中小企業や個人事業主にとって使いやすい場所とは言えません。
起業前・起業直後にファクタリングは利用可能?
- 法人または個人事業主であること
- 売却を希望する債権が不良債権でないこと
上記した2つの条件を満たしている企業の多くは、売掛債権の現金化による資金調達に成功できる可能性が高くなります。
ですから起業前や起業直後であっても、これらの条件を満たしているのであれば、売掛債権を売却し現金を得ることが可能です。
「起業前」の場合は申込条件を満たせない
起業前の段階では、法人でも個人事業主でもない状態となります。
つまり起業前では、ファクタリングの申込条件の一つとなる「法人または個人事業主であること」という条件を満たすことができません。
また起業前の状況で事業を行い売掛債権を発生させることは考えにくいため、残念ながら「起業前にファクタリングによって資金調達を行なうことは不可能」となります。
「起業直後」でも債権が発生していれば申込可能
起業直後の法人または個人事業主であっても、手元に売掛債権を保有していればファクタリング会社に対して申込みを行っていただけます。
ただしファクタリングの審査では売掛先との取引実績も確認されるため、起業直後で取引回数がわずかしかない場合には、審査にあまり良くない影響が出る可能性がないと言い切ることはできません。
他の事業で発生した売掛債権を活用することは可能
例えばある経営者様がすでに何らかの事業を行っているのであれば、その事業で発生した売掛債権を売却し、起業前の事業の開業資金に充てることに特に問題はありません。
しかしこれは特殊な状況であり、多くの経営者様にとっては重要なポイントではないかも知れませんが、覚えておいていただいて損はないはずです。
起業直後にファクタリングを活用するメリット
起業前にファクタリングを利用するのは、法人や個人事業主に該当せず売掛債権を保有している状況も考えにくいことから、現実的には不可能となります。
ですが起業した後であり債権が発生してさえいれば、多くのファクタリング会社で資金調達を行っていただくことが可能となります。
そして、起業直後など早い段階からファクタリングによって債権を現金化することで、これからご紹介するようなメリットが得られるようになります。
運転資金がスムーズに確保できる
起業直後の企業にとっては、運転資金の確保が最初の難関となります。
起業前にある程度の資金を確保し、起業後しばらくは乗り切れる状況になっていることが理想ではありますが、十分な資金が確保できていなかったり、運転資金が予想以上に嵩んでしまったりすることも珍しいことではありません。
そんな時、ファクタリングによって本来の決済日よりも早くに売掛債権を現金化できれば、運転資金を確保する難易度を大きく下げることができます。
急な出費に対応しやすい
起業し本格的に事業を始めてみると、想定よりも多くの仕入費が必要になってしまうことも、人件費が予想以上にかかることもあるはずです。
また何かのトラブルで装置が故障してしまう可能性もゼロではありません。
多くの費用が必要になってしまった際に対応ができなくなってしまうと、事業に大きな悪影響が発生する危険があり、対処のために早急な資金調達が求められます。
ファクタリングは最短即日で現金を調達することも可能であり、そんな緊急事態にも頼りになります。
融資よりも審査通過のハードルが低い
銀行などからの融資を受ける際の審査では経営状況などによって判断される返済能力が重要視されるため、起業して間もなく実績が乏しい企業にとっては、審査通過は容易なことではありません。
また将来性も審査でのポイントの1つとなりますが、起業直後から資金ショートに陥りそうになるなど危機的な状況となれば、審査への悪影響も考えられます。
しかしファクタリングの審査では、申込を行った企業の経営状況や将来性は重要なポイントではなくなります。
売掛先が信用できる企業ということが証明できさえすれば、起業直後であっても債権を売却し現金を調達することが可能となります。
起業直後にファクタリングを利用する際の注意点
- 利用対象となれない可能性がある
- 売掛先との関係性に注意が必要
- 手数料が若干高くなる可能性がある
ファクタリングは起業直後であっても利用可能な資金調達方法ですが、上記した3点には注意が必要です。
申込みを考えているファクタリング会社が利用条件に一定以上の業歴があることを含めている場合には、利用対象となれない可能性があります。
またファクタリングを活用し売掛債権を現金化することで、売掛先から資金難を疑われるなど企業間の関係性に良くない影響が出そうであれば、売掛先への通知が不要な2社間ファクタリングを利用するなどの対処が必要です。
そして最後に、ファクタリングによる債権現金化の際に必要になる手数料は、売掛先の信用力に大きく左右されます。
その判断基準の1つに「売掛先との取引実績」も含まれており、起業直後で取引実績が乏しいことが手数料へ影響してしまう可能性があります。
「起業前・起業直後にファクタリングは利用可能?」まとめ
- 起業前の段階では「法人または個人事業主」に該当せず、手元に売掛債権があることも考えにくいため、原則的にファクタリングは利用不可となる
- 起業直後であっても売掛債権を保有していればファクタリングは利用可能
- 起業して早いタイミングからファクタリングを資金繰りに活用することで、運転資金のスムーズな確保などのメリットが得られるが、手数料への影響などに注意が必要
ファクタリングは起業前の利用は難しいものの、起業直後からでも利用可能な資金調達方法です。
審査では売掛先の信用力を示す必要があり、取引実績の乏しさが手数料へ影響する可能性はありますが、資金繰り改善など得られる効果は小さくありません。
起業直後からファクタリングを上手く活用することができれば、経営を安定させやすくなるのも確かです。
また起業を目指している経営者様も、起業後にはファクタリングの利用をご検討ください。