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2社間ファクタリングで資金調達!3社間とは何が違うのか、メリット・デメリットや活用できるケースを徹底解説
2024年1月15日
ファクタリングとは、売掛債権を期日より前に現金化する資金調達方法です。
このファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類の契約形態が存在します。
2社間と3社間では、現金化のスピードや手数料、売掛先が関与するかどうか、といった違いがあり、メリット・デメリットもそれぞれ異なります。
ご自身にとって、最適な契約形態を選択できるよう、今回は3社間との違いを明らかにしながら、「2社間ファクタリング」について解説します。
目次
2社間ファクタリングとは?
2社間ファクタリングとは、主に利用者とファクタリング会社の2社間で取引が行われる契約形態です。
売掛先が契約に関与しない為、「資金調達をした」という事実を売掛先に知られずに資金調達が出来ます。
2社間ファクタリングは早期現金化が特徴的ですが、手数料が高い傾向にあります。
2社間ファクタリングの契約の流れは以下の通りです。
① 売掛金の発生
② 利用者と売掛先の2社間で発生した売掛債権をファクタリング会社に譲渡
③ ファクタリング会社から売掛債権-手数料の代金が支払われる
④ 売掛先から利用者へ、売掛金が支払われる
⑤ 売掛先から支払われた売掛金を利用者がファクタリング会社へ支払う
2社間ファクタリングでは、売掛金が売掛先から利用者、利用者からファクタリング会社へ移動します。
ファクタリングとは、「売掛金の売却」のイメージが強いですが、実際には「売掛金の譲渡」です。
厳密に言えば、ファクタリングは売掛金という「売掛先から後日商品の代金を受け取れる権利」を譲渡し、その対価が支払われるのです。
このような取引を債権譲渡取引といいます。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
次に「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の違いを説明します。
1番大きな違いは、売掛先の関与の有無にあります。
2社間であれば、利用者とファクタリング会社間で契約が進みますが、3社間の場合は利用者とファクタリング会社、そして売掛先の3社間で契約を結びます。
2社間と3社間では関与する会社の数が違う為、契約進行においてスピード感に差があります。
2社間であれば、利用者とファクタリング会社間のみで取引が行われるので、利用者の都合を配慮してもらうこともできスピーディな取引が可能ですが、対して3社間は、売掛先の都合も関わってくるため、2社間と比較するとスムーズではありません。
2社間ファクタリングのメリット
2社間ファクタリングを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
2社間ファクタリングのメリットは以下の通りです。
①売掛先に資金調達をしたことが知られない
2社間ファクタリングでは、売掛先に対して資金調達を行ったことが通知されません。
3社間ファクタリングであれば、売掛先が関与する為、利用者が売掛先に対して「ファクタリングを利用してもよいか」の承諾を得る必要があります。
必然的にファクタリングを利用する旨が売掛先に知られますが、2社間ファクタリングであれば、その心配はいりません。
基本的に、資金調達を行うことは、取引先にとってマイナスなイメージを与えてしまいます。例えば、
・経営状態に問題があり、銀行融資が受けられず、審査の甘いファクタリングを利用しているのでは?
・急な資金不足に陥るような事情があったのではないか
こういったいったイメージを与えてしまうかもしれません。
取引先にとって、「ファクタリングを利用した」ことは不安要素となり、最悪、取引停止に繋がる可能性も十二分にあります。
そもそもファクタリングが世に浸透し始めたのはつい最近であり、ファクタリングでの資金調達に疑念を抱く企業がいないとは言い切れません。
その為、売掛先からの信用を損なわず、資金調達を行いたい場合には、2社間ファクタリングの利用をオススメします。
②スピード感のある資金調達が可能
前述しましたが、2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の2社間での取引である為、利用者の都合で契約が進みやすいです。
ゆえに最短で即日での資金調達も可能となります。
即日で資金調達する為には、ファクタリング会社に申込をする時間帯を、平日の午前中にし、書類の事前準備やオンライン取引を活用することを知っておかなければなりません。
「今すぐに現金が必要だ!」という方は2社間ファクタリングでの即日現金化を推奨します。
③償還請求権がない
ほとんどの2社間ファクタリングには償還請求権がありません。
償還請求権とは、売掛先が倒産等の理由により支払いが不能になった場合、請求を売掛先でなく利用者に対して求める権利のことです。
この償還請求権が「ない」ということは、仮に売掛先が倒産したとしても、利用者に対して代金が請求されません。
この代金はファクタリング会社が負担してくれるため、倒産リスク等の軽減にもつながります。
2社間ファクタリングのメリットについてご理解いただけたでしょうか。
ですが、2社間ファクタリングにはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。
次は2社間ファクタリングのデメリットについて解説します。
2社間ファクタリングのデメリット
2社間ファクタリングのデメリットは以下の通りです。
①手数料が高い
2社間ファクタリングの手数料の相場は10%~30%であるのに対し、3社間ファクタリングは1%~10%と大きく差があります。
2社間ファクタリングはその性質上、手数料が高くならざるを得ません。
2社間ファクタリングは売掛先が契約に関与しない為、審査の際の信用情報を確認する手段は、利用者が提示する情報のみです。
つまり、売掛先からの直接的な情報でない為、確実性がありません。
その為、審査も慎重に行い、且つ、手数料を高めに設定することでファクタリング会社はリスクヘッジします。
2社間ファクタリングは手数料が比較的高めに設定されています。
利用する際は、様々なファクタリング会社の手数料を比較してみるといいでしょう。
②審査に通りにくい
2社間ファクタリングは3社間と比較すると審査に通過しにくいです。
なぜなら、売掛先が関与しない分、「売掛金の未回収リスク」(本当に売掛金を回収できるのか)を判断しにくいからです。
利用者が提示した資料等からリスクを算出するのは難しく、必要書類等が1つでも欠けていたら審査に通らない場合もあります。
必要書類は事前に確認し、用意をしておきましょう。
2社間ファクタリングでは、利用者の経営状況も少なからず審査に影響します。
明らかに経営不振である場合、貸倒リスクが生じる為、ファクタリング会社も厳重に審査をします。
2社間ファクタリングを利用する際は、売掛債権の存在を確実に証明できる書類や信用力が大切となってきます。
③債権譲渡登記が必要となる場合も
基本的に、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要になる場合が多くあります。
債権譲渡登記とは、第三者に対して債権を譲渡した事実を対抗する為に必要なものです。
譲渡した売掛金の権利を登記することで、売掛債権の移動を明らかにすることが可能です。
2社間ファクタリングであれば、「ファクタリング取引を行った」という事実を知るのは利用者とファクタリング会社のみです。
ですが、債権譲渡登記がない状態で第三者が債権を主張した場合、対抗することは不可能で、ファクタリング会社は売掛金を回収できない可能性が生じます。こういったリスクを回避する為にも、債権譲渡登記が必要なのです。
債権譲渡登記にはコストも伴う為、手数料負担も高まります。
④大手ファクタリング会社では利用できない
2社間ファクタリングを提供しているのは、ほとんどが中小のファクタリング会社です。
大手銀行等が提供しているファクタリングは3社間のみが多いです。
大手側もリスクを回避したいため、売掛先が関与しない2社間ファクタリングは避け、より売掛先の信用情報を得られる3社間ファクタリングのみを提供する形をとっています。
大手ファクタリング会社を希望する場合は、2社間ファクタリングの利用は難しいと思うべきでしょう。
⑤詐欺被害の可能性
上述したように、大手企業は2社間ファクタリングを提供していません。その分、悪徳業者が紛れ込みやすいのが実態です。
悪徳業者の特徴としては、
・償還請求権を求めてくる
・担保や保証を求めてくる
・法外な手数料の請求
・業歴が浅い
・給与ファクタリングを提供している
といったポイントがあります。
こういった点にも注意し、悪徳業者の被害を避け、安心できるファクタリング会社を選択しましょう。
以上が2社間ファクタリングのデメリットです。
2社間ファクタリングが好まれるケース
ここまで2社間ファクタリングのメリット・デメリットについて解説してきました。
では、実際に2社間ファクタリングの利用が好まれるのは、どのようなケースでしょうか。
以下のケースが該当します。
・急な資金不足による緊急性の高い資金調達
・売掛先に対して信用情報に影響を与えずに資金調達がしたい
・銀行から融資を受けることができない
こういった際には2社間ファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか。
2社間ファクタリングのまとめ
今回の記事では、ファクタリングの契約形態の中での「2社間ファクタリング」にフォーカスして解説しました。
2社間ファクタリングのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
2社間ファクタリングを利用するメリット
・売掛先に資金調達をしたことが通知されない
・スピード感のある資金調達が可能
・償還請求権が無い
2社間ファクタリングを利用するデメリット
・手数料が高い
・審査が通りにくい
・債権譲渡登記が必要
・大手企業が提供していない
・悪徳業者に出会う可能性が高い
2社間ファクタリングの概要について、理解していただけたでしょうか。
2社間ファクタリングを利用する際は、自社の状況を正確に把握し、3社間ファクタリングとのメリット・デメリットを比較したうえで、最適であると判断できる場合に活用しましょう。