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融資を受けるなら知っておくべき!近年導入されてきているスコアリング審査とは?
2024年7月31日
スコアリング審査は、金融機関などで多用され始めている効率性の高い審査方法です。このスコアリング審査を導入すると、スピード感のある審査が可能になります。今後はこのスコアリング審査が増えていくと考えられていて、融資の際には知っておいた方がいい知識となっています。今回はスコアリング審査についての様々な情報を紹介していきます。
目次
スコアリング審査とは
スコアリング審査は氏名や年齢、年収など様々な事を融資の審査に反映させるシステムの事です。通常の審査では時間がかかる事も多く、その事が融資の効率を下げています。さらに融資担当者の主観による審査もあるので、審査の公平性も問題になる事があります。
そうした事も解決できるのが、スコアリング審査です。多くの項目に点数をつけて、それらの合計点によって融資やローンの審査を通過させるか判断するという画期的なシステムとなっています。ここでは、スコアリング審査に関する基本的な情報や特徴を解説しましょう。
スコアリング審査の審査項目
スコアリング審査は複数の項目を評価の対象にしています。各金融機関やローン会社にとって、スコアリング審査に使用する評価項目は違います。求められる情報はプロフィールなどの情報から勤務先、借入金などの信用情報も含まれます。こうした情報をそれぞれの会社が設定した基準に従って、数値化する事になります。
主に使用されるのは、以下の項目となっています。
基本情報
自宅情報
勤務先情報
決算書
設立年数
他社からの借り入れ件数や借り入れ金額
これらの項目が必ずしも使用されるというわけではありません。各会社はスコアリング審査の審査項目を明かしていないので、あくまで目安となっています。これよりも審査項目が増える場合もあるし、少なくなる場合もあります。
また、使用の用途やローンの目的でスコアリング審査の項目が変更されます。法人として融資やローンを審査する際には、スコア項目はさらに多くなる傾向にあります。
まず、間違いなく申告しなければならないのが、基本情報です。これは氏名や生年月日、性別、独身か、既婚か、メールアドレスなどの情報の事です。審査会社はこうした情報を信用会社のブラックリストの名簿に載っていないかどうかなどを調べて、スコアをつける事になります。この情報はどこの会社でも確実に必要な情報で、この情報だけでも信用会社などを通じて様々な情報を知る事ができます。
自宅情報となるのは、住所はもちろん、電話番号、住居種類です。それだけでなく、入居年月、住居費負担額、家族人数などを求められることもあり、審査においては重要な項目となっています。例えば、入居年月が長ければ、それだけスコアが高くなります。こうした項目は、返済能力を判断するために重きを置いている情報です。
個人で融資やローンを受ける場合には、勤務先情報は最も重要な項目です。会社名、所属部署
勤務先の住所、電話番号、社員数などの基本的な情報から、事業内容、入社年月、雇用形態、職種などの詳しい情報も申告します。
さらには、年収や収支はもちろん、給料日まで申告する場合もあります。融資金額の決定にはこうした情報が反映されていて、年収はスコアリングで判断しやすい指標となっています。
法人として、あるいは事業目的としてローンや借り入れをする際には、さらに詳しい情報が必要です。決算書や設立年収などが重要な項目となっています。決算書の内容は、特に厳しく審査され、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などを元にしてスコアが決定されます。スコアリング審査ではこうした数値の情報は、的確に処理されます。
決算書には様々な情報が含有されています。必ずしも数字だけで判断できないこともあり、従来の審査では定量評価だけで判断していませんでした。担当者の経験による判断も大きく影響していたのです。しかし、スコアリング審査ではそうした定性評価が反映されにくく、スタートアップ企業やベンチャー企業にとっては不利になってしまうという声もあります。
他の金融機関などからの借り入れも申告する場合があります。借入残、借入件数、返済履歴などの情報もスコアリング審査の対象となります。返済能力を見るためにも、他の期間からの借り入れは厳しく審査されます。返済履歴に遅延などが見つかると、スコアは著しく悪くなってしまうという事です。
このように様々な要因がスコアリング審査の対象になっていて、客観的で迅速な審査が可能になっています。次は、スコアリング審査のメリットを見ていきます。
スコアリング審査のメリット
スコアリング審査のメリットは様々挙げることができます。最近のスコアリング審査の導入が増えているのは、様々なメリットが存在するからです。そのメリットとは以下の通りです。
合理化
効率化
均一化
合理化は審査をする際に、無駄をなくすという事を指します。従来の方法では多くの書類から必要なデータをピックアップするだけで、膨大な労力がかかります。スコアリング審査であれば、必要な項目が分かっているために、無駄なデータ処理の時間が無くなります。人的な負担も減り、審査を担当する部署にとってはかなり助かるというわけです。
効率化とはスコアリング審査においては時間短縮を指す場合が多くなっています。スコアリングによって効率よく処理する事で、多くの案件を処理できるようになります。これは合理化に含まれることもありますが、審査においてはこの時間短縮が最も重要な要素です。
そのため、効率化というのは、スコアリング審査を導入している企業が最もアピールしているポイントとして強調されています。これは審査を受ける側にも審査結果が速くわかるというメリットがあります。
均一化は不公平をなくすという意味があります。審査には定量評価と定性評価という考え方があります。定量評価は数字で判断できるもので評価する事です。定性評価は、人柄や事業の将来性、担当者の印象など数字では表せない要素で評価する事です。定性評価は重要な指標ですが、不公平感がある審査基準という声も少なくありませんでした。
スコアリング審査はこうした不公平をなくすことができる事が期待されています。スコアリング審査はメリットが多いとされていて、今後の運用が期待されていました。
スコアリング審査のデメリット
スコアリング審査のデメリットも指摘されています。それは、担当者などによる定性評価という指標が欠けてしまう事です。担当者のノウハウなどを審査に反映させることができないために、経験則的な判断ができなくなってしまいます。従来の審査では定量評価だけでは、上手くいかない例があるとされていました。
そのため、スコアリング審査に頼り切った場合、数字では表せない不安要素が測れないのではないかという指摘があります。融資をする側としては、無駄な融資が増えてしまうという懸念があると言われています。
審査を受ける側からすると、デメリットはそれほどありません。あるとすれば、将来性がある事業や市場の判断がつきにくくなってしまうという事です。将来性のある事業でも資金調達が難しくなる可能性があるのです。こうした先見性は担当者の経験やノウハウが重要なので、こうした将来性を見通した融資というモノが少なくなってしまうという懸念がある事も事実です。
スコアリング審査について知っておいた方がいい事
スコアリング審査を導入する会社が増えていますが、今後はもっと普及してくると言われています。審査基準や審査方法の移り変わりは、融資を受ける側にも重要な事です。そこでスコアリング審査についての今後の見通しなどをまとめます。
AIスコアリングの導入
近年では、AIスコアリングの導入に期待が高まっています。すでに導入している会社も存在し、AIスコアリングの導入による効率的なスコアリング審査を受けることができます。このAI審査は従来のスコアリング審査ではできなかった定性評価すらも数値化できると言われているのです。ビッグデータの活用によって、より厳格で素早い審査が可能になります。
他の審査がスコアリング審査に及ぼす影響
銀行などの審査はスコアリング審査に大きく影響すると言われています。数値を重視するスコアリング審査は、信用情報を重要な指標にしています。現状のスコアリング審査では定性評価には重きを置いていないため、信用情報で一度でもブラックリストにのるとスコアリングが大幅に下がってしまいます。
スコアリング審査にはごまかしがきかず、経歴に不安がある方には非常に不利となる審査方法でもあるのです。
今後、スコアリング審査が増えると返済の遅延などには十分に注意しなければ、審査に落ちる機会が増えてしまうでしょう。スコアリング審査の定量評価重視の姿勢によって、様々な変化が訪れることは覚悟しなければなりません。
スコアリング審査のまとめ
スコアリング審査は、近年急速に増えてきています。スコアで審査を決定するという事は、定量評価の比重が多くなったという事です。従来の審査では、担当者の心証や印象なども加味される定性評価も重要でした。こうした審査は時には、不公平になってしまうという懸念点がありました。
スコアリング審査を導入すると、スコアに従って機械的に融資の可否が判断できるために、効率的な審査が可能になります。今後もAIなどの導入により、スコアリング審査が増えてくる見通しです。融資を受ける際には、今回紹介した情報を参考にしてみてください。