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ファクタリングと手形割引の違いは?時代はファクタリングへ?ファクタリングと手形割引の概要やメリット・デメリットについて解説

2024年1月16日

従来であれば、流動性の低い手形を早期現金化するために「手形割引」とよばれるサービスを利用し、資金調達する経営者様も多くおられました。

ですが、近年、売掛債権をファクタリング会社に売却することで支払いサイクルを縮めて現金化を図る「ファクタリング」とよばれる新しい資金調達手段が注目を浴び始めています。

現金の早期調達のために用いられていた手法が手形割引からファクタリングへ段々と移行しており、時代が進んでいるとも捉えることが出来ます。

今回の記事では、ファクタリングと手形割引の概要はもちろん、相違点やメリット・デメリットなどを徹底網羅しています。

ファクタリングと手形割引の概要

まず、ファクタリングと手形割引それぞれの概要について解説します。

手形割引とは?

最初に手形割引の概要について説明します。
手形割引とは昔から利用されている約束手形を早期現金化できるサービスです。

「手形」とは何か

手形とは、将来の期日に支払日を定めて発行する証券のことです。手形は決済の手段として利用されており、現金と同等の扱いです。

ですが、現金と比較すると、流動性が低いです。
原則、支払期日までは現金化することが出来ません。

そのため、「手形割引」とよばれるサービスを活用して、現金化を早めることができます。

手形割引とは「約束手形の譲渡」

手形割引とは、「約束手形の譲渡」に値します。
本来であれば、決済日でないと現金化できない約束手形ですが、銀行などの金融機関や手形買い取り業者に買い取ってもらう「手形割引」を活用すれば、早期現金化が可能です。

手形に記載されている額面から、所定の手数料と利息が差し引かれた金額を調達することができます。

ファクタリングとは?

では、次にファクタリングについて解説します。
ファクタリングとは、「売掛債権」の売却です。

ファクタリング会社に“支払期日が到来していない”売掛債権を売却し、手数料を差し引いた額が振り込まれる仕組みです。

手形のように現物がない取引であるため、信用取引に値します。
ファクタリングには2種類の契約形態が存在しますので、それぞれについて解説します。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング

ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングとよばれる契約形態があります。
同じファクタリングであっても、契約形態によって特徴が異なりますので、しっかりと把握しておきましょう。

・2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の2社間で取引が行われます。1対1で行われる契約であることによって、最短即日での現金化を実現できます。また、第三者に知られる可能性も限りなくゼロに近いです。

ですが、その分、手数料が高めに設定されていることがほとんどであり、その相場は10~30%といわれています。

手数料が高くても、現金化の速さを求める場合は2社間ファクタリングが適しています。

・3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社、さらに売掛先も取引に関与する契約形態です。3社を介す契約ですので、1週間程度の時間を要することも多く、緊急性の高い場合には向いていないかもしれません。

また、売掛先を介しているということは資金調達の旨が通知されているという点にも注意しなければなりません。資金調達はマイナスのイメージを与える可能性もありますので、慎重に行いましょう。

ですが、3社間ファクタリングの手数料相場は1~9%、と2社間ファクタリングより手数料が比較的安めに設定されています。

以上が手形割引とファクタリングの概要についての説明でした。
次にこの2つの相違点をご紹介します。

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリングと手形割引は、手元にある資産を期日より早く現金化できるサービスであるという共通点がありますが、相違点がいくつかあります。

今回は5つの違いについて解説させていただきます。

①手数料

まずは、手数料です。
前述しましたが、ファクタリングの手数料の相場は以下の通りです。

・2社間ファクタリング・・・10~30%
・3社間ファクタリング・・・1~9%

ファクタリングは貸金業に値しないので、利息制限法とよばれる法律に手数料が制限されません。つまり、ファクタリングの手数料は上限がなく、ファクタリング会社がそれぞれ設定することができます。

対して、手形割引は貸金業登録を受けた業者のみしか取り扱うことができないため、利息制限法の対象となります。
手形割引であれば、どれだけ手数料が高い場合でも年利20%が上限です。

また、銀行へ手形割引を依頼した場合、年利1~5%で利用することができます。

ファクタリングは、ファクタリング会社側のリスクも大きい取引ですので、その分手数料が割高であることを覚えておきましょう。

②償還請求権の有無

ファクタリングと手形割引の違いは償還請求権の有無です。

償還請求権とは、手形や売掛債権が回収不能となった場合に、利用会社に弁済を求めることのできる権利です。
この償還請求権がファクタリングにはなく、手形割引にはあります。

ファクタリングでは、理論上、償還請求権をつけることができません。
なぜなら、ファクタリングは貸金業登録を行っていない業者がほとんどであり、貸金業として認められていない場合には償還請求権を求めることができないからです。

つまり、利用者がファクタリング会社に売掛債権を売却し、支払期日までに売掛先が倒産などにより支払いが不可能になった場合でも、その負担はファクタリング会社が背負うことになります。

ファクタリングを利用することは、所有している売掛債権の回収不能リスクを低減することにもつながるのです。

対して、手形割引は貸金業に値しますので、償還請求権があります。
仮に手形が不渡りなどになった場合には、買い戻さなければなりません。

常にお金の回収面においてリスクを背負ってしまうのが手形割引です。

③貸金業法の適用

ファクタリングと手形割引では、貸金業法の適用に違いがあります。
一般的にファクタリングは貸金業に値せず、手形割引は貸金業です。

貸金業として認められている場合、利息制限法などの利用者を守るための法律によって貸付金額や年利の上限が定められます。

ですが、ファクタリングは基本的に貸金業登録の必要がありません。よって貸金業登録をしている業者がほとんどおらず、取引可能額や手数料については、各々のファクタリング会社が独自に設定しています。

そのため、手数料が高いファクタリング会社もあれば、手数料が低いファクタリング会社もあるというわけです。

④現金化の速さ

ファクタリングと手形割引では、現金化の速度に違いがあります。

ファクタリングにおいて、2社間ファクタリングを利用した場合は、最短即日で入金がされます。
近年では、オンラインファクタリングが主流となっており、ファクタリングの全ての手続きをオンライン上で執り行い、また、審査もAIが行うことによってこのスピードを実現しました。
3社間ファクタリングであれば1週間程度でしょう。

手形割引であれば、最短3日から数週間をみておきましょう。
ファクタリングのように即日での現金化はできません。

手形割引であれば、法律によって決められた審査や手続きを行わなければならないため、ファクタリングと比較すると時間がかかってしまいます。

⑤審査の基準

ファクタリングと手形割引では、審査の基準も異なります。

ファクタリングの審査において、最も重要視されるのは「売掛先の信用度」です。
ファクタリング会社にとって恐れているリスクは、売掛先が倒産などの要因によって売掛金を回収できなくなることです。

そのため、ファクタリングの審査では、自身の信用情報や会社の財務状況などはあまり関係なく、売掛先の信用度が重視されます。

対して、手形割引における審査では、申し込み企業の企業格付けや手形の振り出し先の信用ランクなどを重視します。
また、ファクタリングと比較すると、審査は厳格に行われます。

両社の信用度を審査することで、万が一、手形を買い戻ししてもらわなければならない状況に陥った場合の支払い能力を測ることができます。

また、手形割引は貸金業に値しますので、所定の審査基準がある程度定められており、ファクタリングよりも手続きに時間がかかることにも納得できるでしょう。

以上がファクタリングと手形割引の違いでした。
同じ早期現金化ができる資金調達手段であっても、サービス内容が大きく異なっていることが分かっていただけたのではないでしょうか。

手形割引のメリット・デメリット

それぞれのサービス内容が分かったところで、まず手形割引のメリット・デメリットについて解説させていただきます。

手形割引のメリット

手形割引のメリットは以下になります。

手数料が低い

基本的に手形割引は銀行や手形割引業者に依頼をします。
手形割引の手数料の相場は、

〇都市銀行・・・1.5%~3%
〇普通銀行・・・2.0%~3.5%
〇手形割引業者・・・2.5%~15%

大体がこのくらいです。
利息制限法の適用を受けるため、莫大な手数料がかかることはまずありません。
銀行は審査が厳しいため、手数料が安くなり、また、手形割引業者は審査が甘いため、手数料が高めになる傾向があります。

融資と比較すると審査が甘い

手形割引は、融資の審査と比較すると審査が甘い傾向にあります。
手形割引の審査において最も重要なことは「振出人」の信用力です。

「受取側」の信用力も見られてはいますが、振出人ほどではないでしょう。
支払うのは振出人ですので、振出人が大手や公的機関であれば、審査により通過しやすいです。

安全性が高い

手形割引は安全性が高いといえるでしょう。
手形割引は融資の一種ですので、銀行などの貸金業に認定された信頼のある企業にしか取り扱えません。

貸金業法や銀行法といった利用者を守るための法律に制限されている手形割引ですので、悪質な業者などに騙される心配はほぼないでしょう。

以上が手形割引のメリットでした。

手形割引のデメリット

次に手形割引のデメリットについて見ていきましょう。

手形不渡り時のリスク

手形割引の最大のデメリットは手形が不渡りになった場合のリスクです。

「手形不渡り」とは、手形の満期日になっても支払人の口座残高不足などの要因によって支払いが行われない場合の状態をいいます。

つまり、手形割引を利用して早期現金化をした場合であっても、振出先が支払い不可能となった時は、自身でその手形を買い戻さなければならないのです。

手形割引には償還請求権が付随していると前述させていただきました。
この権利によって、買い戻す義務がありますので、手形割引の最大のデメリットといえるでしょう。

以上が手形割引のデメリットでした。

ファクタリングのメリット・デメリット

次にファクタリングのメリット・デメリットについて解説させていただきます。
手形割引と比べながら見ていきましょう。

ファクタリングのメリット

まず、ファクタリングのメリットについてです。

最短即日での現金化

ファクタリング最大のメリットは最短即日での現金調達が可能な点です。
このスピード感を実現するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
例えば、
・2社間ファクタリングを活用する
・午前中に申し込む
・オンラインファクタリングに対応している会社を選ぶ
・必要書類を不備なく事前に用意する

ただ闇雲にファクタリングを申し込んだからといって、即日での入金はできません。
上記したような条件を満たしておけば、ファクタリング特有の即日現金化を実現できるのです。

ファクタリングは緊急性の高い資金不足に非常に適しており、独立系ファクタリング会社であれば少額からの売掛債権の買い取りにも対応していることが多いです。

審査に通過しやすい

ファクタリングは審査に通過しやすい資金調達手段です。
前述もしましたが、ファクタリングにおける審査の基準は「売掛先の信用度」です。

利用者に赤字経営や債務超過といった背景があったとしても、売掛先の信用度さえ評価されれば、審査に通過できる可能性が大いにあります。

複数の売掛先の債権を所有している場合は、売掛先が公的機関や大企業であるものを選択すると、審査に通過しやすく、また、手数料も安めに設定してもらえるかもしれません。

銀行融資や手形割引と比較すると、審査ハードルが非常に低いため、気軽に利用できる点もファクタリングの魅力の一つです。

売掛金回収不能リスクを低減

ファクタリングを活用することで、売掛金の回収不能リスクをなくすことが出来ます。

本来であれば、売掛金は指定された期日までは振り込まれません。
つまり、この期間が長ければ長いほど回収できなくなるリスクは高まります。

ですが、ファクタリングを利用することで、この売掛金の回収サイクルを短縮することに繋がり、回収不能リスクを低減することにも繋がります。

ファクタリングは基本的に償還請求権がないノンリコースの契約ですので、仮に支払期日到来前に売掛先が倒産した場合の損失を利用者が背負わなくてもよいのです。

また、回収サイクルを短くすることで、リスクが減ることももちろんですが、資金繰りの向上にも効果的であるといわれています。

「負債」扱いではない

ファクタリングは「負債」として計上されません。
ファクタリングは債権の譲渡に値しますので、融資のような借り入れには該当しないのです。

そのため、貸借対照表にもマイナスの影響を与えず、逆にプラス効果を発揮します。
ファクタリングによる債権の売却は、売掛債権を減少させ、現金を増加させます。

つまり、流動性の低い資産(売掛債権)から流動性の高い資産(現金)になっているので、対外的評価も高まります。

対外的評価が高まることで、次回以降の資金調達では、銀行融資を受けられる可能性も十分にでてきますので、そういった意味でファクタリングを活用してもいいかもしれません。

以上がファクタリングのメリットでした。

ファクタリングのデメリット

最後にファクタリングのデメリットについて解説します。

手数料が高い

ファクタリングは一般的な融資や手形割引と比較すると、非常に手数料が高いです。
利息制限法によって定められる利率が制限されている銀行や貸付業者は最大でも年利20%が上限ですが、ファクタリングには上限が設けられていません。

一般的な2社間ファクタリングの手数料を年利に換算すると、100%を超えることだってあります。

ですが、その手数料分、ファクタリング提供側にはリスクがあり、便利なサービスであることをご理解していただけると幸いです。

ファクタリング会社によって設定している手数料は各社で異なりますので、多くのファクタリング会社が提供している無料の事前相談サービスなどを活用し、見積もりを出してもらいましょう。

複数の会社の見積もりを比較することで、ご自身にとって最適なファクタリング会社を見つけましょう。

悪質業者の存在

ファクタリングは今現在、急成長を遂げている市場です。
そのため、新規参入がしやすい状況となっており、価格競争が起こっています。

ですが、その分、悪質な業者も紛れ込みやすいという事実があります。
法外な手数料を請求してくる場合や、償還請求権ありのリコース契約、給与ファクタリングの提供など、様々な観点から悪質業者を見抜く方法があります。

どれだけ手数料が安いといっても、安易にそのファクタリング会社を利用することは危ないです。

悪質な業者からご自身を守るためにしっかりと知識を蓄えておきましょう。

ファクタリングと手形割引のまとめ

ここまででファクタリングと手形割引について解説させていただきました。
本日の記事をまとめますと以下の通りです。

手形割引・・・「約束手形の譲渡」
ファクタリング・・・「売掛債権の売却」

〇ファクタリングと手形割引の違い
①手数料
②償還請求権の有無
③貸金業法の適用
④現金化の速さ
⑤審査の基準

〇手形割引のメリット・デメリット
【手形割引のメリット】
・手数料が低い
・融資と比較すると審査が甘い
・安全性が高い

【手形割引のデメリット】
・手形不渡り時のリスク

〇ファクタリングのメリット・デメリット
【ファクタリングのメリット】
・最短即日での現金化
・審査に通過しやすい
・売掛金回収不能リスクを低減
・負債扱いではない

【ファクタリングのデメリット】
・手数料が高い
・悪質業者の存在

ファクタリングと手形割引の違いについてご理解いただけたでしょうか。

流動性の低い資産を現金化するという共通点はありますが、それ以外は全くの別物であることが分かって頂けたかと思います。

自身にとって手形割引が適しているのか、それとも、ファクタリングが適しているのかをしっかりと見極め、利用を検討してみてください。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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