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中小企業向きなのは「ファクタリング」or「ビジネスローン」?特徴と違いを解説
2023年10月12日
中小企業の経営者様の多くは、資金繰りに関する悩みや改善方法をお探しかも知れません。
「ファクタリング」と「ビジネスローン」はそんな中小企業の経営者様にとって、資金調達の選択肢となる可能性があります。
本稿ではファクタリングとビジネスローンという2つの資金調達方法について、それぞれの概要やメリット・デメリット、さらにはどちらを選ぶべきか迷った時の参考にしていただきたい、4つのポイントでの比較も行っています。
本稿をチェックしていただけば、自社に適した資金調達方法を見つけられるはずです。
目次
「ファクタリング」と「ビジネスローン」それぞれの概要と特徴
ファクタリングとビジネスローンは、資金調達方法としての仕組みから大きく違います。
2つの資金調達方法を比較する前に、まずはそれぞれの概要とメリットともなる特徴、そして利用前に知っておいていただきたい注意点をご紹介させていただきます。
ファクタリングとは?
売掛債権を支払期日より早いタイミングで現金化する、事業者向けの資金調達方法がファクタリングです。
法的には債権の売買契約及び譲渡契約に該当し、貸付には該当しません。
債権の買取時には手数料が発生しますが特に費用を用意する必要はなく、手数料は債権の額面から引き去られるのが一般的です。
売掛債権を保有していれば、多くの場合で利用対象となることができます。
ファクタリングの特徴
- 最短即日での売掛債権現金化が可能
- 赤字経営や債務超過であっても審査への影響は小さい
- 利用しても負債額が増えることがない
- 売掛先の倒産リスクの備えとしても活用できる
- 利用条件を満たすのが容易
ファクタリングの大きな特徴は「利用しやすさ」です。
まずファクタリングを利用する際には担保や保証人などは必要なく、事業計画書の作成も原則不要です。
また一部のファクタリング会社では1年以上などの業歴を求めてくることがありますが稀であり、決済日前の売掛債権を保有してさえいれば高確率で利用対象となることができます。
さらに売掛先の信用力を重視する審査基準により、赤字や債務超過、税金滞納中などの企業も利用することが可能です。
売掛先は信用情報と支払い実績に問題がない、安定した経営を行っている企業であれば審査通過は難しくありません。
そしてスムーズに手続きを進めれば最短即日で債権が現金化可能であり、売買契約であることから債権売却後に売掛先が倒産しても債権の買戻しを求められることがないのも、利用する側にとってのメリットとなります。
ファクタリングの注意点
- 手数料を制限する法律が存在しない
- 売掛債権の早期現金化の影響
- 売掛先の経営状況や関係性が重要
ファクタリングを利用する際には提示された手数料にご注目ください。
手数料を制限する法律がないことから、申込先によって提示される額に大きな違いが出ることも考えられます。
手数料が高いと感じた場合には、他社に申込みを行ってみて比較してみるのもおすすめです。
また債権を早期現金化したことで今後の資金繰りに大きな影響が出ないかにも考慮が必要です。
売掛先にファクタリングの利用を知られることで今後の関係性に影響しそうであれば、売掛先への通知が不要な2社間ファクタリングを選択するなど、状況に応じて契約方法や売却する債権選びを行うことも大切です。
ビジネスローンとは?
ビジネスローンは名前の通りビジネス向けのローン商品であり、法人や個人事業主でなければ申込みを行うことができません。
また利用目的は運転資金や設備投資などの事業性資金に限られます。
ビジネスローンは通常の金融機関からの融資と比較して、手続きの利便性や融資までのスピードに優れている商品が多く、中小企業や個人事業主向きの資金調達方法の1つです。
ビジネスローンの特徴
- 即日融資にも対応可能
- 通常の融資商品よりも審査のハードルは低め
- 総量規制の対象外
- 無担保、無保証人で利用できる商品も少なくない
金融機関からの融資は早くて2週間程度、状況によっては2か月以上の期間が必要になることも珍しくはありません。
しかしビジネスローンならば申込み完了後、1週間以内での借入も不可能ではなく、ノンバンクのビジネスローンならば即日融資も期待できます。
また審査基準も通常の銀行融資と比較して緩めであることが多く、中小企業や個人事業主のビジネスローン審査通過もそれほど難しいことではなくなります。
その他にも事業性資金に用途を限定していることから、総量規制の対象となる年収の3分の1を超えた借入も可能であり、多くのビジネスローンでは無担保・無保証での利用が可能となっています。
ビジネスローンの注意点
- 金利が高めになることが多い
- 高額資金調達には向かない
- 今後の融資への影響が考えられる
ビジネスローンは無担保・無保証人で利用できながら審査通過のハードルも低めというメリットがありますが、そのメリットと引換えに「金利の高さ」や「限度額の低さ」という注意点を抱えています。
貸付を行う側にとっては、審査のハードルを下げ無担保・無保証人で貸付を行うのは、大きなリスクを背負うことになりかねません。
そのリスクに対する対応として金利が高めになり、また限度額を低めに設定するのもある意味で致し方ないと言えます。
また特にノンバンクのビジネスローンを利用した場合には、銀行などへ融資の申込みを行った際の審査に悪影響が出る可能性があります。
今後、銀行融資や公的機関からの融資を考えているのであれば、ビジネスローンの利用は控えるべきかも知れません。
ファクタリングとビジネスローンを4つのポイントで比較
ここからは特に中小企業や個人事業主の方が資金調達方法を選ぶ際に気になる「4つのポイント」で、ファクタリングとビジネスローンを比較させていただきます。
また併せて、ファクタリングとビジネスローンをどのようなシチュエーションで利用すべきかも挙げさせていただきますので、参考にしていただけると幸いです。
審査通過のしやすさ
ファクタリングの審査で重要となるのは、売掛先の信用力です。
信用力は、売掛先の経営状況だけでなく、信用情報やこれまでの取引実績などからも判断されます。
しかし、これまでの取引で行われていた通りに売掛先が支払いを行える可能性が高いと判断されれば良いため、審査基準自体も厳しくはなく、特に売掛先が公的機関となれば審査通過はほぼ確実となります。
また、売掛債権の支払いに影響することがまずなく、ファクタリングの利用申込みをされた企業の経営状況は審査で重要ではありません。
対してビジネスローンは、銀行融資などよりも審査通過しやすいのは事実ですが、融資であることには違いはなく、経営状況や返済能力が問われることになります。
つまり経営状況が芳しくない企業はビジネスローンの審査に通過できない可能性があり、通過できたとしても高金利・低限度額となる確率は低いとは言えません。
このような理由から、審査通過しやすいのは「ファクタリング」と判断することができます。
手続きの手軽さ
-
【ビジネスローン】
- 本人確認書類(法人・個人事業主)
- 決算報告書(法人)
- 登記事項証明書(法人)
- 確定申告書(個人事業主)
- 資金計画書(個人事業主)
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【ファクタリング】
- 本人確認書類(法人・個人事業主)
- 請求書(法人・個人事業主)
- 取引に使用している金融機関口座の通帳コピー(法人・個人事業主)
上記したのは、ビジネスローンとファクタリングを利用する際に必要となる、主な提出書類です。
状況によって更に必要書類が増える可能性もありますが、ファクタリングは提出書類が少ないだけでなく、準備に手間もあまりかからない書類が中心です。
手続き自体はビジネスローンとファクタリングともにオンライン完結ができる場所も少なくはなく、利便性に大きな差はありませんが、提出書類の面でファクタリングが少し優れていると考えられます。
資金調達スピード
ファクタリングもビジネスローンも、申込先選びとスムーズな手続きを進めることが前提となりますが、どちらも即日での資金調達が不可能ではありません。
ただし前述させていただいているように、ファクタリングは提出書類が少なく、返済能力を問われることもありません。
ですので審査が短時間で終わる可能性はファクタリングの方が高いと判断できます。
しかし、ビジネスローンは一度契約を行えば限度額内で繰り返し借入れが可能な商品もあるため、利用方法によるとも考えられます。
資金調達後の負担
ビジネスローンは貸付に該当することから、資金調達後は利息を支払いつつ完済を目指すことになります。
ただしビジネスローンは金利が高くなる傾向があり、借入額によっては毎月の返済負担が大きくなる危険も考えられます。
また負債額が増加することで貸借対照表の肥大化に繋がるなど、企業評価にも影響が出てしまう可能性はゼロではありません。
ファクタリングは貸付に該当せず利息が発生することはありませんが、債権売却時にはある程度まとまった額の手数料請求が行われる可能性があります。
しかし支払いは1度で済み、債権売却を完了した後は売掛先が倒産したとしても支払いを求められることが原則ないなど、資金調達が完了した後の負担やリスクは小さくて済みます。
ただし債権を本来の決済日より早くに現金化したことが、その後の資金繰りに影響が出ないよう配慮する必要があります。
売却する債権選びに気を付け、債権売却後の資金繰りへの影響を小さくすることができれば、ファクタリングの方が資金調達後の負担は小さくなることが期待できます。
ビジネスローンをおすすめするシチュエーション
- 低い金利や高い限度額が期待できる
- 手元に売却に適した売掛債権がない
ビジネスローンは金利の高さと限度額の低さが問題になる可能性が高いのですが、審査結果によっては低金利での利用も、1,000万円程度までの資金調達も不可能ではありません。
ここ数年の売上が好調であるなど、審査で高い評価が得られそうであればビジネスローンを利用するデメリットを小さくすることができます。
またファクタリングを利用する際には売掛債権が必須であるため、売却に適した売掛債権がない場合にはビジネスローンを選ぶ選択肢も考えられます。
ファクタリングの利用が適したシチュエーション
- 融資までのつなぎ資金の調達
- 経営状況が芳しくない
- 売掛先の信用力が高い
- 負債額をこれ以上増やしたくない
ファクタリングは利用しても負債が増加しないため、すでに借入額が大きくなってしまっている企業による資金調達や融資までのつなぎ資金の確保に適しています。
また、経営状況に不安があるなどビジネスローンや銀行融資の審査通過が難しい状況でも、売掛先の信用力を重視するファクタリングであれば審査通過できる可能性は小さくありません。
さらに公的機関など、信用力の高い取引先を対象とする売掛債権は、安い手数料が期待できファクタリング向きと言えます。
『中小企業向きなのは「ファクタリング」or「ビジネスローン」?』まとめ
- ファクタリングは即日の債権現金化が可能なだけでなく、赤字経営など融資では審査通過が難しい企業も利用可能。他にも売掛先の倒産リスク回避にも役立つなどのメリットもあるが、手数料の額や債権現金化後の資金繰りには注意が必要。
- ビジネスローンは通常の金融機関からの融資と比較してスピード感があり、審査通過のハードルも低め。ただし金利の高さや限度額の低さが問題になる可能性がある。
- 融資を受けにくいと言われる中小企業には、負債を増やさず資金調達ができるファクタリングがおすすめ。つなぎ資金の確保や突然の出費への対応など様々なシチュエーションで活用が可能。
ファクタリングとビジネスローンは全く違う資金調達方法であり、それぞれの特徴を理解した上で選択することが大切です。
中小企業にはファクタリングがおすすめですが、決してどちらか片方しか利用してはならないわけではありませんので、状況に応じて使い分けることもおすすめです。