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ファクタリング需要の現状はどうなっている?その背景と今後の展望も解説

2025年1月30日

古い歴史を持つファクタリングは、しかし日本においては従来知名度・認識度は低く、日本での主流は長く手形取引でした。
しかし近年ファクタリングの需要は日本でも伸びを見せ、この増加傾向は今後ますます続いていくと予想されます。
盛んになり始めている日本のファクタリングですが、現在その需要はどのような状態にあるのでしょうか。
近年ファクタリング需要が伸びている背景にはどのような要因があるのでしょう。
この記事では日本のファクタリング需要の現状とその背景、そして今後のファクタリング需要の展望を解説します。

ファクタリングの世界的な需要

ファクタリングの歴史は大変古く、一説では16世紀のイギリスでその原型が生まれたと言われています。その後19世紀には現在の形に近いファクタリングが登場したようです。
近年その需要は世界的に伸びており、2022年には3兆3362億1000万米ドルと報告され、2023年には3兆6105億4000万米ドルに成長しました。
世界的にファクタリング需要は今後も拡大を続け、年間成長率6%となるという試算もあります。
ファクタリング需要増は籍的な流れということができるでしょう。

日本におけるファクタリング需要

一方日本でのファクタリングの認知度はまだそれほど高いとは言えないのが現状です。しかしその需要は確実に増加傾向にあります。
日本にファクタリングが浸透してきたのは2000年代に入ってからです。2013年には日本におけるファクタリングの市場規模は一時7億ドル超を記録しました。
その後一旦大きく落ち込みますがその後回復し、2018年以降ふたたび増加を見せて2019年には約5億ドルとなりました。
現在はさらに増加していることが予想されます。

ファクタリング需要が落ち込んだ理由

2010年代半ばに一時的にファクタリング需要が落ち込んだ背景には、悪徳業者の存在があります。
ヤミ金などの悪徳業者がファクタリングを装って違法な貸付をし法外な利息を要求したり、自宅や職場に押しかけて乱暴な取り立てをしたりが続き、それが報じられると風評被害となって「ファクタリングは怪しい」という認識が広まりました。
しかし本当のファクタリングは売掛債権の売買であって、利息も返済も生じません。
ファクタリング業界が一丸となって悪徳業者を排除し健全化を図ったため、需要は反転し現在はふたたび利用者の増加を示しています。

ファクタリング利用目的の傾向

ファクタリングを利用する理由として最も多いのは資金繰りの改善です。中小企業や個人事業主など運転資金が潤沢でない場合の資金繰りとしてファクタリングが活用されています。
ファクタリングは入金までにかかる時間が大変短いので(場合によっては即日・数時間でよい時もある)、急ぎで現金が必要な時に大変便利です。
また、事業規模が小さい、金融機関の融資審査に通らないような場合でも、ファクタリングなら問題なく利用できる場合が少なくありません。
急速に成長している企業の事業拡大資金・貸借対照表のオフバランス化のために、ファクタリングを利用するケースもよく見られます。

日本におけるファクタリング需要拡大の背景

日本において認知度の低かったファクタリングが近年活用され始めた背景には、以下のような要因があります。

国による推進

国は「売掛債権(売掛金)の利用促進について」という文書を発表し、ファクタリングなどの売掛債権の活用による資金調達の利用促進を目指しています。
この文書の中で中小企業庁は「売掛債権(売掛金)の利用促進は国の施策です。本制度の普及、利用促進にご協力ください」として当制度を推し進めると明言しています。
国が売掛債権の活用を推進する目的は、中小企業者の過度な不動産担保(による借入)の抑制です。

手形取引の衰退と紙手形の廃止

日本では従来、売掛金については手形取引が主流でした。
しかし手形取引は手形法による規定があり、使い勝手はそれほどよいものではありません。手形取引に必要な与信審査を通らないと手形を発行できなかったり、既定の様式に則らなければならなかったりなど手間とコストがかかります。
さらに手形不渡りを2回出すと事実上の倒産という厳しいルールもあります。
手形は印刷した手形原本が必要ですが、それは紛失のリスクを伴うものです。
政府は2026年に紙の手形を廃止するという方針をすでに決定しています。今まで手形取引を行っていた会社も売掛金は請求書を使用する方向に変わるのは間違いありません。
その流れに沿って、早めの資金調達として、売掛債権の売買であるファクタリングを利用する事業者が今後ますます増えることが予想されます。

債権譲渡に関する法改正

1998年に債権譲渡特例法が施行され、債権譲渡登記制度が設立されました。これにより売掛債権譲渡の登記が可能になり、第3者への対抗要件にできるようになっています。
それ以前は売掛債権がファクタリング会社に移っていることの証明ができなかったのですが、登記によってそれが証明されるようになりました。この法律により債権者がファクタリングしやすい環境が整います。
また第3者への対抗要件を得たことはファクタリング会社にとっても二重売買のリスクなどを防ぐ手段となり、歓迎すべきことでした。その後2005年には債権譲渡登記制度が改正され、より簡潔に債権譲渡取引ができるようになりました。
さらに2020年に民法(債権法)が改正されます。ここでは債権譲渡特約が撤廃され、債権譲渡禁止特約をした場合でも債権譲渡は有効にできるようになりました。
つまり債権譲渡を禁止する契約を売掛先と締結していたとしても、債権譲渡(ファクタリング)をすることが可能になりました(ただしそれが売掛先に知られると心証が悪くなることは考えられます)。
この法改正では将来債権譲渡も明文化されました。これにより確定債権(請求書を発行できる債権)だけでなく、将来発生する将来債権も譲渡(ファクタリング)できるようになったのです。
将来債権を示す帳票は注文書や発注書です。それらを利用したファクタリングは「注文書ファクタリング」「発注書ファクタリング」と呼ばれます。
これらの法改正の足跡を見ても、国が売掛債権の売買による資金調達(ファクタリング)う推し進めようとしている姿勢が伺われます。

IT化・オンライン化

コロナ禍の影響で、ZOOMなどのITツールが急速に社会に浸透しました。この流れを受けてファクタリングもオンライン化が進み、利用者の利便性が高まるとともに、審査がより簡易に迅速になっています。
ZOOMなどを用いたオンライン面談やクラウドサインなどの電子契約ツールの導入により、面談・審査・契約までがオンライン上で行えるようになり、ファクタリングの利用がより容易になりました。
また、日本全国どこでも居ながらにしてファクタリングの利用ができることも、ファクタリング需要の高まりを後押ししています。

ファクタリング需要の今後の展望

紙手形の廃止により、資金調達方法としてのファクタリングの利用はますます増加すると考えられます。またITツールのさらなる進化も見込まれるため、今後ファクタリングの利便性がより高まることも期待できるでしょう。
加えて予想されるのはファクタリングの専門化です。現在ファクタリング会社は増加しており、競争はますます激しくなっています。そのため利用者にとっては利用条件がよくなることが予想されるとともに、ファクタリング会社も専門サービスを提供するようになるでしょう。
「建設業特化」「オンライン特化」「コンサルティングサービスあり」などよりきめ細かなサービスが期待されます。
さらにAIによるファクタリング会社マッチングなども登場が予想され、ファクタリング需要は今後も伸び続けるでしょう。
一方で法的規制がより進んでいく可能性も示唆されています。
現在ファクタリング業界への参入障壁は低く、そのためヤミ金業者など悪徳業者が付け入る隙が存在します。
それらを排除する目的からファクタリングをめぐる法規制の動きが高まることも考えられるでしょう。

ファクタリングの需要に関するまとめ

従来日本では手形取引が一般的であり、ファクタリングの認知度は低いものでした。しかし複数の法改正・紙手形の廃止・ITツールの進化・国の推進姿勢などにより近年ファクタリングの利用は増加傾向を示しています。

ファクタリングの需要の増加は世界的に見ても高い伸びを見せています。

ファクタリングは現在主に中小企業や個人事業主などの、資金繰りの改善法として利用されています。審査が簡易で利用者の信用情報があまり関係せずさらに迅速な現金調達が可能なファクタリングは、中小規模の事業者の資金繰りに大きく貢献しています。

また貸借対照表のスリム化・オフバランスにもファクタリングが利用できることも知られつつあります。

成長中のファクタリング業界にあって、競争の結果ファクタリングの利用環境はさらに整備されると予想されます。

利便性・簡便性が高まるとともに、ファクタリング会社の専門家も進むでしょう。業界に特化したサービスやコンサルティングなどの付加サービスが充実すると見込まれています。また、悪徳業者の排除などを目的とした法整備が進む可能性も指摘されています。

ファクタリングの需要増加が業界の成熟を生むそれがさらにファクタリングの需要を喚起していくでしょう。今後ファクタリングの需要はいっそう高まると予想されます。

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