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ファクタリングは「債権譲渡契約」による資金調達方法!融資との違いも解説

2023年6月26日

ファクタリングは債権を担保とした融資ではなく、「債権譲渡契約」に該当する債権の売買による資金調達方法です。
融資ではないことで得られるメリットも多く、何らかの理由で貸付を受けられなかったり利用しにくかったりという状況の企業にとっても、頼りになる選択肢となります。
本稿ではファクタリングの法的な取扱いから、「債権譲渡契約」によって行う債権の早期現金化と融資との違いなどを解説させていただきます。
特にファクタリングと融資のどちらを選ぶべきか悩んでいる経営者様は、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングの法的な取扱い

ファクタリングは、法的には譲渡契約に該当する債権の早期現金化サービスです。
また債権の売買契約にも該当する資金調達方法でもあります。
これは金融庁の公式サイトにも記載されている情報であり、ファクタリングの法的な取扱いに関しての公式情報となります。
ちなみにこの資金調達方法の法的根拠となるのは、民法第466条「債権の譲渡性」や民法第555条「売買契約」などです。
これらの民法によって、債権譲渡は法律としても認められている行為であり、正しく契約手続きを行い代金を支払うことで売買契約が成立すると証明されます。

金融庁によるファクタリングについての公式見解

ファクタリングについて金融庁は、『一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス』と解説しています。
さらに金融庁は事業者の資金調達の一手段とも認めており、このことからも債権譲渡契約によって現金化を行うファクタリングという行為に違法性がないことがわかります。

債権譲渡契約と言われても、何となく本当に安全かと不安を感じている経営者様もいらっしゃるかも知れません。
しかし金融庁も資金調達の選択肢と認めているとわかれば、安心感は増すのではないでしょうか。

「一般的」ではないファクタリングとは?

金融庁によるファクタリングについての解説では、「一般に」という表現が記載されていますが、実は債権譲渡契約を行ない債権を売却するファクタリングとは違う、一般的ではないファクタリングも存在しているのです。
場合によっては何かしらの被害を受ける可能性もあるため、勘違いして利用することがないようにご注意ください。

ウィズリコースファクタリング

一般的なファクタリングは、債権譲渡契約の締結後に債権の回収が不可能になっても買戻しなどが求められない、「償還請求権なし(ノンリコース)」が条件となっていることが原則です。
しかし金融機関が、事業者に対して債権を担保として扱い、償還請求権ありの契約を行うこと自体は違法ではありません。
「ウィズリコースファクタリング」や「リコースファクタリング」と記載されている場合は、償還請求権ありのサービスとなりますので、ご注意ください。

また債権譲渡契約を行う一般的なファクタリングをご希望の場合は、契約書に債権譲渡契約や売買契約と記載されているだけでなく、「償還請求権なし」などの記載もあるかを、しっかりとご確認ください。

保証ファクタリング

債権に対する保険的な役割であり、売掛先の倒産リスクなどに対する備えとなるのが「保証ファクタリング」です。
事業者の資金調達の一手段である債権譲渡契約を行う一般的なファクタリングとは違い、保証ファクタリングは資金調達方法ではありません。
企業にとって債権が回収できなくなることは一大事であり、このサービス自体に利用価値があるのは確かです。
ですが前述したように資金調達には利用できないため、サービス内容を正しく理解して利用していただくことが求められます。

闇金融が関係する違法貸付

金融庁のサイト上には「ファクタリングに関する注意喚起」として、闇金融が関係する「ファクタリングを装った違法貸付」の情報も掲載されています。
担保や保証人が必要など契約内容は貸付に該当するものであることが多く、また高額な手数料請求が行われる危険も高いなど、「ファクタリングを装った違法貸付」には注意が必要です。
手数料が高過ぎると感じたり、契約内容に不審点を見つけたりした場合には、資金調達を急いでいても他社への乗り換えをご検討ください。

ファクタリングと債権譲渡は違うモノ?

インターネット上で「ファクタリング」と「債権譲渡」をキーワードとして検索を行なった場合、ファクタリングは債権譲渡ではないというようなタイトルの記事を見つけるかも知れません。
金融庁がファクタリングは法的には「債権譲渡契約」に該当すると公式に情報発信を行っているのに対して、おかしいと思われるかも知れませんが、「決済日を過ぎた売掛債権を回収業者(サービサー)へ譲渡する行為」なども「債権譲渡」に該当すると考えられるのです。
債権を売却し現金化する資金調達方法であるファクタリングに対して、この場合の債権譲渡は不良債権の処理を目的としています。
どちらも債権譲渡を行っているのは確かですが、目的などは大きく異なります。
また取引先に対しての支払いが難しい企業が債権を譲ることで弁済する場合も、債権譲渡に該当します。

ファクタリングは「債権譲渡契約」に該当する資金調達方法

ファクタリング会社に対して債権を売買することによって現金化するファクタリングも、サービサーなどに不良債権の処理を依頼する行為も、どちらも債権譲渡を行なっているのは事実です。
そしてファクタリングとは、債権譲渡契約を行い債権の早期現金化を行う資金調達方法となり、決して金融庁の情報が間違っているわけではありません。
債権譲渡契約を必要とする行為の1つがファクタリングであり、その他にも目的に応じて債権譲渡を行う場合があるとご理解ください。

債権譲渡契約であるファクタリングと融資の違い

ファクタリングは、債権譲渡契約を行い売掛債権を現金化する資金調達方法であり、代表的な資金調達方法である「融資」と比較すると様々な点で違いがあります。
融資との違いはファクタリングを利用する際のメリットとなるものが多いのですが、中にはデメリットにもなり得る要素も存在しています。
どちらか一方を使わなければならないわけではありませんので、メリットとデメリットを理解した上で状況に応じで選択していただいて何ら問題はありません。

審査基準

融資とファクタリングでは審査基準が大きく異なります。
融資の場合は貸付を受ける企業の返済能力や将来性が重要なポイントとなりますが、ファクタリングの場合では売掛先の信用力が審査通過に大きく影響します。
経営状況に不安があったり債務超過の状況であったりしても、売掛先次第でファクタリングによる資金調達は可能ですが、逆に安定した経営を行っていても売掛先の信用力に不安があれば、審査通過は難しくなります。
また特に取引先が公的な機関や上場企業であれば、ファクタリングでは好条件での現金調達が期待できるようになります。

負債額の増加

融資による資金調達が負債額の増加に直結するのは間違いありません。
もちろん、負債額の増加が必ずしも経営状況の悪化に繋がるわけではないのですが、返済の負担を大きくし、企業価値を落とす原因になるリスクは否定できません。
対してファクタリングは債権譲渡による売買契約であるため、負債額を増加させることはありません。
しかし債権譲渡を行うには手数料が必要であり、手数料面での負担は考慮しなくてはなりません。

資金調達スピード

ファクタリングは、即日での資金調達も可能なスピードも大きな魅力の1つです。
さらにインターネット上で手続きが完結できるクラウドファクタリングを利用すれば、1時間を切る速さで現金を用意することも不可能ではなくなります。

融資の場合は、ファクタリングほどの速さは期待しにくく、銀行融資で1ヶ月前後、中小企業も利用しやすいと言われている日本政策金融公庫では2ヶ月以上かかることもそれほど珍しくはありません。
しかし融資にも短期間で資金調達が可能なビジネスローンも存在していますので、金利や限度額の面で問題なければ、急ぎの際の選択肢になるはずです。

資金調達額

高額資金調達を希望する際には融資は頼りになる存在です。
設定する担保や将来性などによっては、高額融資を受けられる期待もあり事業拡大などにも役立ちます。
ファクタリングの場合でも高額資金調達は不可能ではありませんが、債権の額面以上の資金調達は不可能であるため、相応の額の債権が必要になってしまいます。
ただし中小企業が融資による高額資金調達を行える確率は高いとは言えないため、必ずしも融資の方が多くの額の資金調達に成功できるとは言い切れません。

必要書類

融資による資金調達は必要書類が多く、事業計画書や返済計画書のように準備に手間がかかる書類を求められることも少なくはありません。
必要書類の多さや手続きの複雑さが融資を受ける際に時間がかかる理由の1つであり、スピードが期待できるビジネスローンでも書類提出に時間がかかる場合には、急ぎの状況に間に合わなくなってしまうリスクが高まります。

しかしファクタリングであれば、債権譲渡を行う際にも少ない提出書類で済むことが多くあります。
「請求書・本人確認書類・取引に使用している金融機関の通帳コピー」の3点は必須書類となりますが、この3点のみで利用可能なファクタリング会社も存在しています。

中小企業や個人事業主には債権譲渡契約であるファクタリングがおすすめ

融資とファクタリングにはそれぞれに特徴があるため、どちらが優れていると断言することはできません。
ですが経営状況に関わらず利用できる可能性が高いことや、資金調達スピードが優秀な点など中小企業の資金繰りに役立つ特徴をファクタリングが多く持っているのも事実です。

ファクタリングによる債権譲渡は「売掛債権の早期現金化サービス」であり、支払サイトの悩みを軽減しやすいのも、中小企業や個人事業主にファクタリングを推奨させていただく理由となります。

『ファクタリングは「債権譲渡契約」による資金調達方法!』まとめ

・ファクタリングは法的には「債権譲渡契約」として扱われる
・貸付に該当するファクタリングサービスや闇金融による違法貸付には注意が必要
・ファクタリングは融資とは大きく違う特徴を持ち、中小企業や個人事業主の資金繰り改善に役立つ

金融庁のサイト上には、ファクタリングが法的に「債権譲渡契約」に該当する事業者向け資金調達方法であると掲載されています。
また最短即日での資金調達が可能であり、負債額を増加させないなどの特徴を活かせられれば、中小企業や個人事業主の資金繰り改善効果をより大きくすることができます。
資金調達に融資以外の選択肢をお探しであれば、ぜひファクタリングをその候補としてご検討ください。

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