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ファクタリング会社との契約の流れとは?契約書をチェックする際の注意点について解説
2024年6月12日
ほかの資金調達法同様、ファクタリングを利用する際には業者と契約を交わす必要があります。
このとき、内容をきちんと確認せず署名・捺印するのはおすすめできません。
ここではファクタリング会社との契約の流れや注意点について解説します。
契約書の内容を確認しないと、実はこちら側にとって不利な条項が盛り込まれていている可能性もあります。
するとのちのちこちら側が大きな損害を計上しなければならない可能性があるので、以下で紹介する注意点は忘れずにチェックしてください。
目次
契約までの流れについて把握しよう
ファクタリング会社との契約までにはいくつかのステップを踏む必要があります。
業者によって詳細な部分は若干異なるかもしれません。
しかし大まかには以下の手順を追って、契約するものと考えてください。
1.申し込み先の選定
2.申し込み
3.必要書類の提出
4.審査
5.契約手続き
それぞれのプロセスでどのような作業が必要なのか以下で解説しますので、利用する際の参考にしてください。
1.申し込み先の選定
まずはどこに申し込むか、ファクタリング会社の選定を進めましょう。
審査スピードや手数料、買取限度額などで絞り込んでいきます。
3社間を利用する場合、売掛先の同意が必要です。
業者が直接売掛先から売掛金を回収する形になるからです。
あらかじめ得意先とコンタクトを取って、売掛債権譲渡に内諾を得ておくと良いでしょう。
また法人が持つ売掛債権の買取が可能か、事前相談を行うのもおすすめです。
Webで簡易審査を行っている業者もあるので、買取可能か心配であればこちらを利用することも検討してください。
2.申し込み
特定のファクタリング会社に絞り込めれば、申し込みを進めましょう。
業者によって申し込み方法はまちまちですが、電話や店頭、郵送、Webなどが考えられます。
この中でもおすすめなのが、Webです。
Webなら24時間・365日基本的にいつでも申し込み可能です。
しかもどこからでも手続きできるので、遠方からの申し込みも受け付けてもらえます。
もし近くに店舗があれば、店頭での申し込みも選択肢の一つです。
スタッフに疑問点や不安なところを聞きながら手続きできるので、納得の上でサービスが受けられるからです。
3.必要書類の提出
申し込み時に必要書類もあわせて提出します。
必要書類は、ファクタリング会社によって内容はさまざまです。
スタッフの案内やホームページの掲載内容を参考にして、書類の準備を進めてください。
一般的には法人登記簿謄本や決算書、売掛債権の証明、通帳などです。
また契約する際に押印する印鑑は実印でなければなりません。
そこで印鑑証明書も用意する必要があります。
売掛債権の証明書類ですが、請求書や注文書などを準備しましょう。
架空ではないことが証明できる書類を用意してください。
4.審査
提出書類をベースにして、買取可能かどうか審査が実施されます。
ファクタリング会社によっては法人代表者から直接ヒアリングする場合もあるかもしれません。
ヒアリングは対面形式で行うのが一般的です。
オンライン完結型のサービスでは、電話でヒアリングを行う場合もあります。
面談で聞かれる内容ですが、事業内容やサービス利用を希望する動機、取引状況などです。
経営者が取引実態をきちんと把握できているか、確認するために行われると思ってください。
面談では聞かれた内容について、誠実に答えましょう。
たとえ不利な内容であったとしても、嘘をつくのはやめてください。
嘘が後日露見してしまうと、信用性に難ありとして取引中止になる危険性があるからです。
5.契約手続き
もし審査を通過して、ファクタリング会社の提示した内容に納得できれば、契約手続きです。
契約の段になって、資金調達できると安心して内容をロクに見ずに署名・捺印してしまう法人代表者も少なくありません。
しかし別項で詳細は紹介しますが、契約書の内容はしっかり確認してください。
もしわからないところがあれば、担当者に質問しましょう。
優良業者であれば、こちらが納得するまでていねいに説明してくれるはずです。
一方難解な専門用語を並べ立て、あえてこちらが理解できないような説明をしてくる業者は要注意です。
悪徳業者で、実は契約書の内容の中でこちら側に不利な条項が盛り込まれているかもしれません。
ファクタリング会社と契約する際の注意点
ファクタリング会社と契約する際には書面をしっかり確認しましょう。
もしかすると自分たちにとって不利な内容が契約書に盛り込まれている可能性があるからです。
では具体的にどのようなところをチェックすべきか、以下のポイントを確認してください。
1.償還請求権の有無
2.手数料の利率
3.担保の設定
4.報告義務
5.損害賠償などのペナルティ
6.解約条件とその方法
7.契約期間
いくつか項目をあげましたが、なぜ契約の段階で確認する必要があるか、以下で紹介します。
1.償還請求権の有無
償還請求権が盛り込まれた契約になっていないか、締結前に忘れずに確認してください。
さもないとファクタリング利用後に、自分たちが大きな損失を被る危険性があるからです。
償還請求権とは、売掛先が破綻するなどして債権がデフォルトになった場合に関連する権利です。
こちらの権利があるという契約だと、債権回収できなくなった際にファクタリング会社は利用法人に債権の肩代わりを求められます。
つまり取引先の債務をかぶることになってしまい、不利な条件での契約になるわけです。
しかしファクタリング契約は、ノンリコース契約と言って償還請求権はつかないのが一般的です。
デフォルトリスクも踏まえて、業者は手数料を取っています。
また権利付きの契約であれば、厳密に言うと債権の買取・譲渡契約とは言えません。
債権を担保にした金銭貸借契約になってしまいます。
償還請求権がつかない契約になっているかチェックし、書面では判別できない場合には担当者に質問しておきましょう。
2.手数料の利率
契約書には手数料などの諸費用も明記されているはずです。
手数料が当初担当者から聞かされていた利率になっているか確認してください。
ファクタリングの利率には、相場があります。
2社間で10〜20%、3社間は1〜9%が相場と考えてください。
この範囲を著しく逸脱するような料率になっている場合には、注意しましょう。
また手数料とは別に、諸費用を設定している可能性があります。
印紙代や登記費用などが該当します。
実質いくらコストがかかるのか、契約書の内容から推測してください。
3.担保の設定
ファクタリングは売掛債権の買取サービスです。
借入ではないので、担保もしくは保証人を差し出す必要は本来ないはずです。
ところが契約書に担保に関する条項がもし記載されていれば、矛盾が生じます。
万が一売掛先からの債権回収がデフォルトになった場合、利用法人が弁済義務を負うことになるからです。
場合によってはファクタリング会社から、売上や所有する不動産を差し押さえられることになるかもしれません。
もし契約などの諸手続きで、保証人や担保に関する説明があった場合には要注意です。
たとえ審査通過しても契約は速やかに白紙にし、別の業者の利用を検討すべきです。
4.報告義務
売掛先に何か怪しげな動きがあった場合、利用法人はファクタリング会社に報告する義務があるかもしれません。
契約書にそのような条項が盛り込まれているかどうか、確認しておきましょう。
もし不穏な動きがあっても、業者にその旨報告義務があったのに行わなかった場合、契約違反です。
場合によっては損害賠償請求される可能性もあるので、ルール順守は心がけてください。
ファクタリング会社は売掛先と接触する機会はありません。
このため経営が傾くなど危ない動きがあったとしても早期に察知するのは不可能です。
早めに報告が受けられれば、いろいろと対処することも可能です。
5.損害賠償などのペナルティ
契約書に盛り込まれている条項を遵守しなかった場合、ファクタリング会社がなんらかの不利益を被る恐れもあります。
そうなった場合、どのようなペナルティが発生するかも契約書に明記されているはずです。
違約金や損害賠償などいくら支払うことになるかは、確認しておきましょう。
ただしもしかするとペナルティの範囲が一般的な条件と比較して、広範にわたるような内容のものが提示されるかもしれません。
また損害賠償金額が常識の範囲を超えて高額になっている可能性も考えられます。
このようにこちら側にとって、極端に不利な条件の契約であれば、締結は考え直すべきです。
納得できなければ、担当者に質問しましょう。
そして納得できる回答が得られなかった場合には、契約は白紙に戻すのが賢明でしょう。
6.解約条件とその方法
契約書には解約の条件なども盛り込まれているはずです。
一般的に利用法人に重大な契約違反があった場合には、こちらの同意なく強制的に契約解除できるとされているでしょう。
そこで重大な契約違反として、具体的にどのようなことが想定されているか契約書で確認してください。
一般的に強制解約する際には、利用法人が受け取った債権の買取代金は返還します。
返還させられる条件は、あらかじめ頭に入れておきましょう。
7.契約期間
ファクタリングは1回だけ利用する場合もあれば、一定期間継続利用できるサービスもあります。
どのようなサービスの契約になっているか、契約期間を確認しましょう。
もし1回限りの契約を希望しているのに契約期間が長期にわたっていて、しかも中断できない契約になっているなら要注意です。
また契約が満期になった場合、自動更新になっている契約書もあります。
もし必要なくなった場合、解約手続きはどうなっているのかも契約書で確認しておきましょう。
ファクタリング会社の契約に関するまとめ
ファクタリング会社とは審査通過後に、債権買取に関する契約を締結します。
契約書の内容は難しそうと思って、きちんと確認せずに署名・捺印してしまう法人代表者もいるようです。
しかし契約書の中に重大な条項があって、そのせいで後々大きな被害を被る可能性もゼロではありません。
契約書に署名・捺印する前に、その内容をしっかり確認しておきましょう。
不明な点があれば担当者に質問して、内容に納得したところで初めて署名・捺印するように心がけてください。