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買掛先の利用するファクタリングとは?メリットや注意点について解説

2024年12月28日

ファクタリングと言えば、お手持ちの売掛債権を売却することで現金化する資金調達方法です。
しかしその逆のリバースファクタリングと呼ばれる資金調達法があるのをご存じでしょうか?

リバースファクタリングとは買い掛けしているお金を、ファクタリング業者にいったん肩代わりしてもらう手法のことです。
もちろん買掛金は、業者に後日支払わないといけません。
しかし支払期日を後回しが可能なので、お金工面の改善効果が期待できます。

リバースファクタリングは、債務者のみならず買掛先にさまざまなメリットが期待できます。
今回はリバースファクタリングのメリットや注意点について見ていきましょう。

リバースファクタリングの基本について解説

リバースファクタリングとはそもそもどのような仕組みの資金調達法なのかについて見ていきます。
簡単に言えば、債務者が買掛金に関して業者に立て替えを依頼するサービスです。

債務者が依頼する資金調達方法

リバースファクタリングは、債務者が発注するサービスです。
取引先が請求書を送付するでしょう。
請求書を受け取って期日までに支払いが難しい場合には、請求書などを提出して業者に申し込みます。

従来のファクタリングと同様、審査が実施されます。
審査の結果問題なければ、業者は取引先に代金を支払う手順です。
この代金で取引先に請求額を支払うわけです。

後日に立て替えてもらった代金を業者に支払うことで、一連のプロセスは完了します。
イメージとしてはクレジット決済したのと同じような流れだと思ってください。
カード払いをすれば、いったんクレジットカード会社が代金を立て替え、後日カード会社に代金を支払うのに似ています。

ファクタリングとの違いとは?

リバースファクタリングは従来の方式と、いくつかの点で違いが見られます。
まずだれが申し込むのかが相違点です。

リバースファクタリングは債務者が申請して、手続きを進めます。
従来の方式では売掛債権を抱えている債権者が申請する形です。

目的も両者の違いと言えます。
従来方式の場合、利用法人のお金工面の改善が主要な目的です。
リバースファクタリングもお金工面の改善も目的の一つではありますが、アプローチが異なります。

従来方式では実際に売掛債権を売却して、現金を手にできます。
一方リバースファクタリングの場合、業者に代金払いをいったん立て替えてもらうのが相違点です。
そして支払期日を先延ばしすることで資金の流れ改善を狙う方法で、利用法人が実際に現金を手にすることはありません。

従来のファクタリングの場合、2社間と3社間の2種類あります。
一方リバースファクタリングの場合、3社間のみというのも両者の違いの一つです。
つまり取引先にサービスの利用を通知して、承諾してもらう必要があるわけです。
従来の2社間の場合、取引先に知られることなく売掛債権の現金化ができるので内緒にしたい時にも対応できます。

でんさいを導入しなければならない

従来方式との大きな違いとして、でんさい導入が前提条件である点です。
正式名称を「電子記録債権」と言い、電子決済手段として注目されている方式です。

従来の日本の商習慣では、紙の手形で取引するのが主流でした。
でんさいは手形をデジタル化して、電子取引が可能な債権になります。

でんさいを導入するにあたり審査を受けたうえで、基準をクリアしなければなりません。
でんさいの審査は法人の経営状況などを見て可否を判断します。
経営状態が良好でなければ、でんさいの審査に引っかかってしまいます。
イコール、リバースファクタリングは利用不可です。

でんさいの導入は、申し込み時以外にもメリットがあります。
債権に関する取引が、すべてオンライン上で完結できるのは大きなメリットです。
紙の手形のように紛失してしまう懸念がないですし、手形を保管するスペースも必要ないのでコスト圧縮効果が期待できます。

買掛先にリバースファクタリングを活用させるメリット

買掛先にリバースファクタリングを申し込んでもらうことで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
以下にピックアップしたように、さまざまなメリットが期待できます。

1.お金工面の改善効果
2.金払いの良い法人とアピールできる
3.支払先の一本化が可能
4.下請法に対応できる

なぜ上で紹介したポイントにメリットがあるかについて見ていきます。

1.お金工面の改善効果

買掛先にとってのメリットは、顧客のお金工面が改善できる点にあります。
このサービスを利用することで、いったんファクタリング業者による債権者への支払いの代行が可能です。
そして業者への支払いは後日になるので、その分支払いまでの時間的猶予ができます。

どの程度延長できるかは業者にもよりますし、審査結果でも左右されます。
一般的には数か月単位で支払期日の先延ばしが可能です。
月単位で期間猶予できれば、売り上げが入ってきて支払えるようになるでしょう。
複数取引先があれば、一部の取引先の支払いを猶予してもらうことでその他の支払いに専念できるのもメリットです。

2.金払いの良い法人とアピールできる

リバースファクタリングの顧客の中には、支払期日を前倒しして代金払いするために利用しているケースもあります。
なぜ前倒ししてまで代金の支払いを行うのか、それは「金払いの良い法人」と印象付けるためです。
期限よりも早く入金してもらえれば、取引先としてもお金工面における改善が見込めるのでありがたい話でしょう。

また取引先が自分たちとは別に複数の得意先を抱えている場合、より早く支払いに応じてもらえる顧客を優先するでしょう。
逆に支払いが遅いとこちらの要望に柔軟に対応してもらえないかもしれません。
優良顧客であると思わせ、優先的にビジネスを進めるためにリバースファクタリングを活用するわけです。

新規取引先が見つかった場合、できることなら継続取引をお願いしたいところでしょう。
リバースファクタリングで肩代わりしてもらって、期日よりも前に支払いを済ませれば「また一緒にお仕事したい」と先方は思うかもしれません。
外注先を確保するために手持ち資金のない際、この資金調達法を活用するのはメリットも大きいでしょう。

3.支払先の一本化が可能

リバースファクタリングのメリットについて考えると、複数の債務を一本化できるのも見逃せないポイントです。
すると、おまとめローンのような効果が期待できるのもメリットになります。

複数の取引先を抱えていて、それぞれ支払期日が異なると管理も大変です。
多くの支払期限を抱えていると、いつどこに支払わないといけないのかわからなくなることもあるでしょう。

もしリバースファクタリングを導入すれば、業者に支払先を一本化できます。
期日も月に1回に減らせますし、管理も簡単になるでしょう。
手持ち資金の活用も効率化できるので、他のビジネスに資金を流すことも可能になります。

4.下請法に対応できる

利用法人にとってのメリットとして、下請法に対応できる点も見逃せません。
これは買掛先にとってもメリットにつながります。
下請法は、下請法人にとって不利な契約を結ばないように法人を保護するためのルールです。

下請法の中では納品後60日以内に代金を支払わないといけないという規定があります。
しかし買掛先の中には、60日以内に代金支払いができるほどの手持ち資金を有さない場合もあるでしょう。

リバースファクタリングを活用すれば、業者が代金を代わって支払ってくれます。
すると買掛先としても短期間で資金が入ってくるので、経営が傾くような心配もなくなります。
もし支払サイトを長めにしてほしいと買掛先から提案された場合には、こちらからもリバースファクタリングの活用を逆提案してみるのも良いでしょう。

買掛先に期待されるリバースファクタリングのメリット

債務者にとってのメリットについて見てきましたが、買掛先にとってもウィンウィンになるのも見逃せないポイントです。
取引先にサービス利用を求めることで、買掛先に期待されるメリットは以下の通りです。

1.支払サイトの短期化が図れる
2.貸し倒れリスク防止
3.コスト圧縮効果が期待できる

なぜ上で紹介した事柄が買掛先にとってメリットになるのか、これから詳しく見ていきます。
経営改善のためにリバースファクタリングの導入も検討してみる価値のあることがおわかりでしょう。

1.支払サイトの短期化が図れる

リバースファクタリングは業者が代金を立て替えてくれる形になるので、早期の現金化が可能です。
買掛先の中には、支払サイトが長めに設定されているところはありませんか?
支払サイトが長期にわたるとせっかく売り上げは帳簿上発生しているのに、実際に口座に入金されるまでに時間がかかります。

すると売り上げがあるにもかかわらず経営状況が悪化して、黒字倒産してしまうこともあり得ます。
もし支払サイトの長い買掛先があり、期間の短縮化をお願いしてもなかなか応じてもらえない場合、次善策としてリバースファクタリングの活用を提案しましょう。
そうすれば買掛先の支払期日は従来のまま、こちらが早期に現金を手にできるわけでウィンウィンの提案となるはずです。

2.貸し倒れリスク防止

買掛先にとって問題なのは、債権回収できなくなる点です。
最悪損害を被ってその補填ができなくて、経営悪化で倒産といった事態もあり得ます。
リバースファクタリングは売掛債権の回収がより確実に可能になるのは大きなメリットです。

たとえ買掛先の業績が悪化しても、業者から代金の支払いを受けられるので経営の不安定化を回避できるわけです。
リスクマネジメントとして、買掛先にサービスの利用を提案するのは自分たちにとってもプラスになります。

買掛先の経営状況が今は安泰でも、今後もずっとその状況が続く保証はありません。
今後買掛先が期日通りに代金を支払えなくなった時のために、リバースファクタリングと呼ばれる資金調達方法のあることは頭に入れておきましょう。

3.コスト圧縮効果が期待できる

注意しないといけないのは、手数料の発生する点です。
しかも手数料は債権者側の負担になる点も留意しましょう。
ただし手数料のコストは、従来のものと比較して圧縮できるのもメリットと言えます。

リバースファクタリングの手数料の相場を見てみると、1~5%程度です。
一方従来方式の場合、3社間でも5~9%が相場です。
2社間を利用するとなると10~20%が相場になるので、かなりのコスト負担になります。

もしできるだけ無駄なコストを負担したくない、しかも早期に買掛先から債権回収したければ、リバースファクタリングの利用も検討してみる価値はあります。

買掛先との支払い問題を予防するには?

買掛先と支払いに関するトラブルが発生しないために、リバースファクタリングの利用以外の対策も検討しましょう。
そのためには売掛債権の管理をしっかり行うことが大事で、以下のことを実践しましょう。

1.買掛先ごとの売掛金の管理を行う
2.区分を新たに設ける
3.代行サービスの活用の検討

なぜ以上で紹介したことが、買掛先との金銭トラブルを回避できるかについて以下で見ていきます。

1.買掛先ごとの売掛金の管理を行う

売掛債権に関する問題が発生している法人を見てみると、買掛先の資金管理をきちんと行っていない場合も少なくありません。
そこで買掛先別に管理台帳を作成して、管理するように心掛けてください。

ここでポイントになるのは回収ルールごとで、グループに分けて管理することです。
締め日と回収の付きでグループ分けすることで、回収状況がビジュアル的にもわかりやすくなります。
買掛先からの支払いが遅れている場合でもすぐに気付き対応してもらえるわけです。

2.区分を新たに設ける

買掛先ごとの管理を行っても、確実に期日通りに入金される保証はありません。
中には期日までに入金が確認できない買掛先もあるかもしれません。
その場合におすすめなのは、遅延の区分を新たに設けることです。

遅延の管理をする際には一緒くたにするのではなく、30日、60日、90日のような感じで期間ごとに区分しましょう。
遅延期間が長引くと回収も難しくなるので、早めに行動しましょう。

3.代行サービスの活用の検討

債権管理が難しいようであれば、代行サービスがあるのでこちらに丸投げするのも一つの方法です。
代行サービスは債権回収だけでなく、請求書の発行や入金管理など幅広いサービスに対応しているところもあります。

個人事業主や零細企業のように人材に乏しい法人だと、自前の人材だけで債権管理ができない場合もあるでしょう。
その場合にはアウトソーシングの活用も検討すべきです。
ただしアウトソーシングに頼ると、債権管理のできる人材を育成できないデメリットもある点に関して留意しておきましょう。

リバースファクタリングの買掛先のメリットに関するまとめ

リバースファクタリングは従来のスタイルとは異なり、債務者が入金期限を先延ばしにするために行う資金調達方法です。
債務者のお金工面に関する改善が期待できるだけでなく、買掛先にも実はメリットがあります。
早期に資金調達ができ、お金工面での改善が見込めますし、貸し倒れリスクも回避できるなどさまざまなメリットが期待できるわけです。

もしかすると買掛先がリバースファクタリングと呼ばれるアプローチを知らない可能性もあります。
支払サイトが長くてなかなかお金が手元に入ってこない、未払が時折発生する場合に一度提案してみるのはいかがですか?

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