ファクタリングに似た資金調達方法とは？特徴・違い・活用ポイントを徹底解説！

一般にファクタリングの審査は、金融機関からの融資の審査にくらべて通りやすい・緩いなどと言われています。
ファクタリングには審査には法律での規定がないため、各ファクタリング会社がそれぞれ独自審査を行っています。
ファクタリングの審査は融資の審査より通りやすいのは事実ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ファクタリングの独自審査に落ちないためにはどのような点に気をつけておけばよいのでしょう。
この記事ではファクタリングの独自審査の特徴・審査の内容・審査に通るためのポイントについて詳しく解説します。

ファクタリングの独自審査と融資の審査との違い

ファクタリングは金融機関の融資とは異なる審査の方法をします。一般的にファクタリングの方がいわゆる融資の審査よりは通りやすくなっています。
またファクタリング審査は法律で明確なルールが定められていないため、各社が独自の審査基準をもっています。そのためある会社では審査に落ちても、審査に通過するということも起こります。
緩いと言われているファクタリングの審査ですが、融資の審査とどのように異なりどのような点で緩いのでしょうか。以下で詳しく見てみましょう。

ファクタリングで見るのは売掛先の信用力

融資では利用する企業の信用力が重視されます。返済能力や事業の伸びを慎重に審査するため、審査結果が出るまでには時間がかかります。
一方ファクタリングで重要となるのは売掛先企業の信用力です。ファクタリング会社は売掛債権を買い取るので、その売掛債権が確実に回収されるかが重要視されるのです。
そのためファクタリング利用者の事業規模が小さい・赤字である・滞納がある・個人であるなどの場合でもファクタリングの審査には通るケースは少なくありません。

信用情報を照会するかどうか

金融業者は企業や個人の信用情報を、信用情報機関を通じて取得します。返済遅延や支払い遅れ・クレジットカードの利用停止履歴がないかどうかをそこで調査するのです。
融資では信用情報の照会を必ず実施します。
しかしファクタリングでは信用情報の照会は行いません。
ファクタリングで重要なのはあくまで売掛債権の信用度であり、利用者の信用度ではないからです。
そのため利用者に返済遅延などがあったとしても、審査落ちになるとはいえません。一方融資では返済遅延のある利用者は審査に通らないでしょう。
逆にファクタリングは利用しても信用情報に影響しません。
また、消費者金融からの借入があったとしてもファクタリングの場合は審査落ちはしにくいといえます。

審査に必要な書類の数

融資の場合は最低でも1期分の決算書・試算表・資金繰り表・納税証明書・登記簿謄本・事業計画書などを用意する必要があります。そのため書類に作成や準備にも時間や手間を要するでしょう。
しかしファクタリングに必要な書類は融資よりかなり少なくてすみます。会社によっては請求書・本人確認書・通帳コピーの3点でよい場合もあります。
ただし会社ごとに必要書類は異なるので、前出の3点に加えて決算書・確定申告書・印鑑証明の提出を求められることもあります。

審査にかかる期間

融資の場合はおおむね審査に2週間から1ヶ月程度を要します。時には2か月前後かかるケースも見られるようです。
しかしファクタリングでは最短30分で審査を終える会社もあります。5時間以内ですむケースが多く、1日以内で完結するケースが一般的です。AIによる自動審査の発達がこのスピード感の1つの理由になっています。
ただしこれは2社間ファクタリングの場合に限られます。
3社間ファクタリングでは売掛先に債権譲渡通知をし、承諾を得る必要があるため審査には3〜5営業日ほどがかかります。

実際の入金までの時間

金融機関の融資では審査を通過しても、金融機関内の稟議・契約書の提携対応などに時間がかかり入金までにさらに1〜2週間程度時間がかかります。また店舗に出向かなくてはならないので、担当者とのスケジュール調整も必要です。
しかしファクタリングでは審査を通過してから入金されるまでの時間は2〜5時間が大半で、ほとんどの利用者が当日中に入金を受けています。
オンライン対応の会社ではクラウド契約で締結できる場合も多いため、入金まですべての手続がWeb上で完結します。

ファクタリングの独自審査でチェックされるポイント

ファクタリングの独自審査では、主に3つの基準を重視して審査通過の可否を判断したり買取金額を決定したりしています。
それら3つの基準を1つずつ見ていきましょう。

売掛先の信用力

ファクタリング審査で最も重視されるのは売掛先の信用力です。
ファクタリングではノンリコース（償還請求権なし）で結ばれるケースが多いのですが、この場合、買い取った売掛債権が回収不能になった場合、その損失はすべてファクタリング会社が負うことになります。
そのためファクタリング会社では売掛債権の信用度を確認する必要があるのです。
ファクタリングの独自審査では利用者の信用力よりも売掛先の信用力を重視します。ですので利用者に赤字・滞納・債務超過があってもファクタリングの審査に通ることは珍しくありません。

代金回収の確実性

前項で見たとおり、ファクタリング審査において最重要なのは売掛債権の信用力であり、代金回収の確実性です。そのため利用者と売掛先の取引履歴などを審査し、これまで期日に遅れることなく確実に売掛金が入金されているかなどを確認します。
利用者と売掛先の初めての取引の場合や取引歴が浅い場合は代金回収の確実性が低いとされ、審査に通らない可能性もあります。

申込者の信頼性

ファクタリングの審査の最重要項目は売掛債権の信用性ですが、利用者の信頼性もある程度は重視されます。
2社間ファクタリングでは、利用者が後日受け取った売掛金をファクタリング会社に入金しますが、信頼できない利用者では回収した売掛金をファクタリング会社に渡さず、別の支払いに流用するなどしてしまう可能性があるからです。
あまりも自転車操業を繰り返していたり、ヤミ金業者からの借入が判明した場合は審査に落ちる可能性が高まります。
また仮に通ったとしても、手数料は高めに設定されると考えられます。

ファクタリングの独自審査に通るためのコツ

一般に甘い・緩いとされているファクタリングの審査ですが、時には落ちてしまうこともあります。
ファクタリングの審査を受ける前に、チェックしておきたいポイントを解説します。

売掛先の信用力

ファクタリングをしようとする売掛債権の信用力を確認しておきましょう。信用力の高い売掛債権なら、ファクタリング会社の審査を通過する可能性は極めて高いものです。
売掛先が公的機関・上場企業・大手企業などの場合は審査にかなり有利になります。

入金サイトの長さ

売掛先から売掛金を回収できるまでの期間が短い方がファクタリングの独自審査では有利になります。
入金サイトが長い売掛債権は回収までに売掛先が倒産してしまうリスクがあるからです。
期日まで2か月以内の債権が望ましいといえるでしょう。

売上とのバランス

売上と売掛債権のバランスがとれていないと信用されにくくなります。
たとえば月の売上200万円の事業者が2000万円の売掛債権を持ち込んだとしても、売上と売掛金がアンバランスなため、偽造や捏造を疑われかねません。

譲渡禁止特約の有無

売掛債権に債権譲渡禁止特約がついていないかどうかもポイントになります。債権譲渡禁止特約とは、該当債権を第三者に譲渡することを禁止する特約です。
しかし本来は、法改正がなされているため、債権譲渡禁止特約があっても譲渡することは可能です。
とはいえファクタリング会社がトラブルの可能性を嫌うと買取を見送るかもしれません。
法律上譲渡可能ではありますが、債権禁止特約がついている債権はファクタリングの独自審査に通りにくい傾向にあります。

債権発生の根拠書類の有無

売却する売掛金が実在を示すために根拠となる書類の提出が必要になります。
取引履歴のある通帳のコピーが利用されることも少なくありませんが、以下のような書類が売掛債権発生の根拠を証明するために使用されます。

・売掛先との基本契約書
・個別契約書
・請求書
・見積書
・受注書
・納品書

新規の売掛先の売掛債権をファクタリングで使用する場合は、売掛先との契約書なども準備しておくとよいでしょう。書類を多く準備できれば、売掛先の存在を証明しやすくなるため審査落ちにならない可能性が高まります。

ファクタリングの独自審査に関するまとめ

ファクタリングでは法律的に明確なルールがないため、ファクタリング会社がそれぞれ独自の審査を行っています。

ファクタリングは金融機関などからの融資にくらべて審査が通りやすくなっています。また審査にかかる時間や入金までの期間も融資にくらべ格段に早く、急ぎの資金調達には便利です。

さらに、中小規模の事業者や個人事業者・赤字や滞納のある事業者でもファクタリングの審査に通る可能性はじゅうぶんあります。

ファクタリングの審査で重視されるのは売掛債権の信用性であり回収の確かさです。

ファクタリングの独自審査に通るためには、ファクタリングに利用する売掛債権の信頼性の高さに留意するとよいでしょう。

また、適正な審査をしている限り審査に100％通るということはありません。100％を謳う会社は違法業者や悪徳業者である可能性が高いものです。

そのような謳い文句を使っているファクタリング会社にはくれぐれも注意しましょう。