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ファクタリングの決算処理はどうする?決算書に及ぼす影響も解説

2025年1月30日

ファクタリングが決算処理に及ぼす影響について心配なさる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ファクタリングの仕訳方法や勘定科目について疑問に思う方も少なくないようです。
ファクタリングは会計処理上どのように扱えばよく、決算書にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。
この記事ではファクタリングの会計処理の仕方を具体的に紹介するとともに、ファクタリングが決算書に及ぼす影響について以下で詳しく解説します。

ファクタリングをした際の会計処理

ファクタリングを行った場合には、「売掛金が発生した時」「ファクタリングを契約した時」「売掛金譲渡代金入金時」の3つのタイミングで仕訳をします。1つずつ詳しく見てみましょう。

売掛金が発生した時の仕訳

売上が発生した時には通常の会計処理を行います。請求書を起こした段階で、借方に「売掛金」、貸方に「売上」と仕訳をします。します。

ファクタリングを契約した時の仕訳

ファクタリングを契約し売掛債権の譲渡契約を結んだ段階で、売掛金を消して「未収入金」とします。未収入金とは資産を売却し、あとから売却金額が入金される場合の勘定科目です。ファクタリングの契約完了から、ファクタリング会社からの入金があるまでの期間に使用するものです。
通常の取引で生じた未収の代金には「売掛金」を用いますが、ファクタリングは通常の取引とは区別しますので、「未収入金」を使います。

売掛金譲渡代金入金時の仕訳

ファクタリング会社から実際に譲渡代金が入金された段階で仕訳が必要です。
ファクタリングにより発生した手数料は「売上債権売却損」で計上してください。
借方に入金された金額を「普通預金」、手数料を「売上債権売却損」と記入し、貸方に「未収入金」と仕訳します。
この仕訳によって、ファクタリング契約時に発生した「未収入金」を消すことになります。

当日入金だった場合の仕訳

ファクタリングの契約には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがありますが、2社間ファクタリングでは審査が早く、契約をしたその日に入金があることも少なくありません。これは取引先に債権譲渡の通知や承認の連絡をする必要がないため、処理が迅速にできるからです。
また、オンラインの2社間ファクタリングでは、審査方法をより簡易にしており、申し込んでから30分や1時間ほどで現金が入金されることもあります。
ファクタリング会社から契約当日中に入金があった場合は、未収入金を決算書類に記載する必要はありません。「売掛金」に対して直接「普通預金」「売上債権売却損」として計上します。

ファクタリングを仕訳する際の注意点

ファクタリングの仕訳の仕方は上記のとおりですが、仕訳にあたっては留意しておくべきポイントがあります。

手数料は「売上債権売却損」で仕訳する

ファクタリングは売掛債権の売買であり、株などの金融商品の売買取引と同様に見なされます。そのためもとの売掛金の金額より、実際に手にする現金が少なくなった分(手数料の分)の金額は「売掛債権売却損」の仕訳となります。
ただし会計ソフトウェアに売掛債権売却損」の科目がないなどの場合は、「雑損失」「支払手数料」「割引料」で計上しても構いません。

ファクタリング取引に消費税はかからない

ファクタリングは「金銭債権などの譲渡」に当たるため、非課税取引となります。消費税はかかりません。そのためファクタリング会社は取引金額や手数料に消費税を上乗せして請求することはできません。
しかし悪徳業者の中には消費税を不当に上乗せしてくる場合があります。騙されないようにくれぐれも注意してください。
ただしファクタリング会社が売掛金の債権譲渡登記をした場合、その費用には消費税がかかるため支払後の仕訳が必要です。
債権譲渡登記によってファクタリング会社は第三者への対抗要件を得られます。この手続きは債権の二重譲渡なとのトラブル回避に役立つため債権譲渡登記をするファクタリングが少なくありません。
しかし債権譲渡登記を行うと手続きに時間がかかったり登記費用がかかったりと利用者にはデメリットも発生します。
債権譲渡登記は必須ではないため、これらのデメリットを回避するためには、債権譲渡登記を留保できるファクタリング会社との取引を考えるとよいでしょう。

決算期末を挟んで入金がある場合

決算期末がファクタリング契約時と現金入金時の間に来る場合は、まだ入金されていなくてもその売上に税金が課されます。
この場合売上が現金化される以前に売上を元に計算した消費税や法人税を支払うことになるため、注意が必要です。

ファクタリングによる決算書への影響

ファクタリングは資金を調達するために便利な有利な方法ですが、決算書にもよい影響を与えることができるのです。決算書の改善は企業評価を高めることにつながるため、ファクタリングをうまく活用し会社の評価を高めることも考えてみましょう。
ファクタリングが決算書に与えられるよい影響は以下の4つです。

貸借対照表のスリム化

ファクタリングで売掛金を現金化すると、決算書の貸借対照表をオフバランスできます。オフバランスとは保有する資産を貸借対照表から外すことです。
オフバランスすることで財務諸表の見栄えをよくし、借入比率や資産負債率などの重要や債務指標を改善することができ、企業の財務状況をより健全に見せられるようになります。とくに資本集約的な業界や金融業界などで一般的に行われています。
貸借対照表(バランスシート)は、金融機関などからの借入を行えば「負債」を増やし肥大化します。しかしファクタリングは売掛金の現金化なので、「負債」を増やすことはありません。
ファクタリングで調達したお金を負債の減少に利用すれば、貸借対照表のスリム化が可能です。

総資産利益率(ROA)の改善

ROAとは会社が持っている総資産を利用してどの程度の利益を上げているかを示す指標で、純利益を資産から割って算出します。この数値で効率的な経営ができているかどうかが判断されるとされ、数値が高いほど効率的だと見なされます。
ROAは、企業が、保有している資産をいかに効率的に使用し利益を生み出せているかを判断する指標です。ROAが高いことは、従業員が効率的に働いている・材料などの無駄がないなど保有資産をうまく活用して利益を出せていることを示します。
ROAはROE(自己資本利益率)と並んで重要とされる指標で。注目度も最も高いものです。
ファクタリングで売掛金を現金化し負債を減少させれば分母(総資産)が小さくなるため、ROAの数値を改善させられます。

自己資本比率の向上

自己資本比率とは総資本のうち純資産の占める割合をいいます。
自己資本比率が高いということは、総資本の中で負債(他人資本)が少なく返済の必要がないということであり、健全性が高いと判断されます。
ファクタリングは借り入れではないため負債を増やさず、自己資本比率に悪い影響を及ぼしません。
さらに、ファクタリングで資金を調達してそれを負債の繰り上げ返済に当てていくことで負債を軽減し、自己資本比率を高められます。

現金預金比率の引き上げ

現金預金比率とは突発的に流動負債の支払が必要になった場合に対応できる支払能力を示す数値であり、現金および貯金などの流動資産を流動負債で割って求めます。
流動資産の中でもすぐに支払ができる現金と流動負債の割合を比較することで、会社の短期的な財務安定性を測るものです。
会社の短期的な支払能力を分析する財務指標には他に流動比率や当座比率がありますが、現金・預金のみで支払能力を測定する現金預金比率はそれらよりさらに厳しく支払能力を測定します。また、即座に支払える資産のみを分析するため、短期の支払能力に加え、会社の資金繰りも見ることができるとされています
売掛金も流動資産の1つなので、現金化しても流動資産の総額は変わりません。
しかしファクタリングは負債を増やさず現金を調達をする方法なので、現金比率を引き上げることにつながります。

キャッシュフローの改善

業績が好調でも、手元のお金が足りなく慣れば黒字倒産をする可能性があります。決算書の利益ばかりでなく、現金の流れの把握は大変大切です。
急に現金が必要になった時には、審査が簡易で資金調達までの期間が極めて短いファクタリングは大変有効な手段です。
ファクタリングを利用することで、キャッシュフローの改善を図ることができるでしょう。

ファクタリングの決算処理に関するまとめ

ファクタリングをした際には、「売掛金発生時」「ファクタリング契約時」「売掛金譲渡代金入金時」に仕訳をする必要があります。

この場合手数料は「売上債権売却損」で仕訳しますが、該当する科目がない場合は「雑損失」「支払手数料」などで仕訳をしましょう。

ファクタリングには、資金調達を円滑にできるだけでなく、利用することにより決算書を改善する効果も見込めます。ファクタリングを利用して、貸借対照表のオフバランス・ROAの改善・自己資本比率の向上・現金預金比率の引き上げなどが実現できるでしょう。

単に現金を迅速に手にする方法としてだけなく、ファクタリングをうまく活用して決算書をより見栄えのよいものにすることで、会社の評価の向上を狙うことも可能です。

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