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ファクタリングは卒業と継続のどちらを選ぶべき?卒業しにくい理由や対策も解説
2023年10月16日
中小企業や個人事業主にとってファクタリングは、「利用しやすい資金調達方法」であると言われています。
しかしファクタリングの資金調達の仕組みなどを正しく理解せず利用した場合には、「卒業するのが難しい」と感じてしまうこともあるようです。
本稿ではファクタリングが卒業しにくい資金調達方法と言われる原因と対処方法から、卒業せずに利用するメリットまで、ファクタリングの利用は卒業すべきなのかに注目し解説させていただきます。
目次
ファクタリングは「利用しやすいが卒業しにくい資金調達方法」?
ファクタリングを利用する際の審査では、売掛先の情報が審査で重要視され債権売却の申込を行った企業の経営状況はそれほど重要ではありません。
このため赤字経営や負債額が多い企業も利用することが可能であり、融資の審査通過ができなかったという企業も審査通過することが可能となります。
また必要書類が少ないことで準備の負担が小さく、利用条件を満たすのが容易であることも「利用しやすい」と言われる理由となっています。
しかし一度利用してしまうと卒業することが難しいとなれば、頼りになる資金調達方法とは言えないかも知れません。
ですが実際は、仕組みを正しく理解することができていれば、卒業は難しいことではないのです。
ここからは、ファクタリングの卒業が難しいと言われる理由と対処法をご紹介させていただきます。
債権支払いを前倒しする影響
ファクタリングとは本来の決済日よりも早くに債権を現金化するサービスであり、債権の支払サイトの悩みを解消できる資金調達方法です。
しかし支払日を前倒しにした結果、債権現金化を行った次に資金を得るまでの期間が長く空いてしまう可能性があります。
その結果、再び運転資金を確保するためにファクタリングを利用することになると、ファクタリングからの卒業は難しくなってしまうかも知れません。
資金繰りへの影響が小さい債権を選ぶ
売却する債権は、決済日前のものであれば原則問題はありません。
しかし保有する他の売掛債権の支払日なども考慮しながら、資金調達に利用しても影響が小さい債権を選ぶことができれば、ファクタリングの利用を卒業しやすくなります。
またファクタリング以外の資金調達方法を準備することでも、繰り返し債権売却を行い、卒業が遠ざかる状態から抜け出しやすくなるはずです。
手数料の支払いによって調達できる資金の減少
融資とは違いファクタリングを利用しても利息の支払いは不要ですが、買取時に手数料の支払いが必要となります。
手数料を引かれ現金を受け取るのが基本ですので、別途現金を用意する必要はないものの、本来決済日に受け取る額より少なくなってしまうのは避けられません。
手数料の額は審査で決定され、審査を受けてみないと買取額は提示されません。
予想よりも手数料が大きくなってしまった場合、必要な額の資金調達が行えず再度の債権売却が必要になり、ファクタリングからの卒業が遠ざかってしまうことも考えられます。
安い手数料のファクタリング会社を利用する
ファクタリングの利用に必要な手数料相場は「2%から30%」と言われています。
売掛先の信用力などの影響が大きいのは確かですが、申込んだファクタリング会社によっても大きく変動する可能性があります。
各ファクタリング会社のサイトには買取手数料の目安が掲示されていることも多く、安い手数料で利用できる期待の高い場所を探せば、ファクタリングによって必要な資金調達に成功できる可能性は高まり、卒業への近道ともなります。
また複数のファクタリング会社へ申込み、提示される手数料を比較してみることでも、手数料の安いファクタリング会社を見つけやすくなります。
ファクタリングは「卒業すべき資金調達方法」?
残念ながらファクタリングは、利用方法によっては卒業しにくくなる可能性があることは否定できません。
しかし融資による資金調達であっても返済が長引くリスクや、追加での融資を受けた結果として融資から卒業できなくなる危険はゼロではありません。
ここからは、ファクタリングは少しでも早く利用を卒業すべき資金調達方法であるかを解説させていただきます。
適した状況での活用は資金繰りに非常に有効
まず結論から言わせていただけば、「ファクタリングは無理に卒業すべき資金調達方法ではない」となります。
ファクタリングは、融資やその他の資金調達方法では得にくい特徴を持っています。
資金調達スピードや審査通過のしやすさなど、ファクタリングの特徴が活かせる状況であれば、卒業を意識せず積極的に利用していただいて何ら問題はありません。
大切なのは、ファクタリングに適していない状況での利用や、ファクタリングの卒業が難しくなる高い手数料での債権売却や資金繰り悪化のリスクを避けて利用することです。
適した状況でのファクタリングの利用は、資金繰り改善に大きなメリットを与えることができます。
資金ショートの回避
突然発生した予想外の出費や売掛先からの支払いが遅れてしまった時には、運転資金が枯渇する資金ショートに陥ってしまう危険があります。
そしてそんな時にもファクタリングが役立ちます。
ファクタリングは最短即日での資金調達が可能であり、審査では売掛先の経営状況などが重要視されるため、経営が苦しい企業であっても審査への影響はあまりありません。
さらに手続きに必要な書類が融資よりも少なくて済むことが多いなど、ファクタリングは素早い資金調達に成功できる可能性が非常に高い資金調達方法なのです。
資金調達が厳しい状況であえて卒業はしない方が得策かもしれません。
融資までの運転資金の確保
金融機関からの融資は、多くの企業にとって資金繰りの第一の選択肢となっているかも知れません。
しかし資金調達を完了するまでに数週間から数カ月の期間がかかることも多いことから、融資を受けるまでの資金繰りに苦労してしまう危険があります。
ファクタリングは融資までの「つなぎ資金の確保」にも適した資金調達方法です。
つなぎ資金の確保にさらに融資を受けるのは良い方法とは言えませんが、ファクタリングならば負債を増やさずに資金調達を行うことができ、審査通過も難しくないため、つなぎ資金の確保方法として最適であり、もし理由もなく卒業するにはもったいないことかもしれません。
負債の増加を避けるべき状況
すでに多額の融資を受けている場合、負債額の増加は致命傷ともなりかねません。
負債額が大きくなれば利息の支払いの負担も大きくなります。
さらには債務超過に陥る恐れや貸借対照表の肥大化など、様々なリスクを背負うことにもなりかねず、それこそ卒業したいと思うかもしれません。
しかしすでにご紹介している通り、ファクタリングは利用しても負債額を増やすことはないことから、負債を増やしたくないが資金調達の必要性はあるというタイミングでの利用にも適しています。
また売却して得た資金を負債の返済に充てることで、貸借対照表のスリム化などの効果も得ることが可能となります。
ファクタリングを卒業せず継続利用するメリット
無理に卒業する必要はなく、適した状況での利用がおすすめなファクタリングには、卒業せず継続利用することで得られるメリットも存在しています。
これからご紹介する継続利用のメリットは、「同じファクタリング会社を利用し続ける」ことで得られるメリットです。
債権売却を行う度に乗り換えていては、これらのメリットは得られないという点にご注意ください。
債権現金化の高速化
卒業せずに同じファクタリング会社を継続利用すると、手続きや書類提出に関する説明が簡略化され、手続きがスムーズに進めやすくなります。
さらにはファクタリング会社側に利用履歴が残っていることで、事務処理にかかる時間も短縮され、素早い債権の現金化が一層期待できるようになります。
どのファクタリング会社に申込んでも初回利用時は少し時間がかかる傾向があることから、2回目以降の利用時の方が急ぎの資金調達に対応しやすいのは間違いありません。
審査通過率アップ
ファクタリング会社は売掛先の信用力の高さを審査で重要視することから、繰り返し利用したとしても売掛先が変われば、審査に対しての影響は無いように思われるかも知れません。
しかし債権売却を申込んだ企業の情報も全く影響しないわけではなく、利用回数が増えればファクタリング会社からの信用は高まります。
また同じ売掛先の債権を売却する場合も、利用実績が増えるごとに審査通過できる確率の向上に繋がります。
一度ファクタリングを卒業したあと、またファクタリングをしようと半年以上の期間が空いてしまうと、一から審査されるということもない話ではありません。
買取条件の向上
ファクタリング会社にとって、卒業せずに継続利用してくれる顧客は大切な存在です。
お得意様や常連を確保することは、どんな業種であっても経営を安定させるためには重要なポイントとなります。
そして囲い込みを行うために、信頼できる顧客に対して手厚いサービスを行うのは不思議なことではありません。
ファクタリングにおいて、卒業せずにお得意様となることで得られる期待の高いメリットの1つは「手数料の引き下げ」です。
他にも資金調達に関する相談に、より親身になってもらいやすいなど対応や買取条件の向上も期待しやすくなります。
悪条件のファクタリング会社からは「乗換」が正解
卒業せずに同じファクタリング会社を利用することで得られるメリットがあるとしても、最初から条件が悪い場所を利用し続けるのはおすすめできません。
また買取条件がそれなりであっても対応に問題があり、現金化に時間がかかったり後々トラブルが発生するリスクを感じたりするのであれば、早めの乗換が正解です。
顧客確保のためにも他社からの乗換を歓迎しているファクタリング会社は多く、現在の利用先に不満があるのであれば乗換の検討をおすすめします。
「ファクタリングは卒業と継続のどちらを選ぶべき?」まとめ
- 債権を決済日よりも早いタイミングで現金化する影響や、手数料による資金調達額への影響を考慮することが大切
- つなぎ資金の確保や急ぎの資金調達、負債額増加の回避など、ファクタリングには利用に適したシチュエーションが存在する
- 卒業せずに同じファクタリング会社を継続利用することで、「資金調達スピード・審査通過率・手数料」での恩恵が得られる期待がある
ファクタリングは必ずしも、すぐに卒業しなくてはならない資金調達方法ではありません。
しかし特徴を理解した上で資金繰りに活用することが大切です。
もちろん常時利用することも可能ですが、「使うべき時に利用する」ことでファクタリングはその真価を発揮します。
ファクタリングの特徴を活かし利用することができれば、卒業するよりも大きなメリットを資金繰りに与えることができるはずです。