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ファクタリングは貸金業に該当する?融資との違いによるメリットと注意点も解説

2023年10月11日

ファクタリングはここ数年で資金繰りに活用する企業も大きく増加している、中小の企業や個人事業主におすすめしたい資金調達方法です。
ですがファクタリングを融資の1つであり貸金業に該当するサービスと勘違いされている経営者様も、まだまだ少なくはありません。
本稿では債権を現金化するファクタリングサービスが貸金業に該当しないという根拠と、融資ではないからこそ得られるメリットや注意点を解説させていただきます。

[結論]ファクタリングは貸金業には該当しない

早速の結論となりますが、「ファクタリングは貸金業?」という問いには、「貸金業には該当しない」が答えとなります。
売掛債権を売却して現金化を行なうのがファクタリングの仕組みであり、融資とは全く違う資金調達方法です。
銀行融資よりも利用しやすいと言われるのも仕組みの違いが大きく影響しているのです。

ファクタリングは売掛債権の譲渡(売却)による資金調達方法

ファクタリングとは、期日前の売掛債権をファクタリング会社と呼ばれる買取会社が、審査によって決定された手数料を差し引く形で買取るサービスのことを指します。
法律上では売掛債権の売買契約及び譲渡契約に該当し、融資などの貸金業にはあたりません。
なお、売掛債権の支払いが滞った際の保険的な働きをする「保証ファクタリング」などは、この説明の対象とはなりません。
ファクタリング会社へ債権を売却し早期現金化を行う、一般的なファクタリング(買取ファクタリング)は貸金業に該当することはないとお考えください。

ファクタリング業務に貸金業登録は不要

一般的なファクタリングが融資ではなく債権の買取である以上は、銀行や一部の公的な機関以外が貸金業を行うために必要となる「貸金業登録」も、ファクタリング業務には不要となります。
金融機関がファクタリング業務を行うのも法的に問題なく、貸金業登録を行っていない業者がファクタリング業務を行っても違法とはなりません

貸金業に該当するファクタリングの条件とは?

売掛債権を現金化するファクタリングサービスであっても、その契約条件によっては貸金業登録が必要なケースが存在します。
また貸金業に該当している場合は「一般的なファクタリング(買取ファクタリング)」とはならず、ヤミ金融が関係している危険な悪質ファクタリング会社かも知れません。
以下にご紹介する項目に当てはまっている可能性がある場合には、一旦利用を踏みとどまり安全性について慎重にご判断ください。

「ノンリコース(償還請求権なし)」ではない

日本国内でのファクタリングサービスは「ノンリコース(償還請求権なし)」となっていることがほとんどです。
ファクタリングでのノンリコースとは、「売掛先が倒産するなどして、債権の回収が不可能となっても補償を求められない契約」を指します。
これによって債権売却後は、売掛先の倒産リスクはファクタリング会社が背負うことになります。
「ファクタリングによる資金調達は売掛先の倒産リスクへの対策に有効」と言われることもありますが、それは貸金業ではなく、ノンリコースでの契約ができるからこそなのです。

もし償還請求権あり(ウィズリコース)となっている場合は、売掛債権を担保として扱っているとも考えられることから、貸金業に該当するサービスと判断されます。

手数料の分割払いが可能

ファクタリングを利用しても利息は発生しませんが、手数料の支払いが求められます。
手数料は債権買取を実行する際に、債権の額面から引かれる形で支払うことになるのが基本であり、多くの現金を受取りたいと考えても手数料の分割払いを行なうことはできません
もし手数料を一括ではなく分割払いできるようになっているとすれば、法的には貸付として扱われることになりますので貸金業登録が必須となります。

担保や保証人が必要

担保や保証人は、貸付を受けた側が支払いをできない状況に陥った際に、代わりに返済を行ったり担保を売却することで補填したりするためにあります。
しかし貸金業ではないファクタリングでは、そもそも「返済」を行う必要はなく担保や保証人を求められることはありません
もし買取側が担保や保証人を求めてきた場合、本来は背負うべきリスクを背負わずファクタリングを利用した側に背負わせたことになります。
この場合も一般的なファクタリングではなく貸金業に該当しますので、融資として扱われます。

給与ファクタリング

「給与ファクタリング」とは、労働者が有する働き先から賃金を受け取る権利(賃金債権)を、事業者が有する売掛債権と同様に扱い買取る行為を指します。
一見、問題がない行為に思えるかも知れませんが、働き先からの支払いは労働者に対して行われなければならないと労働基準法で定められており、もし賃金債権を譲渡したとしても買取側に対して勤務先から支払いを行なわれることはありません。
このため労働者が賃金を受取り、賃金債権の売却先に支払うという流れになりますが、これは貸付に該当すると判断されることから貸金業登録が必要となるのです。

領収書ファクタリング

領収書は支払いを行った証拠となる書類であり、売掛債権の存在を示す書類ともなる請求書とは全く違う役割を持ちます。
領収書を買取り現金化する行為が「領収書ファクタリング」や「経費ファクタリング」と呼ばれていますが、売掛債権の買取ではないことから一般的なファクタリングとは全く違う行為となります。
領収書ファクタリングも実質的に貸金業と考えられ、貸金業登録を行っている業者であるかの確認と注意が必要となります。

融資に該当する=違法ファクタリングとは言い切れない

ファクタリングと名前に付いているとしても、それだけで貸金業登録が不要なサービスとは言い切れません。
融資に該当する業務であれば貸金業登録が必要であり、登録し貸金業を営む権利を有していれば違法ではなくヤミ金融でもないということになります。
しかし「売掛債権を買取り早期現金化するサービス」と認識されているファクタリングをあえて名乗り、貸付を行う場所の多くは、貸金業登録を行ってはいないのも事実です。

また貸金業に該当する場合は、ファクタリングが本来持っているはずのメリットを失っている可能性もあります。
中小企業の資金繰りに適した「一般的なファクタリング」に魅力を感じるのであれば、貸金業と判断されるサービスの利用は避けるのが無難です。

契約書は細部まで確認が必要

手続きを進める中で貸金業にあたらないサービスと判断できたとしても、契約書の内容は細部まで読み込んだ上で契約手続きを行ってください
契約書内に貸金業であると判断される内容が記載されており、その上で契約してしまうとトラブルが発生した際の解決が難しくなります。
もちろん電子契約によるデータを含めて契約書となるものが用意されていない場合も、悪質業者であるリスクが高いとお考えください。

貸金業ではないからこそのファクタリングのメリット

債権の売買契約であるファクタリングは貸金業登録が不要ですが、それ自体は利用する側にとってメリットとは言えません。
しかしファクタリングには貸金業ではないからこそ得られるメリットが幾つもあります。
その中でも代表的な3つのメリットをご紹介します。

資金調達スピードが速い

ビジネスローンは「即日融資」に対応できる商品もありますが、金利の高さや限度額の低さがデメリットとなることが少なくないのが現実です。
また、低金利や高額融資の期待が高いことが魅力となる銀行融資は、融資まで2週間から1ヶ月程度かかることも珍しくはありません。
貸金業では完済まで無事に行えるかを審査で問う必要があり、提出書類が複雑で多くなりやすく、審査が長引く傾向があるのも仕方ないと言えます。

これに対してファクタリングは、「本人確認書類・通帳のコピー・請求書」など少ない書類で利用できる場所もあり、元々支払われる予定の売掛債権の決済が行なわれる確率を判断するだけですので、審査も短時間で済みやすくなります。
多くのファクタリング会社では1週間以内での債権現金化を行っており、スピード自慢の場所ならば即日での債権買取にも対応可能です。
この速さは貸金業に該当しないからこそと言えます。

負債額を増やさない

貸金業を利用すれば、一時的だとしても負債が増えるのは避けられません。
ですが、貸金業に該当しないファクタリングを利用したとしても負債額が増えることはありません。
負債額が増加すること自体は企業として悪いこととは言い切れませんが、貸借対照表の肥大化が進み決算書などへの悪影響が出始めると無視することもできなくなってしまいます。
負債を増やさずに資金調達が行えるファクタリングを利用すれば、決算書への影響を減らすことができ、債務超過のリスクなども回避しやすくなります。

経営状況が悪化していても利用可能

貸金業を利用しての資金調達にもメリットはあります。
しかし、経営状況が芳しくないとなれば審査通過の可能性は低くなり、融資を受ける事自体が難しくなってしまいます。
ですが、ファクタリングならば赤字経営の企業であっても、審査への影響はあまりありません
売掛先が債権の期日に支払いを問題なく行えるかが審査では重要であり、債権の売却を申込んだ企業の経営状況が支払いに影響しないのがその理由です。
貸金業では重要視されるポイントがファクタリングでは重要ではなくなるからこそ、融資の審査に落ちた企業も利用できる期待が高いのです。

ファクタリングを利用する際の注意点

貸金業にない魅力を持つファクタリングですが、逆に貸金業を利用した資金調達とは違う注意点も存在しています。
しかしその多くは仕組みの違いが影響していますので、仕組みを正しく理解して利用すればそれほど大きな問題にはならないはずです。

手数料が負担になる可能性がある

債権を売却する際に必要となる手数料は、申込先によって大きく異なる可能性があります。
貸金業ではなく法的規制がないファクタリング会社は、それぞれの会社で審査基準に違いがあり、手数料相場も「2%以上30%未満」と幅広いため、申込先によって同じ債権でも買取額に差が出ることが十分に考えられるのです。
手数料が高く負担になると感じた場合には無理して契約をせず、他社に申込みを行い比較してみることをおすすめします。

売掛先の状況が審査で重要になる

経営状況が悪化していても利用可能なのは貸金業ではないファクタリングの魅力ですが、売掛先の状況次第では順調な経営を行っていても利用できない危険があるということにもなります。
売掛先の経営状況が悪くなくとも、取引実績が皆無であったり、過去に支払いを遅らせた事実がある売掛先の債権は審査に影響が出るかも知れません。
売却する債権選びがファクタリング審査通過へのポイントとなりますので、取引実績などにも注目してお選びください。

一度利用したことで抜け出しにくくなることがある

資金ショートのピンチを乗り切るためにも、素早く資金調達ができ審査通過もしやすいファクタリングは役立ちます。
ただし資金調達後に資金繰りが安定する見込みがなく、続けて利用することになると、継続利用から抜け出すことが難しくなる可能性があります。
利用実績が増えれば手数料の引き下げも期待できますが、それでもゼロになることはあり得ず、手数料分だけ売上を失う状況になりかねません。
ファクタリングによってピンチを凌ぎつつも、状況改善の方法を模索することが必要となります。

「ファクタリングは貸金業に該当する?」まとめ

  • ファクタリングは貸金業に該当せず、債権の売買契約及び譲渡契約に該当する
  • 資金調達スピードや審査基準など、貸金業による資金調達にはないメリットがある
  • 貸金業とは違う注意点も意識して利用することが大切

貸金業ではなく債権の売買(譲渡)契約であるファクタリングは、負債を増やすことがなく中小企業も利用しやすい資金調達の選択肢です。
しかし審査基準の違いなどを正しく理解して利用することが大切であり、上手く活用することができれば貸金業に頼る割合を減らし、資金繰りをより安定させることも可能となります。

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