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「不確定債権」はファクタリングに利用できる?売却できる条件や注意点を解説

2023年12月6日

中小企業や個人事業主向きの資金調達方法と言われるファクタリングは、「売掛債権」を保有する多くの企業が利用対象となることができます。
しかし、全ての債権がファクタリングに利用できるわけではありません。
特に「不確定債権」に関しては注意が必要であり、資金調達の実行にはどのような条件が存在しているのかを理解しておくことも大切です。
本稿では「不確定債権」に関しての情報を中心に、ファクタリングに利用できる債権の条件なども解説させていただきます。

ファクタリングで売却できる債権の条件とは?

ファクタリングによって資金調達を行うには、融資を受ける際のような「年齢条件」は存在しません。
また貸付に該当しないことから、担保や保証人も不要です。
他にも一部のビジネスローンなどで問われる売上に関する条件なども存在せず、多くの企業にとって申込対象となるのは難しいことではありません。
ただしファクタリングは、「売却可能な債権」を保有していなければ利用対象とはなれず、不確定債権なのかという以前にこれからご紹介する条件を満たせる債権であることが求められます。

決済日前の債権であること

現金化できる債権の条件の一つは「決済日前」であることです。
売掛先のトラブルなどによって支払いの遅延が発生してしまった債権は、原則として買取対象外になってしまうのです。
売掛先からの支払いが遅れてしまい不良債権となってしまった場合には、ファクタリング会社にとって買取りを行うリスクは大きく、審査通過できる可能性はほぼありません。
もし買取対象となれたとしても高額な手数料請求は避けられず、売却することで資金繰りへ悪影響を与えるリスクも高まります。

すでに譲渡済みの債権でないこと

決済日前であっても、すでにファクタリングによる資金調達や他社へ譲渡済みの売掛債権は、所有権を手放しており当然ですがファクタリングに利用することはできません。
もし再度ファクタリングに利用してしまった際には、「債権の二重譲渡」を行なったことになり詐欺行為として罪に問われかねません
二重譲渡が判明すれば買取が実行されることはありませんが、バレないとしても後々の大きなトラブルの原因となりかねないため、絶対に二重譲渡を行なってはなりません。

存在を証明できる債権であること

ファクタリングの審査で最重要視されるのは、「売掛先の信用力」です。
過去の取引実績や売掛先の信用情報、会社規模や経営状況などから取引先が確実に支払いを実行できる企業と判断されれば、審査通過は難しくなくなります。
ただしその前段階で「売掛債権が存在している証明」が行えなくては、審査通過はできません。

債権の存在を証明するためには、請求書や取引先との基本契約書、取引に使用している口座の通帳コピーなどの提出が求められます。
必要な書類は申込先次第ですが、書類提出が行えず債権の存在証明ができない場合には、審査通過は不可能となります。

額や決済日までの残日数の条件はファクタリング会社次第

売却を希望する債権の額や決済日までの残日数も、審査に影響を与える要素です。
売掛先の信用力ほど重要ではないものの、審査通過を左右する可能性や提示される手数料への影響は否定できません。
また額や決済日前の残日数に上下限が設定されていることもあります。
範囲は申込先次第であり、設定された範囲内でないと買取対象となれない可能性がありますので、サイト情報などを確認しておくことをおすすめします。

結論:不良債権に該当しない「確定債権」は高確率で売却可能

結論として、売掛先の支払日などが決定している「確定債権」であれば、高い確率でファクタリングによる資金調達に利用可能です。
しかし、すでに譲渡済みであったり不良債権となっていたりする場合には、買取対象とはなりません。
つまり確定債権のほとんどは現金化可能ということになりますが、買取の申込前に対象の債権について一度確認しておくと安心感は高まります。

「不確定債権」はファクタリングに利用できる?

商品の納品やサービスの提供が完了し決済日なども決定している確定債権は、高確率でファクタリングに利用することができます。
これに対して請求書が発行される前段階であり、決済日なども決定されていない債権「不確定債権」と呼びます。
不確定債権は「想定債権」「将来債権」の2つに分けることができ、不確定債権がどちらに該当するかによって、資金調達に成功できる確率に違いが発生します。

「想定債権」とは?

すでに商品の納入やサービスの提供が終わっているが請求書は発行していない状態の不確定債権は、「想定債権」と呼ばれます。
請求書さえ発行することができれば確定債権になることから、不確定債権の中では信頼できる状況と言えます。
しかし不確定債権は、請求書を発行した後と比較して審査通過できる可能性は低くなりますので、ファクタリングによる資金調達に向いている状態とは言えません

「将来債権」とは?

「将来債権」は、将来的に発生すると予想されている不確定債権です。
実際に納品やサービスの提供を完了しておらず、正式受注前の段階なども含まれます。
継続的に依頼を受けている売掛先が、現在受注している案件の取引後も依頼することを確約している状況などが該当します。
しかし現実的には受注していない状況であることが多く、買取を行うファクタリング会社にとっては、信頼性の判断が非常に難しい状況となります。

不確定債権を売却するメリット

将来債権を含めた不確定債権は、最高裁の判決では譲渡が可能と法的根拠が示されており、ファクタリングへの利用も可能と判断されています。
不確定債権がファクタリングに利用できるとなれば、大きな額の資金調達に成功できる可能性も高まり、設備投資費などを含めた資金確保が容易になるはずです。
現在、資金繰りに苦労している企業が状況を変えられるチャンスにもなり、多くの企業にとって不確定債権が売却できることで得られるメリットは小さくはありません。

不確定債権がファクタリング向きでない4つの理由

不確定債権を売却して現金化することは法的に反しておらず、ファクタリングへの活用も可能です。
しかし残念ながら、不確定債権を売却しての資金調達は現実的とは言えません。
ここからは、不確定債権がファクタリングに不向きと判断できる4つの理由をご紹介します。

不確定債権が買取可能なファクタリング会社自体が稀

まず第一に、不確定債権を買取り対象に含めているファクタリング会社自体が稀です。
原則的に償還請求権なしとなるファクタリングでは、回収不可能となる可能性が否定できない不確定債権を買取るリスクは小さいとは言えません。
実際に現在は多くのファクタリング会社が買取対象を確定債権に限定していますが、それは不確定債権の現金化を行うことで発生するリスクの高さが原因の一つであることは確かです。

債権が発生する根拠が必要

不確定債権の現金化が可能なファクタリング会社が見つかったとしても、将来的に債権が確定するという根拠が示せなくては審査通過できません
継続的に取引が行われていることが前提ですが、年単位など長めの期間が求められる可能性が高くなり、必要な書類も確定債権を対象とした取引よりも増えるなど、利用のハードルは低くありません。
通常のファクタリングを利用する際のメリットとなる「利用しやすさ」や「審査通過のしやすさ」は、不確定債権を売却する場合には期待しにくくなってしまうのです。

手数料が高額になりやすい

ファクタリングによる資金調達には、手数料の支払いが必須です。
そして提示される手数料は、債権回収のリスクが高まるほどに高額となります。
不確定債権の現金化には、本当に債権が確定するかという時点からリスクがあるため、確定債権の現金化と比較して手数料が高額となる可能性は大きく高まります
今後、不確定債権を活用したファクタリングが普及すれば手数料が安くなっていくことも考えられますが、現時点では低い手数料での買取は期待できません。

資金調達に時間がかかる

不確定債権を利用したファクタリングは、買取側にとってのリスクが高いことも影響し、審査が慎重に行われ長引くことが予想されます。
ファクタリングは最短即日での資金調達も可能なサービスと度々紹介されていますが、不確定債権を対象とした場合には素早い資金調達は難しくなります。
残念ながら現金調達を急いでいる時には、不確定債権の現金化は不向きと言わざるを得ません。

ファクタリングの利用には債権が発生するまで待つのが無難

現状では、不確定債権をファクタリングに活用するのは非常に難しく、現金化が可能だとしても、多くの方がファクタリングに対してイメージしているメリットは失われてしまいかねません。
さらに高額な手数料請求が行われるリスクや、現金化を行なった分だけ資金調達後の資金繰りが苦しくなりかねないなど、デメリットになる要素も少なくないのも事実です。
不確定債権によるファクタリングは現状では推奨しにくく、確定債権となるまで待つか、他の資金調達方法の利用を検討するほうが無難です。

『「不確定債権」はファクタリングに利用できる?』まとめ

  • 請求内容が決定している「確定債権」は、高確率でファクタリングに利用できる
  • 想定債権や将来債権などの不確定債権は法的には売却可能
  • 不確定債権を買取可能なファクタリング会社は稀であり、高額手数料が設定される確率が高いなど注意点が存在する

ファクタリングは融資よりも利用のハードルが低い、中小企業や個人事業主に適した資金調達方法です。
しかし買取対象となる債権は「確定債権」であることが大半であり、回収リスクが低いとは言えない「不確定債権」の買取を行っているファクタリング会社は簡単には見つかりません。
現金化ができたとしても、手数料や資金調達スピードなどファクタリングのメリットと言われている要素の多くが期待できず、不確定債権をファクタリングに利用しようとお考えであれば慎重に判断することが大切です。

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