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ファクタリングとでんさいの違いって?ファクタリングとでんさいの違いやメリット・デメリットを解説

2023年12月11日

「ファクタリング」と「でんさい」の違いを正確に理解している!という方は少ないのではないでしょうか。
ファクタリングとでんさい、どちらも売掛債権を期日前に現金化することのできるサービスですが、全くの別物です。

資金調達手段ではありますが、実際どちらが自社に適しているのかなど、判断がしにくいと思います。

今回の記事では、ファクタリングとでんさいの概要や違い、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
これらの違いについて理解し、自社にピッタリの資金調達手段を選びましょう。

ファクタリングとは?

まずは、ファクタリングについて解説します。
ファクタリングとは、売掛債権を期日前に現金化することのできる資金調達手段です。

利用者は所有している期日前の売掛債権をファクタリング会社に売却し、額面からファクタリング会社が提示する手数料が差し引かれた金額が入金される仕組みとなっています。

ファクタリングには、2種類の契約形態が存在します。

・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間のみでの契約形態です。手数料は高めですが、即日での資金調達を実現することができます。

また、3社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社、さらに売掛先企業を含めた3社間での契約形態です。手数料が安めですが、第三者に資金調達の事実を知られてしまうというリスクが伴います。

ファクタリングはそのスピード性や手軽さから、近年、中小企業や個人事業主の方を中心に流行している資金調達手段の1つです。

このファクタリングと似たようなサービスが「でんさい」とよばれるシステムです。
次にでんさいについて詳しく解説します。

でんさいとは?

最近、よく耳にする「でんさい」。
実際にはどういった内容のサービスなのでしょうか。

でんさいとは、株式会社全銀電子債権ネットワークが提供する電子記録債権システムのことです。現代のIT化が進んだことがよくわかる事例の1つだと思います。

売掛債権を電子データとして流通させ、ペーパーレスを実現化したものとなっています。

全国の銀行がでんさいネットに加入しているため、一般的な存在になっており、あらゆる企業の事務負担を軽減しているといえます。

また、でんさいネットが提供するサービスの1つに「でんさい割引」があります。
でんさい割引とは、でんさいを金融機関に譲渡し、支払期日よりも前に現金化することができます。

一見、”売掛債権を期日前に現金化する“といった共通項があるファクタリングとでんさいですが、いくつかの違いがあります。

ファクタリングとでんさいの違い

では、ファクタリングとでんさいの違いはどういったところにあるのでしょうか。
今回は以下の4つの観点からそれぞれで違うポイントをご紹介します。

・入金スピード
・貸し倒れリスク
・審査基準
・ネットワーク加盟義務
・現金化作業の手間

それぞれについて詳しく説明させて頂きます。

入金スピード

ファクタリングとでんさいでは、入金スピードに違いがあります。

ファクタリングであれば、事前に必要書類を不備なく用意しておくことや2社間ファクタリングの利用など、一定の条件を満たしておくことで、最短即日での入金が可能です。

ですが、でんさいにおいて取引を進める場合、相手が「でんさいネット」未導入であれば、時間を要す可能性があります。
一般的にでんさいネットの導入には時間がかかりますので、緊急性が高い場合にはでんさいは向いていないかもしれません。

前述した通り、ファクタリングは最短即日での資金調達が可能ですので、「今すぐ資金が必要だ!」といった緊急性の高い資金不足にはファクタリングを選択するとよいでしょう。

貸し倒れリスク

ファクタリングとでんさいでは、貸し倒れリスクにも違いがあります。

ファクタリングは基本的に「ノンリコース契約」です。
ノンリコースとは、償還請求権がないことを指します。

この償還請求権とは、債務の責任範囲を定めずに全額を請求できる権利のことです。
償還請求権”あり”のファクタリング契約を結ぶと、売掛先が倒産した場合の損失を利用者がすべて負担しなければなりません。

ですが、ファクタリングでは原則、償還請求権なしの契約であるため、仮に売掛先がお金を支払えなくなった場合でも、利用者の負担は一切ありません。ファクタリング会社の損失となるのです。

ファクタリングの利用は貸し倒れリスクの低減にもつながるといえるでしょう。

対して、でんさいの場合、取引先が倒産などによって支払う能力がなくなってしまった場合、利用者がその貸し倒れを賄わなければなりません。
ファクタリングと比較すると、貸し倒れリスクが高いことが分かります。

ですが、注意しておきたいのが手数料についてです。
ファクタリングは貸し倒れリスクが低い分、手数料が2社間ファクタリングであれば10~30%、3社間ファクタリングであれば1~9%、一方でんさいの年利は1.5%~20%です。両者を比較するとファクタリング手数料が非常に高めの設定であることがわかります。

手数料を多く支払ってでも貸し倒れリスクなしで資金調達したい場合はファクタリングがおすすめです。

審査基準

ファクタリングとでんさいは、審査基準が異なります。

どちらにおいても審査に通過することが必須であり、審査がないファクタリングやでんさいはあり得ません。

ファクタリングにおける審査基準は「売掛先の信用度」であり、それに対して、でんさい割引の審査基準は「自社の信用度」です。

ファクタリング会社にとって最も重要なのは「売掛金のお金が回収できるかどうか」なので、利用者の情報よりも売掛先の支払能力や安定具合などが重視されます。

つまり、ファクタリングであれば、自身に債務や赤字決算といった事実があったとしても審査に通過できる可能性が多いにあるということです。

でんさいの審査は、金融機関が行うため審査に通過できるハードルは低く、また、自社の信用度が大切です。そのため、自身の信用に自信がない場合は審査の通過が難しいかもしれません。

ネットワーク加盟義務

でんさいには「でんさいネット」への加盟義務があります。
でんさいの手続きはすべて株式会社全銀電子債権ネットワーク、通称でんさいネットが行います。そのため、譲渡をする側とされる側の双方が加盟していなければなりません。

片方がでんさいネットに加入していない場合は、でんさいはもちろん、でんさい割引といったサービスも利用することはできません。

ファクタリングでは、そういった加盟義務のようなものは一切ありません。
「利用者」と「ファクタリング会社」間での信用取引となります。

現金化作業の手間

ファクタリングとでんさいでは、現金化に関わる作業にも違いがあります。

ファクタリングでは、ファクタリング会社を利用するたびに見積もりや必要書類の用意をしなければなりません。ファクタリング会社を複数利用すればするほど、作業の手間が非常に増えます。

ですが、ファクタリングは双方の企業がでんさいネットに加入し、口座を開設しておけば、利用するたびに契約をしなければならないという面倒な手続きを省略できます。

こういった作業の手間を省きたい方には、でんさいがオススメです。

以上が、ファクタリングとでんさいの4つの違いでした。
この2つが似ているようで、実際の内容は全く違うことが分かっていただけたかと思います。

次にファクタリングとでんさいのそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

まずは、以下のメリットについて解説します。

・最短即日の入金スピード
・審査の通過が容易
・貸し倒れリスク低減
・オフバランス化

それぞれについて詳しく解説します。

ファクタリングのメリット

まずは、ファクタリングを利用することによって得られるメリットについて見ていきましょう。

最短即日の入金スピード

ファクタリングの最大の強みといっても過言ではないのが、その入金スピードです。

「最短即日」での入金が実現できるファクタリングですので、「今日中に資金を補充したい!」といった状況にも対応できます。

即日での入金を目指すには、

・2社間ファクタリングを利用
・午前中に申込
・必要書類を不備なく事前に準備しておく

といった条件を満たす必要があります。

でんさいであれば、利用・契約まで通常2週間程度の時間を要しますので、比較しても、ファクタリングがいかに速い資金調達スピードであるか、分かると思います。

審査の通過が容易

前述した通り、ファクタリングは審査の通過において「売掛先の信用度」を重視します。
そのため、自社情報が審査に関与しにくく、売掛先とのこれまでのやりとりに問題がなく、売掛先の経営状況さえ安定していれば、審査に通過することができます。よってファクタリングは審査ハードルが低いといえるのです。

例えば、複数の売掛債権を所有している場合は、売掛先が大手企業や公的機関などの安定している債権を選択すれば、より審査の通過はスムーズになるでしょう。

貸し倒れリスク低減

ファクタリングの利用は貸し倒れリスク対策にもなります。

こちらも前述しましたが、償還請求権がない、ノンリコース契約を結ぶことで、売掛先が倒産などによって支払能力が0になった場合でも、負担がありません。

オフバランス化

ファクタリングの活用はオフバランス化にも繋がります。

オフバランス化とは、貸借対照表上の数字をスッキリとさせることです。
貸借対照表はバランスシートともよばれ、企業の財務状態を資産と負債、資本によって表しています。

ファクタリングによる資金調達は、融資とは異なり、借入に値しません。
そのため、売掛金が減少し、現金の増加がバランスシートに残るため、対外評価を高めることに直結します

自社の財務状況の対外評価を高めておくことは、次回からの資金調達において有効に働きますので、非常に大切な項目です。

以上がファクタリングのメリットでした。
では次に以下のファクタリングのデメリットについてみていきましょう。

ファクタリングのデメリット

ファクタリングを利用するデメリットとして以下が挙げられます。

・手数料が高い
・悪質業者の存在
・第三者に知られる可能性

それぞれについて詳しく解説します。

手数料が高い

ファクタリングは手数料が融資やでんさいと比較すると高めであるといえます。
ファクタリング手数料の相場は契約形態によって異なり、

・2社間ファクタリング 10~30%
・3社間ファクタリング 1~9%

融資やでんさいは年利での手数料ですので、ファクタリングと比較すると非常に手数料を安く抑えることができます。

ファクタリングは即日性や貸し倒れリスクをなくすことに特化していますが、その分手数料が高いことを覚えておきましょう。

悪質業者の存在

ファクタリング業界は近年拡大し続けています。
ファクタリングを扱う企業数は年々増加しており、開業に免許や貸金業登録など必要ないことから新規参入が容易であるといえます。

新しい会社が参入しやすいということは、悪質業者も紛れ込みやすいということです。
異常な数値に設定されている手数料や償還請求権ありの契約を提供している場合などは注意が必要です。

以上がファクタリングのデメリットでした。

でんさいのメリット・デメリット

では、次にでんさいのメリット・デメリットをみていきましょう。

でんさいのメリット

まず、でんさいのメリットは以下の通りです。

・でんさい割引
・流動性が高い
・事務負担軽減
・安全性が高い

それぞれについて詳しく解説していきます。

でんさい割引

でんさいネットに加入することで「でんさい割引」のサービスを利用することができます。

支払期日より早く現金化することのできるサービスであり、手形割引の利便性が悪い点を克服したサービスです。

流動性が高い

でんさいを導入することで売掛債権の流動性が高まります。
基本的に流動性が高い資産であればあるほど、支払い能力が高いと評価されます。

従来の売掛債権よりもでんさいにすることで、現金化へのハードルが低くなり、流動性が高くなります。また、でんさいであれば分割譲渡にも対応できます。

従来の手形であれば、分割譲渡はできませんが、でんさいであれば、一部のみを譲渡するといった分割譲渡に対応することができるのです。

こういった点においても流動性が高いと評価でき、資金繰り改善に役立つシステムです。

事務負担軽減

でんさいを取り入れることで、手形取引における事務負担が軽減されます。

従来の手形取引であれば、受取から保管、領収書や銀行への取り立てなど様々な事務作業が伴います。ですが、でんさいを導入するだけで、オンライン上で確認すればすべて把握できます。

また、印紙代や通信代、人件費の削減にもつながるため、コストを削減することもできます。

安全性が高い

でんさいであれば、手形取引における盗難や紛失のリスクを軽減することができます。
従来の手形取引であれば、発送する際に違う企業に送付してしまう可能性や紛失・盗難リスクが高いです。

ですが、でんさいであれば、すべてをオンライン上で管理するため、これらのリスクを回避することができ、また安全性が高いといえるでしょう。

以上がでんさいのメリットです。

でんさいのデメリット

では次に、以下のでんさいのデメリットについて解説します。

・でんさいネットへの加入
・貸し倒れリスク
・詐欺被害の可能性

それぞれを詳しくみていきましょう。

でんさいネットへの加入

でんさいの利用には「でんさいネット」への加入が必要です。
また、片方のみの加入では意味がなく、双方の加入が必須です。

ですが、自社都合によって相手様にでんさいネットへの加入を義務付けることはできないため、でんさいに対応している取引先とそうでない取引先に分かれるでしょう。

貸し倒れリスク

でんさい割引は、貸し倒れリスクが高いといえます。
もし仮に取引先が倒産した場合は、自社の資金でその損失をカバーしなければなりません。

でんさい割引は、償還請求権ありのリコース契約です。
状況によっては資金繰りの悪化に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。

詐欺被害の可能性

でんさいにおいても詐欺被害の可能性が十二分にあります。

全てをオンライン上で管理するということは、サイバー上の安全面がカギとなります。
ハッキングやフィッシング詐欺の被害を受ける可能性がありますが、現時点で、でんさい利用者の不正アクセス被害は0ですので、安心して利用するとよいでしょう。

以上がでんさいのデメリットでした。

ファクタリングとでんさい、それぞれのメリット・デメリットについてご理解いただけたでしょうか。双方とも、良いところだけではありません。

負の部分にも着目しておくことで、自身にとって有益に事が運ぶのではないでしょうか。

ファクタリングとでんさいの違いのまとめ

ここまででファクタリングとでんさいの共通項や違いについて解説させていただきました。
本日の記事をまとめますと以下の通りです。

〇ファクタリングとは?
売掛債権を期日前に現金化することのできる資金調達手段

〇でんさいとは?
株式会社全銀電子債権ネットワークが提供する電子記録債権システム

<ファクタリングとでんさいの違い>
・入金スピード
・貸し倒れリスク
・審査基準
・ネットワーク加盟義務
・現金化作業の手間

<ファクタリングのメリット>
・最短即日の入金スピード
・審査の通過が容易
・貸し倒れリスク低減
・バランスシートのオフバランス化ができる

<ファクタリングのデメリット>
・手数料が高い
・悪質業者の存在

<でんさいのメリット>
・でんさい割引の利用
・流動性が高い
・事務負担・コスト軽減
・安全性が高い

<でんさいのデメリット>
・双方のでんさいネットへの加入
・貸し倒れリスクがある
・詐欺被害の可能性

ファクタリングとでんさいについて理解を深めていただけたのではないでしょうか。

緊急性の高い資金不足や自社の信用情報に自信がない場合はファクタリング。
無駄な事務手続きを省き、低手数料で資金調達を行いたい場合はでんさい。
このように、自社のそのときの都合に合わせて資金調達手段を選んでみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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