他社利用中でもファクタリング会社の乗り換えは可能？NG行為や注意点も解説

ファクタリングは買取手数料やサービス内容に各社違いがあり、どこに申し込んでも同じ条件での債権売却が行えるわけではありません。
また、たとえ利用中のファクタリング会社があったとしても、様々な理由から他社への乗り換えを検討することもあるはずです。
本稿では他社利用中の状況からの債権売却先の変更に関して、NG行為や注意点、さらには乗り換え先を探す際の情報収集時のチェックポイントなどを解説させていただきます。
効率よく乗り換えを行うことで、理想のファクタリング会社と出会える可能性が高まります。

他社への乗り換えは基本的には問題なし

債権の売却が完了し売掛先からの決済を待つ間であっても、一定期間に発生した売掛債権を一括で取り扱う「一括決済方式」でのファクタリングを利用中であっても、他社への乗り換えを行っていただくことは可能です。
あるファクタリング会社での契約が残っている間は他社での契約は行えないということではありませんので、利用中のファクタリング会社に何かしらの不満などがあれば、他社への乗り換えをご検討していただいて基本的に問題はありません。

複数のファクタリング会社の併用も可能

ファクタリングは他社への乗り換え自体は可能であり、さらに複数のファクタリング会社を同時に利用中となっても法的に問題がある状況にはなりません。
ただし複数利用を行う際には、手続きや提出書類などの違いを確認しつつ債権売却を進めないと、思わぬトラブルが発生する危険が増加してしまいます。
特に急ぎでない状況であれば、現在利用中のファクタリング会社との取引が一段落した時点での他社への乗り換えを推奨させていただきます。

他社に乗り換えることで得られる可能性のあるメリット

現在利用中のファクタリング会社から他社への乗り換えを検討する際には、それ相応の理由があるはずです。
そして乗り換えを行うことで、その原因の多くは解消される可能性があります。
あくまで可能性であり絶対とは言い切れませんが、他社への乗り換えを行うことで、これからご紹介するようなメリットを受けられる期待が高まります。

手数料の引き下げ

多くのファクタリング会社は、顧客確保の意味もあり乗り換えを歓迎しています。
中には現在利用中のファクタリング会社での手数料を提示することで他社対抗を行い、さらに低い手数料を提示するという場所も存在しています。

もちろん、利用中のファクタリング会社が他社から見ても十分に低い手数料の場合は、手数料の引き下げは期待できにくくなります。
しかし利用中に不満に感じるほど高い手数料を請求されているのであれば、他社への乗り換えによって手数料が引き下げられる可能性は高くなります。

債権現金化スピードの向上

「最短即日で利用できる資金調達方法」であることは、ファクタリングによって資金調達を行う大きなメリットです。
ですが全てのファクタリング会社が素早い債権現金化を行えるわけではなく、申し込み先によっては思った以上に時間がかかる可能性はゼロではないのです。

現在利用中のファクタリング会社が手続きの利便性が低かったり、審査に時間がかかったりして現金化スピードに不満を感じるのであれば、乗り換えをご検討ください。
多くのファクタリング会社は即日から数日での債権買取に対応しているため、資金調達に必要な時間が短縮できる期待は小さくありません。

相性の良い担当者と出会える

買取条件自体はまずまずであっても担当者の対応に大きな不満がある場合には、債権の売却先を他社へ変更する十分な理由となります。
問い合わせに対しての対応が遅い、求めていた回答が得られないなども同様です。

ただし人と人との相性に関しては、同じ担当者であっても利用される方によって感じ方は変わります。
ですので、必ず相性の良い担当者と出会えるとは限りません。
しかし他社への申込後のヒアリングなどで、利用中のファクタリング会社での対応に関しての不満を伝えれば、意識した対応を受けられる可能性は高まります。

他社への乗り換えを行う際のNG行為や注意点

利用中のファクタリング会社から他社へ売却先を変更する際には、3つ気をつけていただきたいポイントがあります。
これらのポイントを意識せず利用した場合、罪に問われてしまったり、大きなトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。
また得られるはずのメリットを失いかねない要素でもありますので、少しご注意ください。

債権の二重譲渡は詐欺罪に該当する

ファクタリング会社の他社への乗り換えや併用は可能ですが、その際には同一の債権を複数の相手に対して譲り渡す「債権の二重譲渡」が発生しないようにお気をつけください。
債権の二重譲渡は詐欺罪や横領罪に該当する恐れのある行為であり、賠償金の支払いや懲役刑が課される可能性もあります。

債権の二重譲渡は、何より事業者として重要な社会的信用を失いかねない行為です。
故意でなくとも罪に問われますので、併用や乗り換え時には売却する債権選びを慎重に行うことが大切です。

悪質業者に気をつける

現在利用中のファクタリング会社から資金調達先を他社に変更する際には、手数料がより安いなど条件面が向上する場所をお探しになるはずです。
しかし手数料が分割払い可能や確実に審査通過できるなど甘い言葉で誘い込み、結果的に法外な手数料請求や違法貸付を行う悪質業者に騙されないように気をつけていただく必要があります。

悪質業者は、本来は買取側が背負うべき債権回収のリスクを背負わず、「償還請求権あり」や「担保や保証人が必要」などの条件を押し付けてくることが少なくありません。
償還請求権や担保は「債権の譲渡（売買）契約」であるファクタリングでは原則不要となっていますので、それらが必要など貸付に該当する行為と考えられる場合には、悪質業者である可能性を考慮しなくてはなりません。

「継続利用によるメリット」を失う

ファクタリング会社の他社への乗り換えは大きなメリットに繋がる可能性があるものの、「継続利用」にもメリットがあります。
このため、大きな不満がないのにも関わらず利用中のファクタリング会社から他社に変更するのは、得策ではない可能性があります。

同じファクタリング会社での債権売却回数が多くなるほどに、売却先からは優良顧客としての信用度が高まります。
信用を得ることができれば、手数料の引き下げや審査時間の短縮が期待できるようになり、場合によっては利用中の場所からの乗り換えが不要になります。
現在利用中のファクタリング会社への不満が特にないのであれば、継続利用も一つの選択肢となります。

乗り換え前の情報収集チェックポイント

債権の売却先を現在利用中の場所から変更しようとお考えであれば、まずはしっかり情報収集を行っていただくことが大切です。
情報収集にはインターネットを活用される方が大半だと思われますが、ファクタリング会社のホームページをチェックする際に、これからご紹介する3つのポイントを意識していただくことで、乗り換えを行う価値があるファクタリング会社が見つかりやすくなります。

手数料の上下限

ファクタリング会社選びの際に多くの方が最も注目される「手数料」ですが、下限の数値だけで判断してしまうのはあまり良い方法ではないかも知れません。
なぜなら債権現金化に必要な手数料は審査によって決定されるため、下限の数値が必ずしも適用されるわけではなく、場合によっては高額請求が行われるリスクも否定できないからです。
このリスクを軽減するためには、ホームページで手数料をチェックしていただく際に下限だけでなく上限の手数料もご確認ください。
上限も比較することで高額請求のリスクを下げられ、安心して債権売却を行いやすくなります。

提出書類を含めた手続きの流れ

インターネットの発達により、オンライン上で様々な手続きが行えるファクタリング会社が増えています。
しかし対面での手続きが必要など、利便性が高くないファクタリング会社もまだまだ存在しています。
「即日対応」と書かれていても提出書類が多かったり、郵送や来店でしか手続きがでなかったりする場合には、即日資金調達は現実的ではなくなってしまうのです。

提出書類やオンラインでの手続きが可能かなどをしっかりとチェックしていただき、利便性の高い場所を選んでいただくことで素早い債権現金化は近づきます。
特に申込みから契約までをオンラインで完結できる「オンラインファクタリング」が利用可能な場所は、急ぎの時にも頼りになるはずです。

ホームページ上の情報充実度

手数料や手続き方法などは、債権売却の申込先選びにおいて非常に重要な情報です。
しかしそれらだけを見るのではなく、ホームページの情報はできるだけ細部までご確認ください。
例えばホームページのどこにも電話番号の記載がない場合、急な問い合わせへの対応が期待しにくくなってしまいます。
またネット上で店名を検索しても住所がヒットしない、架空住所だったという場合も、利用するにはリスクの高い場所である可能性が増します。

安心して債権を売却できる場所であるかを判断するためにも、ホームページに必要な情報が掲載されているかを確認することは有効です。

「他社利用中でもファクタリング会社の乗り換えは可能？」まとめ

・現在他社を利用中であっても乗り換えや併用することに特に問題はない
・債権の売却先を変更することで、手数料の引き下げなどが期待できる
・他社へ申込む際には、債権の二重譲渡などに気を付け、しっかりと情報収集を行うことが大切

現在利用中のファクタリング会社に対して何か大きな不満を感じておられるのであれば、他社への乗り換えを検討していただいて何ら問題はありません。
また乗り換えを歓迎しているファクタリング会社であれば、思った以上の手数料引き下げが期待できる可能性もあります。
ただしすでに好条件での債権買取りが行われている場合は、買取条件の向上は難しく、継続利用による手数料引き下げなどのメリットを失いかねません。

債権の売却先を変更すべきかを慎重に判断していただき、変更を決断された際にはじっくりと情報収集を行っていただくことで、より良いファクタリング会社と出会える可能性は高まります。