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オンラインファクタリングは2社間が中心・その現状や特徴について解説
2024年10月12日
法人向け資金調達手段として、ファクタリングの普及は進んでいます。
売掛債権を売却することで現金化するファクタリングは、世界で広く利用されている手段です。
2023年時点で3兆6,105億ドル程度の市場規模で、2027年には5兆ドル弱のマーケットになると見込まれています。
ファクタリングサービスは国内でも普及していて、多様化しつつあります。
その中の一つが、今回紹介するオンラインファクタリングです。
2社間サービスに特化したオンラインファクタリングの現状や特徴について、ここでは見ていきます。
目次
オンラインファクタリングの現状について紹介
従来ファクタリングは面談のために、店舗に足を運ばなければなりませんでした。
しかし最近ではWeb完結で売掛債権を現金化できる、オンラインファクタリングも出てきています。
国内におけるオンラインファクタリングの現状について、ここでは見ていきます。
2017年ごろから出現
日本では2005年ごろからファクタリングサービスが注目を集めるようになりました。
このころ、債権譲渡登記制度が成立したことも背景にあります。
一方オンラインファクタリングは、2017年ごろから複数の事業所がサービス提供するようになりました。
フィンテック企業などの後押しによって、オンラインタイプの商品がいくつか出てきています。
金融機関との連携が進む
オンラインファクタリングは日本国内で、徐々に普及しつつある状況です。
その要因の一つとして、金融機関との連携が挙げられます。
2023年末の段階で、50を超える金融機関がオンラインファクタリング業者と連携して、中小企業向け商品を展開しています。
ファクタリングは海外と比較すれば、まだ日本における知名度はさほど高くありません。
金融機関はそのブランド力と巨大な顧客データを有しています。
このデータやブランドを利用して、今まで難しかった中小企業へのアプローチが容易になりました。
今まで利用してこなかった中小・零細が利用すれば、ファクタリングマーケットの拡大も期待できるわけです。
利便性の高さが魅力
2024年には、日本国内でもオンラインファクタリングの利用率は増加すると見られています。
その理由として大きいのは、従来よりも利便性が高いからです。
Web完結のサービスなので、来店する必要がありません。
法人運営をしていると、本業が忙しくてなかなか外出できない人もいるでしょう。
オンライン上で手続きがすべて終われば、本業の妨げになりません。
オンラインファクタリングでも従来のスタイル同様、審査は実施します。
オンラインファクタリング業者を見てみると、AIを導入しているところも少なくありません。
AIが審査を実施するので、審査のスタッフは必要なくなります。
オンラインであれば、店舗を運営する必要もありません。
店舗の賃料なども圧縮でき、従来のスタイルと比較してかなりのコストカット効果が見込めます。
その分をお客様に還元できます。
つまり手数料を従来の来店スタイルの業者と比較して、安くできるわけです。
低い手数料で効率的に売掛債権の現金化ができるのも、利用率が高まっている理由の一つです。
そして今後もオンライン契約が可能な業者も増えると見られています。
団体も設立
オンラインファクタリングの近年の動向を見ると、業界団体の立ち上げも大きなトピックと言えます。
2022年秋に「オンライン型ファクタリング協会(OFA)」と呼ばれる一般社団法人が立ち上げられました。
オンラインファクタリングマーケットの健全な発展を目的としたもので、業界の有志が発起人となりました。
具体的には官公庁との情報交換やセミナーなどによる啓もう活動がメインです。
その他には健全な運用を目的として、業界内での自主ルールの策定も彼らの活動の一つです。
業界内でルールが作られれば、利用者も安心して資金調達できるでしょう。
オンラインファクタリングは2社間のみ・その特徴を紹介
ファクタリングは大きく分けて、2社間と3社間の2種類に分類できます。
オンラインファクタリングの場合、基本的には2社間だと思ってください。
ところで2社間ファクタリングとはどのようなもので、なにが特徴かについて見ていきます。
利用法人とファクタリング業者の2社によるビジネス
2社間とは利用法人とファクタリング業者によるビジネスという意味です。
一方3社間とは、ここに売掛先法人も加わります。
3社間の場合、売掛先に債権売却する旨通知し、了承を得なければなりません。
しかし2社間であれば、売掛先への通知なしで取引できるので入金までスピーディです。
売掛先にファクタリング利用を知られると、資金繰りに窮していると思われかねません。
そのような誤解を避けたければ、2社間の利用がおすすめです。
2社間の基本的な流れ
2社間の場合、まず業者に申し込んで審査を受けます。
ここまでは3社間と同様です。
審査の結果問題なければ、売掛債権の買取で手数料分を差し引いた代金が入金されます。
3社間のように売掛先の同意を得る必要はありません。
続いて期日に売掛先から、売掛金を回収します。
そしてこの回収した現金は、後日業者に支払ってください。
3社間の場合、業者が直接売掛先から回収する形になります。
今すぐ資金を確保したければ2社間がおすすめ
設備の故障などで急に修理費が発生した、想定外の支払いが必要になったときなど、突発的に今すぐ現金が必要な事態は十分考えられます。
このようなときには、2社間の利用がおすすめです。
売掛先への説明や承諾を得る必要がないので、入金までスピーディです。
最短即日というところも少なくないですし、かかっても3営業日以内に入金される業者が大半でしょう。
オンラインファクタリングだと審査はAIが行っているので、すぐに結果が出ます。
中には申し込みから最短2時間で入金できるような業者もあるほどです。
今日明日中に現金が必要だけれども、手持ちがないといった切迫した事態も十分想定できます。
このようなときには2社間かつオンラインファクタリングを利用するのがおすすめです。
売掛先に通知の必要なし
2社間のメリットとして見逃せないのは、売掛先に内緒で利用できる点です。
実はファクタリング利用を取引先に説明するのは、時として難航する可能性があります。
取引先がネガティブな誤解をする恐れがあるからです。
売掛債権を第三者に売却すると言われると、金銭面で苦労していると解釈されかねません。
「経営が悪化しているのでは?」「資金繰りに四苦八苦しているのでは?」と思われるわけです。
そうすれば、そのような法人と取引していても期日通りに入金されない恐れがあります。
その結果、関係が悪化し、取引規模の縮小やこれまでよりも早期の入金を求められるかもしれません。
しかも売掛先から「あそこの法人は危ないかもしれない」と、そのほかの得意先にも情報が回る可能性も否定できません。
するとほかのところにも波及して、どんどん取引が難しくなる可能性もあるわけです。
2社間であれば、取引先に知られることなく売掛債権を譲渡できます。
よって信用不安や風評被害などのリスクも回避できるので、おすすめです。
2社間オンラインファクタリングの選び方のポイントを紹介
オンラインファクタリングは現在日本国内でも成長しつつあるマーケットであると、別項で紹介しました。
すでに複数の業者が、商品を提供しています。
初めて利用する際には、どこに申し込めばよいかで迷うかもしれません。
2社間オンラインファクタリング選びで押さえておきたいポイントは以下の項目です。
1.入金スピード
2.完全オンラインか
3.買取限度額
4.手数料
少なくとも以上4つのポイントはチェックして、法人にとって最適な選択肢を選びましょう。
1.入金スピード
もし今すぐにでも現金が必要な切迫した事態であれば、スピーディに現金化できるところを探しましょう。
取引先の同意なしでも利用できる2社間であれば、もともと迅速に入金してもらえます。
ただし突発的な支払いが必要で、今日中に現金化しなければならないのなら、最短即日の業者がおすすめです。
ここでも何度か紹介したように、オンラインファクタリングの中には最短申し込みから2時間で入金してくれるようなサービスもあります。
業者のWebサイトを見てみると、「最短どのくらいで入金!」といったキャッチコピーが掲載されているでしょう。
しかしあくまでも「最短」である点に留意してください。
ケースバイケースでより手続きに時間がかかる可能性もあります。
その日のうちに現金が必要であれば、午前中の早い段階で申し込みを完了させましょう。
2.完全オンラインか
手続きがすべて完全オンラインのサービスかどうかも、比較する際にチェックしましょう。
中には申し込みのみWebから行えても、審査の際に来店する必要がある業者も少なからず見られます。
地方が本社の法人の場合、近所で利用できる業者があまり多くない場合もあるでしょう。
オンラインファクタリングであれば、遠方でも利用可能です。
ところが途中で面談のために来店しなければならないとなると、わざわざ出かけないといけません。
場合によっては日帰りできないかもしれません。
ホームページを見て、手続きの手順をチェックしてください。
本当に来店の必要がないか確認しましょう。
サイトを見てもわからなければ、電話で問い合わせてみるのも一考です。
3.買取限度額
2社間のオンラインファクタリングを見てみると、買取可能な枠を設定しているところも少なくありません。
そこで買取限度額をどう設定しているか確認して、お手持ちの売掛債権を売却できるかチェックしましょう。
業者を見ると上限と下限の両方設定しているところもあれば、いずれか一方だけ限度額を設けているところもあります。
数億円の大口債権に対応しているところもある一方で、数十万や数百万円の小口債権メインのところも見られます。
必要な金額が調達できるような業者を見つけてください。
4.手数料
オンラインファクタリング選びの中で、手数料の低いところを選ぶのもポイントの一つです。
たとえば1,000万円の売掛債権を売却する場合、手数料10%であれば900万円手にできます。
一方20%の手数料の業者を選ぶと800万円しか調達できません。
手数料によって、現金化できる金額が大きく変わる可能性もあります。
業者の手数料を見てみると「2〜15%」のように一定の幅を持たせているところも少なくありません。
審査の結果次第で、適用される利率も変わってきます。
もし手数料を比較するなら、上限の利率のより低いところを探しましょう。
2社間の場合、10〜20%程度が相場であることも参考にしてください。
オンラインファクタリングと2社間に関するまとめ
日本でもファクタリングはかなり普及していて、その営業スタイルも多様化しつつあります。
その中でも今回紹介したオンラインファクタリングは、Web完結するので利便性が高く注目されています。
近くに店舗がなくても、Web完結であれば利用可能です。
オンラインファクタリングは、2社間に特化したサービスであることも特徴の一つです。
2社間は取引先に通知することなく、利用できるのは魅力と言えます。
「資金繰りに困っている」と、先方に誤解されて関係がこじれる心配もありません。
オンラインファクタリングの選び方について、紹介しました。
ここで紹介したポイントを踏まえて、自分たちにとって最善の選択肢を慎重に選びましょう。