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ファクタリングで債権の前払いが受けられる?サービス概要や特徴も解説
2023年6月9日
売掛金の決済期間が長期になると、資金繰りにとって大きな負担になりかねません。
さらにもし支払いが遅れてしまうようなことになれば、影響はさらに大きくなる可能性があります。
しかし売掛金の前払いが可能であれば、資金繰りの負担を格段に軽減することができるはずです。
本稿では売掛金の前払いに近い効果が期待できる「ファクタリング」について、概要やメリット・デメリットを解説させていただきます。
「売掛金の前払い」を求める多くの経営者様は、ぜひ最後までお読みください。
目次
ファクタリングは「売掛金の早期現金化サービス」
ファクタリングは「売掛金の早期現金化サービス」であり、決済日前の売掛金をファクタリング会社が買取り現金化する資金調達方法です。
売掛金の前払いのような効果が期待できますが、利用の際には手数料の支払いが求められます。
前払いとは「前もって代金などを支払うこと」を指すことから、売掛金の買取によって現金化を行うファクタリングと前払いは、全く同じ行為だとは言えません。
しかし本来の決済日よりも早いタイミングでの現金調達を可能とし、前払いを求める経営者様にとって利用価値が高いのも間違いありません。
ファクタリングの法的な取扱い
売掛金の前払いのように早期資金調達を可能とするファクタリングは、法的には「債権譲渡契約」であり「売買契約」に該当します。
また民法555条「売買契約」や466条「債権の譲渡性」などがファクタリングの法的根拠となっており、金融庁も事業者向けの資金調達方法の一手段として認めています。
ファクタリングに対して違法性を心配されている経営者様もいらっしゃるかも知れませんが、債権譲渡契約や売買契約に該当する行為そのものに違法性はありませんので、ご安心ください。
貸付に該当する場合は一般的なファクタリングには当たらない
売買契約による売掛金の早期現金化が国内での一般的なファクタリングであり、だからこそ売掛金の前払いに近い効果が期待できます。
売掛金を担保にして貸付を受ける場合でも早期資金調達そのものは可能となりますが、前払いではなくあくまで融資であり、負債額の増加などの注意点が発生します。
特に「貸付に該当するファクタリング」に関しては注意が必要です。
続いては貸付に該当するファクタリングについて、概要や注意点をご紹介させていただきます。
ウィズリコースファクタリング
一般的なファクタリングは「償還請求権なし」となっており、売却完了後に債権の回収ができない状況に陥っても、債権の買戻しなどの義務は発生しません。
このような契約を「ノンリコース」とも呼びますが、償還請求権ありの契約となるウィズリコースファクタリングを利用する際には注意が必要となります。
また償還請求権ありのファクリングは貸付に該当するサービスであり、これらは貸金業を営むことが認められている金融機関でなければ利用できません。
きちんと貸金業登録を行うなどしていれば違法性はありませんが、一般的なファクタリングとはサービス内容も特徴も大きく異なりますので、期待したような効果が得られない可能性が高くなります。
闇金融による違法貸付
ウィズリコースファクタリングなど貸付に該当する行為も、契約内容を明確に示し法的な認可も得ていれば、サービスを提供しても法律的には問題はありません。
しかし貸金業登録を行うこともなく、法的には貸付と判断される行為をファクタリングを装い行っている「闇金融」の場合は非常に危険です。
貸付に該当することも知らされず、債権譲渡契約または売買契約に該当することや償還請求権なしなどと契約書に記載されていない場合は、闇金融による違法貸付であることを疑うべきです。
闇金融によるファクタリングを装った違法貸付に関しては、金融庁も注意喚起を行っており、不審点があれば利用しないことが大切です。
ファクタリングによる売掛金早期現金化のメリット・デメリット
前払いのように売掛金を早期現金化できれば、決済日前の運転資金の確保など、資金繰りの負担が大きく減らせるのは間違いありません。
しかし前払いを受けたいとお考えの企業がファクタリングを利用することで得られるメリットは他にも幾つも存在しています。
ここからは前払いを受けることで資金確保がしやすくなる以外の、ファクタリングを利用するメリットと、知っておけば対処も可能となるファクタリングのデメリットについて解説させていただきます。
メリット・急ぎの資金調達にも対応可能
多くの状況で融資による資金調達は時間がかかる傾向があります。
銀行融資の場合でも1ヶ月程度、中小企業への融資に積極的と言われる日本政策金融公庫では2ヶ月以上の期間が必要になることも決して珍しくはありません。
ビジネスローンであれば即日融資の可能性もありますが、上限に近い金利で限度額も数十万円程度ということが多く、利用できる場面が限定されてしまうのが現実です。
しかしファクタリングによって債権の前払いに近い効果を得る場合には、最短即日での資金調達も不可能ではなくなります。
WEB完結型のオンラインファクタリングならば、さらに資金調達スピードは向上し、最短であれば1時間を切る速さでの債権現金化も不可能ではなくなります。
素早い前払いが期待できるファクタリングは、資金繰りの安定に大きく役立ちます。
メリット・経営状況が芳しくなくとも利用できる
中小企業や個人事業主は、融資の審査通過が容易ではないと言われます。
融資の審査では現在の経営状況が審査に大きく影響するだけでなく、将来性なども問われるのがその原因の1つです。
ですがファクタリングの場合では、前払いによる資金調達を期待し申込みを行った企業の経営状況は、審査に大きく影響しません。
これはファクタリング会社にとって重要なのが「売掛金の決済が問題なく行われること」であり、そのためには売掛先の信用力が高いことが求められるからです。
逆に言えば売掛先の信用力が低いと利用できないということになりますが、申込みを行った企業が債務超過・赤字経営・税金滞納中など融資を受けるのがむずかしい状況であっても審査通過の期待があることは、多くの企業にとっての使いやすさに繋がります。
メリット・少ない提出書類での利用が可能
融資に申込んだ場合、審査を受けるためには幾つもの書類提出が必要になることが多く、事業計画書や返済計画書など作成に手間がかかる書類が求められることも少なくはありません。
書類の準備に時間がかかれば、それだけ資金調達成功までに必要な時間も長引き、提出書類に不備が発生する危険も高まります。
これに対して売掛金の前払い効果を期待してファクタリングに申込んだ場合には、準備に手間がかかる書類が必要になることは多くありません。
「運転免許証(本人確認書類)・請求書・取引先からの入金履歴がわかる通帳コピー」など、数点の書類で済み小さな負担で書類提出が行えるファクタリング会社も、決して珍しくはないのです。
メリット・負債額を増やさずに資金調達が行える
負債を増加させる資金調達方法に頼りすぎた場合、返済の負担が大きくなり資金繰りに影響する危険があります。
それだけでなく貸借対照表の肥大化などによって、自己資本比率など企業価値の評価に繋がる数値が低下したり、債務超過に陥るリスクを高めることにもなりかねません。
ですがファクタリングによって前払いに近い効果を得たとしても、債権の売買による資金調達のため負債額が増加することはありません。
売掛金の売却時に1度、手数料の支払いが必要にはなりますが、融資のように完済まで継続的に支払うことにはならず、債務超過や貸借対照表の肥大化にも直結せずに済みます。
さらには、ファクタリングによる売掛金の前払いによって確保した資金を負債の支払いに活用すれば、貸借対照表のスリム化も可能となり企業価値を高めることも期待できます。
メリット・担保も保証人も不要で償還請求権もない
前払いを期待してファクタリングを申込んだとしても、融資のように担保や保証人が必要になることはありません。
また原則的に「償還請求権なし(ノンリコース)」での契約となるファクタリングでは、売掛金の前払いを受けた後に取引先が倒産したとしても、売掛金を買い戻すよう求められる心配も無用です。
担保や保証人も不要で資金調達後の不安が少ないことも、ファクタリングによって売掛金の前払いを受けるメリットです。
デメリット・手数料が発生する
本稿の序盤でも触れさせていただきましたが、前払いとファクタリングは同じとは言い切れず、手数料の支払いが必須となる点には注意が必要です。
またファクタリング手数料は上限を定めた法律などがないため、高額な手数料請求が行われる危険もゼロとは言えません。
ですが公式サイト上で手数料の上下限を公表しているファクタリング会社であれば、手数料に対しての不安は少なくなるはずです。
また幾つかのファクタリング会社に申込み相見積もりを取ることで、低い手数料での債権現金化が行いやすくなります。
デメリット・継続的な利用から抜け出しにくくなる可能性がある
例えば前払いによって、本来月末払いの給料を10日早く受け取った場合、次の給料を受け取るまでに40日ほどの期間が開くことになります。
その間のお金のやりくりがうまくできないとなれば、再び給料の前払いを受けざるを得なくなるかも知れません。
ファクタリングでも同様の状況になる可能性があり、売掛金の前払いを受けられたとしてもその後の資金繰りを考慮することが大切です。
継続利用する際には同じファクタリング会社を利用することで、手数料の引き下げなど買取条件の向上が期待できます。
デメリット・開業前の資金調達には不向き
ファクタリングは開業してからの期間や売上など、利用条件が設定されていないことが多く、多くの企業に利用していただける資金調達方法です。
しかし売掛金の早期現金化サービスであることから、決済日前の売掛金を保有していない企業は利用していただくことが原則できません。
このような理由により開業前の資金調達にはファクタリングは不向きであるため、開業資金の調達には日本政策金融公庫など、他の選択肢を選ばれることを推奨いたします。
「ファクタリングで債権の前払いが受けられる?」まとめ
・ファクタリングとは、法的には「債権譲渡契約」に該当する「売掛金の早期現金化サービス」である
・手数料などの費用の支払いが必要になるが、売掛金の前払いに近い効果が期待できる
・即日資金調達や審査通過しやすいなどのメリットも得られるが、債権現金化後の資金繰りも意識して利用することが大切
ファクタリングを利用する際には手数料などが発生するものの、前払いのように決済日よりも早いタイミングで売掛金を現金化できることで、資金繰り改善に大きく役立てていただくことができます。
早期現金化以外にもファクタリングには幾つものメリットがあり、資金調達を急いでいたり、融資の審査通過が難しい状況であったりする際の選択肢としても優秀です。
売掛金の前払いを受けたいとお考えであれば、ぜひファクタリングの利用をご検討ください。