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2024年のファクタリングはどうなる?市場規模やサービス内容にも注目
2023年10月19日
急ぎの資金調達にも対応可能であり、赤字経営など融資の審査通過が難しい企業も利用できる期待が高い「ファクタリング」は、融資に頼った資金繰りの問題解消にも役立つ資金調達方法です。
本稿では、そんなファクタリングは2024年にどう変わっていくのかを、市場規模やサービス内容に焦点を当て解説させていただきます。
目次
ファクタリングの歴史と2024年の認知度
14世紀にはファクタリングの原型は存在していたと言われていますが、「売掛債権の譲渡による現金化」という現在に近い形で利用されだしたのは、19世紀末のアメリカではないかと言われています。
ファクタリングはサービス誕生後、運転資金確保に役立つサービスとして評判となり、現在では一般的な事業者向け資金調達方法として多くの企業が利用している国も少なくはありません。
またすでに資金調達方法として浸透している国でも、2024年を含め今後も緩やかに市場規模は拡大すると考えられています。
日本国内でのファクタリング市場規模は2024年も拡大する
日本では1970年代に入ってからファクタリングが広まりだしたものの、国内では手形取引が主流だったこともあり、ファクタリングが事業者向け資金調達方法として認知されるペースは海外と比較して緩やかでした。
しかし、ここ数年でファクタリングを資金調達に利用する企業は大きく増加しており、2024年も市場規模は引き続き拡大すると予想されています。
ここからは、2024年以降もファクタリングの市場希望が拡大すると考えられる要因を解説させていただきます。
資金調達法としての認知度の向上
本稿をお読みいただいている方の多くは、「ファクタリング」に関して何らかの興味を持っておられるはずです。
そして興味を持っている方の中には、ファクタリングは「中小企業や個人事業主に適した資金調達方法」であり、即日資金調達が実現可能など多くのメリットがあることを、ご存知である方も少なくないかも知れません。
ネット上でもファクタリングに関しての記事は数多く見つけることができ、事業者向け資金調達方法として認知されやすくなったことが、ここ数年での利用者の大幅な増加と2024年以降も市場規模が拡大すると予想される大きな要因の1つとなります。
手形取引の衰退
1970年代に日本にファクタリングが伝わった際、注目を集めにくかった原因として「手形取引」の存在があります。
しかし手形取引は日本経済のバブル崩壊を境に取引で利用される頻度が低下し、発行や管理が容易な売掛債権が事業者間の取引で積極的に採用されるようになりました。
ファクタリングは手形取引と入替るように取引の中心となった売掛債権を活用した資金調達方法であり、2024年も右肩上がりでファクタリングを資金繰りに活用する企業が増加すると予想されています。
法整備の影響
2024年以降も市場規模拡大が期待されるファクタリングですが、特に2020年が大きな転換期になったと言われています。
2020年の4月までは、「債権譲渡禁止特約」が付与されている債権は他者に譲渡することができず、ファクタリングに利用することもできませんでした。
しかし民法の改正によって債権譲渡禁止特約が付与されている債権であっても譲渡が可能となり、ファクタリングを利用するためのハードルが大きく下がったのです。
この影響は現在も続いており、2024年以降のファクタリング利用者増加へも好影響を与えるはずです。
政府による情報発信
一時期ファクタリングの市場規模拡大が進まなかった理由の1つには、「イメージの悪さ」も影響していたと考えられます。
認知度の低さや違法な資金調達方法ではないかと疑われていたこともあったため、利用を避けていたという企業も少なくないかも知れません。
しかし主に融資に関してですが、資金繰りへの「売掛債権の利用促進」を中小企業庁が推奨したことや、ファクタリングを「事業者向け資金調達の一手段」と金融庁が認めたことによって、悪いイメージや安全性への不安が払拭されることになりました。
2024年以降も、政府発信の情報によるイメージ改善の影響が期待されます。
オンライン対応の利便性アップ
現在では多くの方がスマートフォンを保有しており、自宅や会社にインターネット環境がないという状況は多くはないはずです。
そして様々なサービスがオンライン対応を行っており、ファクタリングにおいても様々な手続きがオンライン上で行えるようになってきています。
手持ちのスマートフォンや会社のパソコンから手続きが進められることで、ファクタリングを利用する際の手間や負担が大きく削減できるようになりました。
2024年以降もオンラインサービスは進化していくのが確実であることも、2024年もファクタリングの市場規模が増加すると予想される要因となります。
2024年以降のファクタリング業界のサービス内容はこうなる
様々な理由から2024年もファクタリングの市場規模は拡大すると考えられますが、サービス内容に関しても幾つかの変化が予想されています。
その多くはファクタリングを利用する企業が2024年以降も増加していく要因ともなるものです。
これからご紹介する変化点によって、2024年もファクタリングは資金調達方法としての価値を高めるはずです。
事業者間の競争により「手数料の引下げ」が期待される
ファクタリングの市場規模が拡大することで、「ファクタリング会社の数」も2024年には一層増加することになるはずです。
ファクタリング会社の数が多くなれば申込先の選択肢も増えますが、何より業者間での競争が発生しサービス内容の向上が期待されます。
債権を売却する側にとってメリットが大きい「手数料の引下げ」も期待されますので、現在よりもお得に債権現金化が行える可能性が高まります。
2社間ファクタリングの需要が増す
ファクタリングには売掛先への通知を必要とする3者間ファクタリングと、通知が不要な2社間ファクタリングが存在していますが、2024年は2者間ファクタリングの需要が増すと予想されます。
その要因の1つとしては、2社間ファクタリングに特化した業者の増加があります。
また2社間での契約は手数料が高くなりやすいのがデメリットと言われていましたが、徐々に手数料相場も下がってきており、3社間ファクタリングとの差が縮まりつつあるのも大きな要因になると考えられます。
「オンラインファクタリング」が広まる
2023年現在でも「申込み・書類提出・面談・契約手続」などをインターネット上で完結できる「オンラインファクタリング」が利用できるファクタリング会社は増加中です。
この流れは2024年も続くのは確実であり、オンラインファクタリングに対応できる場所がより多くなるのは間違いありません。
オンラインファクタリングは、申込みを終えてから1時間以内での債権現金化も可能とし、手数料も安くなりやすいなどの特徴があるため、積極的な活用をおすすめします。
「将来債権」が利用できる可能性が高まる
2020年の民法改正によって、債権譲渡禁止特約が付与されている債権も譲渡可能となったことは、ファクタリングにとって大きな追い風となりました。
しかし民法改正の影響はそれだけではなく、今後発生が確実視される債権である「将来債権」もファクタリングに利用可能となったのです。
ですが買取側にとってのリスクが、発生済みの「確定債権」と比較して高いこともあり、2023年現在では将来債権の買取に対応できるファクタリング会社を見つけるのは容易ではありません。
2024年になっても多くのファクタリング会社では将来債権の買取は難しいかも知れませんが、徐々に対応できるファクタリング会社が増えていく可能性はあります。
政府の働きかけなどにより「悪質業者」減る
金融庁は、ファクタリングについての情報をホームページに掲載していますが、「ファクタリングに関しての注意喚起」として、悪質業者を利用した際の危険性も掲載しています。
今後は金融庁の働きかけなどによって、ファクタリングに関して正しい知識を持つ方が増える可能性が高くなり被害が減り、また注意喚起の効果も期待できますので悪質業者自体が減ることも期待されます。
ですが、2024年には悪質業者がゼロになっているとは残念ながら言えないため、契約内容などをよく確認した上で債権売却を行うことが求められます。
悪質業者の特徴と対策
・妥当性のない高額な手数料請求
・ファクタリングを装った違法貸付
悪質業者は主に、上記した2つの行為によって利用者に被害を与えてくる可能性が高く、注意が必要となります。
ファクタリングは手数料に関しての法規制がないため、高額手数料請求=悪質業者とは言い切れませんが、やはり納得できない手数料の場合は債権を売却すべきではありません。
手数料の妥当性に関して判断が難しい場合には、手続きに必要な手間や時間は増加しますが、複数社に申込み相見積もりを取るのが効果的です。
またファクタリングは債権の譲渡契約であり、融資には該当しないサービスです。
もし担保や保証人が必要であったり、ウィズリコース(償還請求権あり)の契約内容となっていたりするなど、「ファクタリング会社が債権回収リスクを負わない」状況になっている場合には、融資に該当するとお考えください。
ファクタリングを装いながら貸付を行っている場所は、「闇金融」が関係している可能性が高いため、非常に危険な存在と言わざるを得ません。
「2024年のファクタリングはどうなる?」まとめ
・2024年もファクタリング市場規模は拡大が予想されている
・「オンラインファクタリング」が広まるなど、サービス内容の向上などが2024年以降も期待され、資金調達方法としての利用価値はより高まると考えられる
・2024年以降も悪質業者に騙されないよう、契約書の細部までの確認などが求められる
ここ数年で市場規模が一段と大きくなったファクタリングですが、資金調達方法としての認知度の高まりなどから、2024年になっても市場規模はより拡大すると予想されています。
サービス内容に目を向ければ、ファクタリング会社間の競争も活発化すると考えられ、手数料の引下げなどの期待も高まります。
ファクタリング業界の成長は利用者側にとってメリットに繋がりやすいのは事実ですが、今後もこれまで通りトラブルに巻き込まれることがないように、しっかりと情報収集を行い契約内容も確認した上での債権売却が大切です。