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ファクタリングと「債権流動化」は同じ意味?得られるメリットや選択肢も解説
2023年12月11日
企業の資金繰りを安定させるためには、「債権流動化」が効果的です。
そして「ファクタリング」は企業の資金繰り改善効果が期待できる、債権を活用した資金調達方法です。
本稿では「債権流動化」とはどのようなモノであるかを中心に、ファクタリングとの関係を含めて解説させていただきます。
「債権流動化」を意識して資金繰りを行うことができれば、売掛債権に関する悩みが解消できる可能性は決して小さくありません。
目次
「債権流動化」とは?
「債権」とは、ある人物(債権者)が対象となる人物(債務者)に対して、特定の行為や給付を請求できる権利のこととなります。
また「流動化」とは停滞させず流れ動かすという意味です。
そしてその2つの言葉が結びついた「債権流動化」とは、事業者が保有する売掛債権などを長期間停滞させずに、決済日前に資金調達に活用する行為を指します。
売掛債権を活用した資金調達=「債権流動化」
売掛債権を決済日前に資金調達に活用するには、売掛債権を担保とした融資や、債権を売却し現金化する選択肢が考えられます。
そのどちらもが債権流動化に該当する行為であり、ファクタリングを含めた債権流動化を行うには、それぞれの選択肢のメリットだけでなく注意点も理解し、自社に適した「売掛債権を活用した資金調達」の方法を見つける必要があります。
債権流動化によって得られるメリットと注意点
売掛債権は、企業にとって大切な資産であることは間違いありません。
しかし、売掛債権の決済日までの資金繰りに苦労されている企業も少なくはなく、売掛先に万が一のことがあれば手に入るはずだった資金が得られなくなるというリスクも存在しています。
ですが事業者が売掛債権を資金調達に活かすことで債権流動化に成功できれば、それらのリスクが解消できる可能性があります。
ここからは、ファクタリングなどによって債権流動化を行うことで得られるメリットを3つと、債権流動化を行う際に少し注意していただきたいポイントを2つご紹介させていただきます。
メリット・支払サイトの悩みが軽減できる
債権流動化は期日前の債権を活用した資金調達方法であり、債権流動化を行うことで本来の決済日よりも早いタイミングで資金を得ることが可能となります。
債権流動化に選択した方法によって、調達できる額や返済の必要性の有無などに違いは発生しますが、多くの企業が苦労しているであろう決済日までの資金繰りの負担軽減に役立てられるのは確かです。
メリット・審査に通過できる可能性が高い
売掛債権を担保として融資を受ける場合、無担保で融資を希望するよりも審査通過できる可能性は大きく高まります。
また債権を売却して現金化する場合は、その債権の信用度が審査で重要になり、取引先が信用できる企業と判断されれば審査通過の確率は向上します。
債権流動化を行う際の選択肢が融資であっても売却であっても、無担保で金融機関から融資を受けるのに比べ、審査通過できる可能性が高くなるのは間違いありません。
メリット・貸借対照表の改善効果が期待できる
債権売却による債権流動化を行うことで、貸借対照表上から売掛債権を消すことできるようになり、オフバランス化を進めやすくなります。
また調達した現金を負債の返済に充てることで貸借対照表のスリム化も期待できます。
上手くファクタリングによる債権流動化を活かすことができれば、自己資本比率などの財務比率の改善も可能となり、企業としての評価や価値を高めることにも繋がります。
注意点・手数料や利息が発生する
債権を担保として融資を受けた場合には、利息の支払いが求められます。
またファクタリングなどによって債権を売却する際にも手数料が必要になるなど、債権流動化を行うには幾らかのコストが発生してしまうのは避けられません。
必要になるコストは、債権流動化に選んだ選択肢や申込先、資金調達に活用する債権の条件などによって大きく異なります。
条件次第では低いコストでの債権流動化も期待できますが、額の大小があっても費用が発生するという点は理解しておくべきかも知れません。
注意点・資金調達後のリスクの存在
融資による債権流動化を選んだ場合、債権は担保として扱われます。
もし返済が上手く進まず滞った場合には、担保になっていた債権を失う危険があることは、融資による債権流動化のリスクとなるかも知れません。
順調に返済を進めることができれば、そのリスクは問題にはならないため無理のない返済計画の設定が求められますが、それでもリスクをゼロにできるわけではないのも事実です。
債権流動化を行うための4つの選択肢
企業が保有している売掛債権を活用した債権流動化には、4つの選択肢が考えられます。
それぞれ資金調達の仕組みに違いがありメリットやデメリットもあるため、資金調達を行う状況などに併せて選択することが大切です。
ファクタリング
売掛債権を売却し現金化する資金調達方法が「ファクタリング」です。
売却時には手数料の支払いが必須ですが、売掛先の信用力が高ければ低い手数料も期待できます。
ファクタリングは法的には債権の売買契約に該当し融資には当たらないため、利用する際には利息は発生せず、担保や保証人も必要ありません。
決済期日前の売掛債権を保有していれば申込条件を満たせることが多く、債権流動化ができる選択肢の中でも利用のためのハードルが低いのが特徴です。
売掛債権担保融資(ABL)
「売掛債権担保融資」は英語ではABL(Asset Based Lending)と書かれ、日本語での名称の通り、売掛債権を担保として取り扱う融資のことを指します。
事業資金を融資によって調達する場合の担保は不動産が一般的ですが、売掛債権担保融資は担保を売掛債権に限定している融資商品と捉えていただいて大きな問題はありません。
多くの融資商品がそうであるように、売掛債権担保融資も融資が実行されるまでに1ヶ月程度など長めの期間がかかることが多く、債権流動化を狙う急ぎの資金調達には向かない点には注意が必要です。
手形割引
債権流動化は売掛債権を現金化するのが基本ですが、売掛債権は信用を重視した取引で発生する「売掛金」と、証書が発行され法的効力も強い「受取手形」に分けることができます。
そして「手形割引」とは、受取手形を金融機関に売却し現金化する資金調達方法となります。
しかし売却とはなっているものの、手形が不渡りとなった際には買戻しを求められる、償還請求権ありでの契約となっていることが原則のため、手形割引は法的には融資に該当します。
また現在では手形取引自体を行わなくなりつつあり、資金調達方法としても一般的ではなくなってきています。
売掛債権証券化
「売掛債権証券化」とは、売掛債権を特別目的会社(SPV)に売却し現金化する資金調達方法です。
売却された売掛債権はSPVから投資家へ売却されますが、少額債権は買取の対象となりにくく手続にも手間が必要になるため、日本国内でもメジャーな資金調達方法ではありません。
売掛債権証券化は債権流動化の選択肢の1つには違いないものの、利用の際の手間などが大きく、中小企業や個人事業主に適した選択肢とは言えません。
中小企業や個人事業主の債権流動化には「ファクタリング」がおすすめ!
債権流動化の選択肢の中でも、中小企業や個人事業主には「ファクタリング」の利用をおすすめします。
ファクタリングは債権流動化を可能とするだけでなく、資金調達方法としても利用するメリットが多く、多くの中小企業や個人事業主の資金繰り改善に役立ちます。
素早い債権流動化が可能
ファクタリングは最短即日で資金調達を完了させることが可能です。
融資ではないため担保や保証人も必要がなく、それらを準備する手間を省くことができます。
またWEB上で手続が完結できるオンラインファクタリングを利用すれば来店する時間も不要となり、さらに短時間での債権流動化に成功できる確率も高まります。
余裕を持って手続を進めても数日程度で現金化を完了できることが多く、ファクタリングは急ぎの資金調達が求められる状況にも役立ちます。
審査時に経営状況が問われない
例え債権流動化の方法として資金調達スピードなどが優秀だとしても、審査通過が難しいとなれば頼りになる選択肢とはなりません。
ですがファクタリングは経営状況が芳しくなく、赤字経営に陥っていたとしても審査通過が可能です。
審査に大きく影響するのは売掛先の信用力であり、複数回の取引実績がある安定した経営を行っている売掛先の債権であれば、審査通過は難しくなくなります。
負債を増加させない
債権流動化は大きく「売買」と「融資」の2つの選択肢に分けられます。
この内の融資による債権流動化は負債額を増加させるため、貸借対照表の肥大化や債務超過に陥るリスクを増加させる可能性があります。
しかしファクタリングは債権の売買契約であり、債権流動化に活用したとしても負債額を増加させることはありません。
ただし債権の売却時には手数料が必要になりますので、高額な手数料請求が行われた場合には利用先の変更などをご検討ください。
資金調達後の安心感が高い
売掛債権を資金調達に活用することで、債権流動化を進めることができます。
しかし債権流動化を行ったことで、資金繰りが余計に苦しくなってしまっては元も子もありません。
負債の増加も資金繰りに影響を与えるリスクの1つとなりますが、「売掛先の倒産」もリスクの1つになる可能性があります。
特に融資を受けた際に「償還請求権あり(ノンリコース)」であることが契約内容に含まれていると、売掛先が支払い不可能となった際には債権の買い戻しが求められかねません。
しかしファクタリングは原則的に償還請求権なし(ノンリコース)での契約となりますので、売掛先の倒産リスクを回避できるのです。
債権売却によって債権流動化に成功した時点で債権の権利そのものも譲渡されるファクタリングは、資金調達後の安心感が高いのも特徴の1つです。
『ファクタリングと「債権流動化」は同じ意味?』まとめ
- 「債権流動化」とは売掛債権を資金調達に活用する行為のことを指す
- ファクタリング、ABL、手形割引、売掛債権証券化が債権流動化を行うための主な選択肢となる
- 債権の現金化スピードが早く経営状況が芳しくなくとも審査通過可能なファクタリングは、個人事業主や中小企業におすすめの資金調達方法
売掛債権は企業にとって資産でありながら、決済日までの運転資金の確保の必要性を高めるなど資金繰りの負担になる可能性もある存在です。
しかし売掛債権を資金調達に活用する「債権流動化」を行えば、事業者の資金繰りの負担を軽減することができます。
債権流動化には幾つかの選択肢がありますが、その中でも中小企業や個人事業主に特におすすめなのは、資金調達方法として速さと使いやすさを兼ね揃えているファクタリングです。
ファクタリングの特徴を活かすことを意識して利用していただければ、多くの企業が資金繰りの改善効果を実感することができるはずです。