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SES事業の資金調達でファクタリングはおすすめ?資金調達方法について解説
2024年9月11日
IT業界で活躍している人の中には、独立開業するパターンも決して少なくありません。
中にはSES企業として活躍している人も多いようです。
SES企業として独立するにあたって重要なのは、資金繰りです。
仕事があっても資金が手元になくて、事業継続に関して断念せざるを得なくなることもあるでしょう。
そこでどのようにして資金調達するのか、その方法を頭に入れておくべきです。
今回紹介するファクタリングは、SESにとってメリットのある資金調達方法です。
ここではSESがファクタリングを活用するメリットやそのほかの資金調達方法について見ていきます。
目次
そもそもSESとは何か?
IT関係で今後独立を検討しているのであれば、SESエンジニアとして活動するのも選択肢の一つです。
SESとはIT業界の契約形態の一つで、どのような方式なのかについて以下で詳しく見ていきます。
System Engineering Serviceの略称
SESとは「System Engineering Service」の頭文字をとったものです。
ITエンジニアが在籍していて、システム開発や運営をしようと思っているクライアントのオファーを受けて、スタッフを派遣する仕組みです。
このように言われると「派遣会社と同じようなもの」と思うかもしれません。
しかし両者はビジネススキームが大きく異なります。
派遣会社の場合、派遣先の指示に従って業務をするのが基本です。
一方SESの場合、SESエンジニアはSES企業の指示体系の下で業務します。
つまり派遣先はSESエンジニアに対して、直接命令を下せないビジネスモデルになっているわけです。
業務委託とも異なる
クライアントがSESにお願いして人材を派遣してもらって、システム開発などを行うのが基本的なビジネスモデルです。
このように言われると、業務委託契約ではないかと思う人もいるでしょう。
しかし業務委託とSESとは、異なるビジネススタイルだと思ってください。
業務委託の場合、成果に対して報酬が支払われます。
システム開発の場合、システムの出来上がった段階で初めて報酬が発生します。
SESの場合、SES企業が派遣先で「これをやるように」とスタッフに指示を出して作業させる形式です。
スタッフは会社で言われたことを派遣先で実践するだけなので、責任がともなわないのでストレスをあまり感じずに仕事ができます。
準委任契約の一種
SESという働き方は、正社員以外の働き方のスタイルとして注目を集めています。
正式に言えば、準委任契約が適切でしょう。
準委任契約の特徴として、作業時間中に報酬が発生し、成果物に対する責任がありません。
SESエンジニアとしてみれば、契約期間内で成果が出せなかったとしても報酬は支払われます。
業務委託のように成果物が出来上がらなかったので報酬ゼロといった事態は回避できます。
成果物に対する責任を負わない契約なので、フリーランスで活動するよりもSESエンジニアの方が気楽に勤務できるでしょう。
SESに依頼するのは、クライアント側にもメリットがあります。
必要な時に必要なスキルのあるSESエンジニアをアウトソーシングできるので、自前で育成する必要がありません。
育成費を含めた人件費カットができるので、SES企業への需要は一定量あるわけです。
SESの資金調達でファクタリングがおすすめの理由
SESを運営していると、資金繰りに頭を悩ませることもしばしばあるでしょう。
その場合、ファクタリングで必要な現金を確保するのもその中の一つです。
SESでキャッシュフローが悪化するのは、IT業界の構造的な問題が関係しています。
なぜSESで資金繰りの厳しくなることがあるのか、なぜファクタリングがおすすめの資金調達手段なのかについてここでは紹介します。
多重下請構造になりがち
IT業界の業務遂行を見ると、多重下請構造になることも少なくありません。
元請があって、1次下請から2次下請といったようにどんどん別の法人に委託する業務スタイルがとられています。
大規模なプロジェクトになってくると、3次下請やそれ以下までかかわって仕事を進めることもあり得ます。
報酬に関してもクライアントから元請に流れ、それが1次下請に回りといった形になるでしょう。
そうなると構造の下の方に入ってくるお金は先延ばしになりかねません。
回収サイトが長い
多重下請構造になっているIT業界の場合、どうしても回収サイトが長くなりがちです。
令和元年に行われた中小企業実態基本調査によると、IT業の平均回収期間は1.78か月でした。
これは製造業の2.09か月、卸売業の1.83か月に次いで長い期間です。
また全業種の平均が1.23か月だったので、半月弱平均よりも長くなっています。
これだけ売掛金が手元に入ってくるまで時間がかかると、キャッシュフローは悪化しやすくなります。
入金があるまで、事業継続のために必要なランニングコストは持ち出しになるので資金繰りに頭を悩ませるでしょう。
SESでも孫請けやそれ以下のところで案件受注していると、回収サイトが長くなりがちです。
現金がなかなか入ってこなくて、ほかの支払いに間に合わなくなる可能性も出てきます。
入金サイクルが特殊
SESが所属しているIT業界は、ほかの業種と比較して、入金サイクルが少し特殊です。
通常であれば、毎月一定の商品やサービスを納品して、月末締めの翌月支払いにしているところが多いでしょう。
このため、毎月決まった時期に一定の売上が入金されるでしょう。
ところがSESの場合、入金サイクルが一定しないことも珍しくありません。
大型のシステム開発プロジェクトになると、完成するまでに数か月間かかることもあり得ます。
また入金の取り決めは、先方との契約によってまちまちです。
数か月かかっても納品できた時に一括払いの場合もあれば、進捗状況に応じた分割払いのところもあります。
さらに着手時点で前払いできるような契約も見られます。
もし完成段階で一括払いになれば、数か月間入金されるまで待たなければなりません。
もしSESがその案件一本に絞って受注すると、数か月間入金ゼロになりかねません。
するとどうしてもキャッシュフローが悪化して、手持ちがなくなってしまうことも起こりうるわけです。
労働集約型産業
SESをはじめとして、IT業界は労働集約型の産業と言われます。
このため、いざプロジェクトを進めようと思っても人手不足の状況に陥る可能性もあります。
人手不足の状態で案件を受注しても、作業の進捗が当初の予定通りに進みません。
すると工期が伸びてしまうこともあるわけです。
完成段階で支払いが行われるとなれば、入金も先延ばしになってますます資金繰りが悪化する恐れも出てきます。
見方を変えれば、IT業界が慢性的な人材不足に陥っているのでSESのような企業が存在しうるともいえます。
人手不足の部分をSESにお願いして、人材を補ってもらうわけです。
ファクタリングであれば回収サイト対策ができる
もしSESで資金繰りが悪化しているようであれば、ファクタリングの利用を検討してください。
ファクタリングのメリットで見逃せないのは、スピーディに現金化できる点です。
ファクタリングは、売掛債権を譲渡することでより早期に現金化できるサービスです。
早ければ即日、かかっても申し込んでから数日後には現金が手元に入ります。
銀行融資の場合、手続きに手間取れば1か月以上入金が先になることもあります。
できるだけ早く現金が必要であれば、ファクタリングの利用も検討してみると良いでしょう。
デフォルト回避も可能
掛け取引で懸念されるのは、売掛金が回収できなかった場合です。
売掛債権がデフォルトになれば、資金繰りが急速に悪化して倒産することも考えられます。
ファクタリングはノンリコース契約が一般的です。
償還請求権なしの契約で、たとえ引き取った売掛債権がデフォルトになっても利用したSES企業にその補填を要求できません。
もし買い取らせた売掛債権が取引先の倒産などで回収不可になっても、SESはその責任について負いません。
売掛金回収できなくなる事態を回避するための保険として、ファクタリングを利用するのも一考です。
審査落ちでも利用可能
銀行融資に申し込んでも、審査に引っかかってしまったSESもいるでしょう。
とくに企業間もなくで、まだ実績がないと銀行は融資を渋る傾向が見られます。
しかしファクタリングの場合、たとえ銀行の審査に落ちてしまったSESでも利用できる可能性があります。
ファクタリングは買い取った売掛金をきちんと回収できるかどうかが審査の基本です。
よって売掛先の信用力の方を重視する傾向が見られます。
もし自社の信用力が十分でなくても、売掛先が大企業だったり有名IT企業だったりすれば、買取可能と判断されるかもしれません。
銀行借入の難しい場合でも、ファクタリングなら必要な資金が調達できるかもしれないわけです。
借金ではない
ファクタリングはお手持ちの売掛債権の譲渡契約なので、融資ではありません。
ファクタリングを利用した場合、帳簿にその旨記録する必要があります。
しかし負債扱いにはなりません。
たとえば将来銀行からの借入を希望する場合、ファクタリングを利用しても負債は増えません。
このため、借金が多くて審査で悪影響をもたらす心配はないわけです。
ファクタリング以外のSESの資金調達方法について解説
ここまでファクタリングはSESの資金繰りを改善するためにおすすめであると紹介しました。
しかしファクタリング以外にも、SESの資金調達方法としておすすめなのは以下のような手法です。
1.融資を受ける
2.助成金や補助金の活用
3.エンジェル投資からの出資
具体的にどのような資金調達方法か、以下で解説するので資金繰りに行き詰った際の参考にしてください。
1.融資を受ける
SESが融資を受ける方法として、まず銀行融資を連想するかもしれません。
銀行融資は低金利で借入できますし、信用力によっては数億円の融資にも対応している場合もあります。
しかしある程度の業歴がなければ、審査に通過しない恐れもあります。
その場合、日本政策金融公庫という公的機関で借入できるかもしれません。
無担保・無保証人で低金利にて融資してくれる制度です。
新規開業資金の融資も行っていて、開業間もないSES企業でも利用できるでしょう。
売掛債権がない場合、ファクタリングは利用できません。
SES企業を立ち上げるにあたって、日本政策金融公庫の融資制度を利用するのも一考です。
2.助成金や補助金の活用
国や自治体の中には、助成金や補助金事業を手掛けている可能性があります。
ファクタリング同様、助成金も補助金も融資ではありません。
よって今後返済する義務がないので、キャッシュフローを改善するためにおすすめです。
助成金や補助金は特定の自治体で独自に営んでいる事業もあります。
自分たちが利用できる助成金や補助金事業がないか、自治体のホームページなどで確認しましょう。
3.エンジェル投資からの出資
エンジェル投資とは、ベンチャー企業など業歴があまりなく資金調達のうまくいっていないところを対象に出資を行うことです。
その代わりにその会社の株式を取得します。
最近ではクラウドファンディングなどで不特定多数の人々から広く浅く資金を集めることも可能になりました。
SES企業で将来性があると判断されれば、十分な資金調達もできるでしょう。
エンジェル投資の場合、将来性があり、収益が十分出ると見込まれるところでないと出資しません。
このため、募集して簡単に成功しないかもしれませんが、一つの手段としてあることは頭に入れておきましょう。
ファクタリングとSESに関するまとめ
SESのようなIT業界では多重請負構造になりがちです。
このため、下流で業務をしていると売掛金がなかなか回収できない可能性もあります。
もし売掛金がなかなか回収できず資金繰りに苦しんでいるようであれば、ファクタリングを利用すると良いでしょう。
最短即日で入金でき、借金にもならないので売掛債権を持っているSESにはおすすめです。
SESにはここでも紹介したようにほかの資金調達方法もあるので、状況に応じてうまく使い分けてください。