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請求書なしでファクタリングは利用できる?債権売却のための必要書類も解説

2023年7月14日

ファクタリングは融資と比較して、必要書類が少なくて済むことが多い資金調達方法です。
また提出書類の少なさは素早い債権現金化が実現できる要因の1つでもありますが、多くのファクタリング会社では「請求書」の提出を求めています。
本稿では、「請求書なし」でもファクタリングは利用できるのかという疑問への回答を中心に、請求書の役割や請求書以外に必要になる可能性がある書類についても解説させていただきます。

「請求書なし」でファクタリングが利用できる可能性は?

まず、「請求書なし」という状況でのファクタリングの利用自体は不可能ではありません。
しかしそれには、本来は請求書が果たすはずだった役割を、他の何かによって補うことが求められます。
ですが他の書類で補うことができたとしても、請求書だけで済ませる方が利用者とファクタリング会社の両方にとって負担が少ないのは確かです。
このような理由から請求書なしでの利用を推奨することはできませんが、何かしらの理由で請求書なしで利用したいという状況であっても、すぐに諦める必要はないのです。

ファクタリングの審査での「請求書」の役割

・売掛債権の存在証明
・買取対象となる債権の額の確認
・債権が発生した日付の確認

上記させていただいたのは、ファクタリング利用時の審査を行う際に請求書によって確認される代表的な項目です。
つまり請求書は「取引内容の確認と証明」が主な役割とも言えます。
確認や証明ができる項目は、どれもファクタリング会社が債権の買取を行う際には重要な内容ばかりであり、1つの書類でこれらの項目が確認できる請求書が提出書類に含まれることが多い理由ともなります。

「請求書なし」でも債権の存在や内容証明ができれば可能性アリ

請求書なしでファクタリングを利用するためには、何か他の書類を用意することで債権が発生したことを証明し、債権の額などの取引内容を確認できなくてはなりません。
決して、請求書なしでファクタリングが利用できないと決まっているわけではないものの、手続きに必要な手間が増加する可能性が高くなるという点を、ご理解していただくことが大切となります。

「請求書なし」の場合に用意していただきたい書類

請求書なしでファクタリングを利用する際には、これからご紹介する書類をご用意ください。
そしてその中の1つではなく、なるべく複数を準備できる方が請求書なしでもファクタリングを利用できる可能性は高まります。
ただし請求書なしでの利用に対応できるかは、申込みを行なったファクタリング会社次第となります。
できれば書類を用意していただく前に、申込先に対して請求書なしでの利用について相談してみることをおすすめします。

売掛先との「取引基本契約書」

継続的な取引が前提となっている場合、取引内容を逐一取り決めず「取引基本契約書」を用意するのが一般的です。
取引基本契約書があれば、対象となる企業との間で継続的な取引が行われていることが証明しやすくなります。
また契約書内には債権の決済日に関しての情報が記載されていることが多いことも、請求書なしでファクタリングを利用する際には役立ちます。

商品やサービスの提供や受注を証明できる「納品書」や「注文書」

サービスの提供や商品の納品を証明できる「納品書」には、請求金額や債権が発生した日付が記載されているため、請求書なしで債権売却を希望する際にも役立つ可能性があります。
また発注を受けた段階で発生していた「注文書」も、取引金額などの確認に利用できる期待はありますが、注文を受けたという証明にはなっても、納品を完了し債権が発生している証拠としては不十分との判断をされてしまうかも知れません。

「請求書」以外の必要書類

ファクタリング利用時に必要となる可能性が高い書類は、請求書だけではありません。
請求書なしでの利用はハードルが高めであることは事実ですが、もし代替書類の用意などで請求書なしでの利用が可能となっても、これからご紹介する中に用意できないものがあれば、審査を受け債権を現金化するのは難しくなります。
特に初めて利用するファクタリング会社で、「必須」と記載させていただいた書類が用意できない場合は、債権売却が非常に難しくなってしまいます。

「本人確認書類(必須)」

本人確認書類は個人事業主だけでなく法人であっても、代表者様のものが必要となります。
債権の売却を申込んだ人物が債権者と同一の人物であるかを確認するために、本人確認書類は利用されます。
用意できない場合は、第三者によるなりすましが考えられるため、利用を断られる可能性が高くなりますので、ご注意ください。
具体的には「運転免許証」や「パスポート」、「マイナンバーカード」などが対象となりますが、どの書類が利用可能かは申込先によって異なる可能性があります。
ただし運転免許証はほぼ全てのファクタリング会社で本人確認書類として利用できますので、特に問題がなければ運転免許証を用意しておくと安心です。

「通帳コピー(必須)」

「通帳コピー」は、売却を希望する債権の債務者との取引に使用している金融機関口座のものが必要となります。
通帳を確認することで、過去の取引頻度や債権の決済を遅らせたことがないかなどがチェックできるため、請求書と同じく重要な書類として扱われます。
ある程度の期間の情報が必要になることから、3ヶ月〜6ヶ月分程度の提出が求められるのが一般的です。

状況次第では必要になる可能性がある書類

「請求書・本人確認書類・通帳コピー」は、ファクタリングを利用する際の必須書類として扱われることが多いため、どれか1つでも不足していたり、他の書類で代用できなかったりした場合は、審査通過はほぼ不可能となります。
また3点以外にも申込先によっては以下のような書類が必要になる可能性があります。

・決算資料
・確定申告書
・納税証明書
・商業登記簿謄本
・印鑑証明書

提出書類が少ないほどに手続きの手間が減るのは確かですので、手間を少なくしたいとお考えであれば、必要書類についての確認も早めに行っていただくことをおすすめいたします。

「繰り返しの利用」で提出書類が減らせる可能性も

ファクタリングによる資金調達では、同じ買取先を利用し続けることで手数料などの買取条件の向上や手続き完了までの時間短縮が期待できます。
さらに継続的に債権売却を行っているファクタリング会社であり、「売却希望の債権が過去にファクタリングを利用した時と同じ売掛先」という場合には、提出書類も減らせる可能性があります。
ただし前回取引から長い期間が空いている場合などでは対象となれない可能性も高いため、過度の期待は禁物です。

「請求書なし」で利用できるファクタリング会社は危険?

「請求書なしでのファクタリングの利用は、不可能ではないが難しい」のは、残念ながら事実です。
ですがSNSなどを利用して検索を続ければ、「請求書なしでも利用可能!」などの情報が見つかるかも知れません。
しかし、請求書なしでも利用できると発信している場所で債権を現金化するのは、非常に大きなリスクを背負うことになりかねないのです。
請求書または代用できる書類がない状況では、ファクタリングの審査通過や手数料の額を決定するための情報が不足してしまいます。
それでも、請求書なしで利用できるということは、これからご紹介するような場所であるという危険が高まります。

高額請求を行う「悪質ファクタリング会社」

ファクタリングによって債権を現金化する際には手数料が必要となります。
手数料は債権買取で発生するリスクの高さに大きく影響され、上場企業や公的な機関が債務者となる債権は、不払いとなる危険が考えにくいため低い手数料が設定される期待が高まります。
しかし請求書なしでは買取リスクの判断が難しくなることから、リスクに備えるという名目で非常に高額な手数料が請求されかねません。
ファクタリングでの買取手数料は上限を制限する法律がないため、買取契約を締結してしまうとトラブル解消が難しくなる危険があります。
例え請求書なしで利用できるとしても、高額請求を行う「悪質ファクタリング会社」ではないかと疑うべきです。

貸金業登録を行っていない「ファクタリングを装った違法貸付」

国内で利用できる一般的なファクタリングは「償還請求権なし(ノンリコース)」契約が原則です。
償還請求権がないことで、売掛先が倒産したとしても債権の買戻しなどを求められることがなくなります。
しかしファクタリング会社にとっては債権買取を慎重に行う理由ともなり、その判断のためにも請求書が必要となるのです。
ですが請求書なしで利用できる場所では、債権の買戻しなどが条件に含まれている「償還請求権あり(ウィズリコース)」契約となっている危険があり、その場合には債権買取ではなく貸付に該当する行為となります。
償還請求権ありとなっていても、貸金業を営む許可を得ていれば違法ではないのですが、「債権の買取を装った貸付」を行う場所の多くは貸金業を営む許可を得ていない「闇金融」であることから、利用することで様々なトラブルに巻き込まれかねません。

「請求書なしでファクタリングは利用できる?」まとめ

・「請求書なし」でのファクタリングの利用は不可能ではないが、請求書の役割を代行できる書類の提出が必要となる
・「請求書」以外に「本人確認書類・通帳コピー」の提出は必須であり、状況によっては他の書類提出が求められる可能性もある
・「請求書なし」で利用できる場所が見つかっても、悪質ファクタリング会社や闇金融である危険が高く利用すべきではない

請求書はファクタリングを利用する際の重要書類の1つであり、請求書なしで債権売却を行うのは不可能ではないものの、申込先への確認が必要となり代わりの書類の準備や提出に時間と手間がかかる可能性が高まります。
また請求書以外の必要書類についても、前もって確認しておくと安心です。
何かの理由によって請求書なしで利用できる場所をお探しであっても、代替えの書類すら不要となっている場合には、利用することで大きなトラブルに巻き込まれる危険が高い場所と言わざるを得ません。

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