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開業直後からでもファクリングは利用できる?利用条件や注意点も解説

2023年11月8日

入念な準備を行ない開業したとしても、思いがけないトラブルなどにより資金繰りが苦しくなる可能性を否定することはできません。
まだ実績のない開業直後から新たな融資を受けるのは容易ではなく、資金調達先を見つけるのも大変かも知れませんが、「ファクタリング」ならば開業直後からの資金調達にも利用可能です。
本稿ではファクタリングを利用するための条件と、開業直後からファクタリングによって資金調達を行うメリットまでを解説させていただきます。
これから開業を目指す経営者様も含め、是非ご一読ください。

ファクタリングを利用するための条件とは?

売掛債権を活用した資金調達方法であり、借入と違い負債を増やすことのないファクタリングは、中小企業や個人事業主を含め多くの企業が開業直後から利用対象となれる資金調達方法です。
債権の売買契約であるため担保や保証人も必要なく、融資と比較しても利用するためのハードルは大半の状況で低くなります。
まずは、そんなファクタリングを「利用するための条件」を解説させていただきます。

売掛債権を保有していることが絶対条件

ファクタリングを利用するための絶対条件は「売掛債権を保有している」という条件のみです。
売却する債権が手元にない状況であっても、将来的に発生することが確定している「将来債権」をファクタリングに利用することは可能です。
ですが、債権が将来発生することを証明するのは簡単ではなく、買取側であるファクタリング会社のリスクも小さくはないため、将来債権の買取に対応できるファクタリング会社は稀です。

期日が過ぎた債権は買取対象外

債権を保有していても、ファクタリングによる資金調達が行えない状況は2つ考えられます。
1つは「決済期日が過ぎている不良債権」を売却しようとした場合です。
決済日が過ぎた債権は、その後も支払いが行われない危険性が大きく高まった状況と考えられますので、原則的に買取対象外となります。

もう1つは売掛先の信用力が低く、決済を実行するのが難しいと審査で判断されてしまった場合です。
この場合は審査を受けるところまでは進めていけるものの審査通過は難しく、資金調達に成功できない確率が高くなってしまいます。
ファクタリングの審査では売掛先の信用力が何より重要視されますので、取引実績や会社規模などを参考に信用できる企業と判断されやすい売掛先の債権を選ぶことで、審査通過の可能性は高まります。

業歴を問う会社も一部存在している

割合としては高くはありませんが、一部のファクタリング会社では開業してから一定以上の業歴を利用条件に含めていることがあります。
業歴が問われる場合は1年以上となっていることが大半ですが、業歴を問われた際には開業直後だと利用できない可能性があります。
しかし、業歴を利用条件に含んでいるファクタリング会社は実際には非常に少ないため、必要以上に気にかけなくても大きな問題はありません。

利用対象を法人のみに限定している場合も

「開業してから1年以上」と限定している場所があるように、銀行系や規模の大きなファクタリング会社は、利用対象を「法人のみ」に限定していることがあります。
法人のみに限定することで債権の買取リスクを低くする効果が期待でき、売却希望の債権が一定額以上となりやすくなるのが、その理由と考えられます。
法人のみに利用対象が限定されている場合、個人事業主の方は利用対象となれませんので注意が必要です。
また、債権売却時に債権譲渡登記が必須となっているファクタリング会社も、個人事業主は登記が行えないため利用不可能となります。

「独立系」は利用条件が厳しくないのも特徴

利用条件に一定以上の業歴を含めていたり法人のみと限定していたりするのは、多くは「銀行系」のファクタリング会社です。
ですが金融機関が運営に関係していない「独立系」と呼ばれているファクタリング会社では、「決済期日前の売掛債権を保有している」という条件以外は設定されていないことが多く、開業直後の企業も高い確率で利用対象となることができます。
開業したばかりでも確実に利用対象になりたいとお考えの経営者様は、独立系ファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

結論「開業直後でも売掛債権を保有していれば利用可能」

融資を受ける際には、利用条件はほぼ確実に設定されており、場合によっては業歴や融資希望金額に対して一定以上の自己資金を保有していることを求められる可能性があります。
これに対して、ファクタリングで求められるのは、「決済日前の売掛債権を保有している」という一点のみであることが大半です。
複雑な手続きや高いハードルとなる利用条件がないことで、多くの中小企業や個人事業主が、会社規模などを問わず開業後すぐでも利用対象となることができるのです。

債権の保有が難しい開業前の利用は原則不可

ファクタリングは多くの企業が利用対象となれる、開業直後でも利用可能な資金調達方法であることは事実です。
しかし開業前の状況では、売掛債権を保有していることは考えにくいため、利用は原則不可となります。
残念ながら開業資金の調達を行うためにはファクタリングは適しているとは言えず、融資を含めた他の選択肢を検討することをおすすめします。
幾つかある選択肢の中でも、国が100%出資し運営されている日本政策金融公庫は、開業資金の調達先として適しています。

開業直後にファクタリングを利用するメリット

ファクタリングは開業直後でも利用対象となれるだけでなく、開業直後の資金繰りに幾つもの好影響を与えることができる、活用するメリットの多い資金調達方法でもあります。
ここからは、開業してから間もない時期にファクタリングによって資金調達を行うことで得られる、代表的な5つのメリットを解説させていただきます。

負債額の増加が避けられる

金融機関から融資を受けての資金調達は、必ず負債額を増加させます。
しかし借入を行うことで、自己資金が少ない企業も設備投資や事業拡大によって大きな利益を得ることが可能となり、高い「レバレッジ効果」が期待できるようになります。
ですが負債額が大きくなれば、返済の負担を増加させ開業後すぐに資金繰りが苦しくなる危険性もあります。
また負債額の増加は貸借対照表の肥大化を招くリスクがあり、決算書に悪影響を及ぼし融資などによる資金調達を行ないにくくしかねません。

しかしファクタリングは融資ではない「債権の譲渡契約」及び「売買契約」による資金調達方法であるため、負債額を増加させず決算書などへの悪影響を避けることができます。
また自己資本利益率の向上など、企業価値を高める効果も得ることが可能です。

短期間での資金調達が行ないやすい

開業直後から実績を積み安定した経営が行えるようになるまでは、突発的な資金難に陥る可能性も低くはなく、スムーズに資金を調達できなければ経営が苦しくなったり、せっかくのチャンスを逃してしまったりしかねません。
ですが多くの資金調達方法は手続きを開始してから現金を手にするまでに長い時間がかかることが多いのが現実です。

これに対してファクタリングは最短即日で債権を現金化することも可能であり、急いでいる時にも間に合わせられる期待の高い資金調達方法です。
提出書類の数や書類作成の手間は、融資を受ける際と比較してかなり少なくて済むことが多く、手続きにかかる負担そのものも軽くて済みやすいのもファクタリングの特徴でありメリットとなります。

売掛先次第で好条件の買取が期待できる

ファクタリングの審査で問われるのは、売掛先が債権の期日に支払いを行えると信用できる企業かどうかです。
その判断を行うために、過去の取引頻度や支払いの遅延の有無なども調査されますが、開業直後だと取引実績で多少の不安が残るのは事実です。
ですが債権の額や支払期日までの残り日数なども審査に影響する要素であり、様々な要素を総合的に判断し売掛先の信用力が高いと評価されれば、実績が乏しくとも高確率で審査通過できる期待が高まります
また信用力の高い売掛先の債権は好条件での買取が期待できます。

ちなみに審査で評価されやすいのは大企業だけでなく、倒産リスクが皆無である公的な機関も含まれます。
調剤薬局や介護関係など売掛先が公的な機関となる企業は、開業直後からでもファクタリングによる資金調達に向いていると言えます。

経営状況や将来性が審査に影響しにくい

売掛先の情報がファクタリングの審査での中心となりますが、債権売却を申込んだ企業の情報が全く調査されないわけではありません。
ですが問われるのは「債権の二重譲渡」などのトラブルを引き起こすリスクであり、融資の審査では重要な経営状況や将来性は、ファクタリングの場合は重要な要素ではなくなります。

申込みを行なった企業の経営状況などは、債権の決済に影響しない要素だからというのが理由ですが、赤字経営や債務超過に陥っていたとしても、開業直後の企業がファクタリングによる資金調達に成功することは可能なのです。

売掛先に知られずに利用することも可能

ファクタリングは資金調達方法として国も認めており、金融庁のサイト上にも事業者の資金調達の手段の1つであるという意味合いの文章が掲載されています。
しかし海外では一般的な資金調達方法として浸透しているファクタリングも、日本国内ではまだ融資と比較してメジャーな存在だとは言えません。
このため、一部の経営者様はファクタリングに対して懐疑的な目を向けている可能性も否定できず、債権を売却したことが取引に何らかの影響を及ぼす可能性は完全にゼロとは言えません。

しかし売掛先への通知を行わず、ファクタリング会社との間だけで売買契約を行う「2社間ファクタリング」を選択すれば、登記情報を確認されでもしない限り、売掛先に知られてしまう危険性をほぼゼロにすることができます。
開業直後からファクタリングを利用することを売掛先に知られたくないとお思いであれば、2社間ファクタリングをお選びください

「開業直後からでもファクリングは利用できる?」まとめ

  • 期日前の売掛債権を保有していれば、大半の申込先で利用対象となることが可能
  • 開業直後から利用可能だが、信用力の高い売掛先の債権を選ぶことが大切
  • ファクタリングを開業直後から活用することで、素早い資金調達などが実現でき、資金繰りを安定させやすくなる

ファクタリングは売掛債権が発生してさえいれば、開業直後からも利用することが可能です。
ただし開業直後は取引実績の面で不安が残ることは事実なため、公的な機関が売掛先となるなど、可能な限り信用力の高い売掛先の債権を選ぶことが大切です。
開業直後の企業が陥りやすい突発的な資金難もファクタリングを利用すれば対応しやすくなるため、開業直後から頼れる資金調達方法として、ファクタリングの活用をご検討ください。

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