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ファクタリングには消費税がかからない理由5点と注意点を徹底解説
2024年1月15日
売掛債権の現金化を目的としてファクタリング会社へ譲渡や売却によって、売掛金を早期に現金化ができるファクタリングは、「借りずに資金調達できる方法」として最近特に着目され、利用者数は年々増加傾向にあります。
そのためファクタリングには通常の借入とは違った多くのメリットが存在しており、そのひとつに原則消費税はかかりません。
ではなぜ消費税がかからないのか?根拠となる理由と一部消費税がかかるという点を徹底解説しましょう。
目次
国税庁はファクタリングを非課税としている5つの理由
世の中で取引を行う際に、どうしても気になるのが消費税です。
日本国内にて「事業」として行う取引で、「対価」を得ることを目的とするのが消費税課税の条件であり、ファクタリングもファクタリング会社との取引を行って手数料の支払いが発生するため、当然消費税がかかると思いがちです。
ところがファクタリングに関しては、原則として消費税はかかりません。
では「何で?」「どういう理由で?」ファクタリング取引というやり取りを通じて消費税が発生しないのでしょうか?以下にその根拠となる理由を5つ紹介しましょう。
1. 売掛債権譲渡(ファクタリング)は、非課税取引と認識される
2. 金銭債権を譲受(ファクタリング取引)したときの対価の手数料は非課税という扱い
3. ファクタリングは課税売上割合に対して消費税の納付総額への影響を受けない
4. ファクタリングは「保証」についても非課税である
5. ファクタリングの取引は本来的に消費税の課税対象になりえない性格のもの
1.売掛債権譲渡(ファクタリング)は、非課税取引と認識される
消費税がかからないとされるひとつめは、取引内容によるものです。
その根拠のひとつとして国税局が17の取引に「非課税取引」であるという項目を定めてます。
この取引の中で売掛債権譲渡(ファクタリング)は「有価証券等の譲渡」という取引と認められているために、非課税対象となるのです。
では有価証券等の譲渡にはどのようなものがあるのでしょう。
株券や国債などの有価証券のほか、抵当証券、合名会社などの社員の持ち分、金銭に関する債権などの譲渡が含まれますが、出資、株式、あるいはゴルフ会員権などは含まれません。
ファクタリングは「金銭債権などの譲渡」に該当するため、消費税は非課税なのです。
2.金銭債権を譲受(ファクタリング取引)したときの対価の手数料は非課税という扱い
金銭債権などの譲渡に該当するファクタリングは、それを行う際にかかる手数料に関しても非課税となります。
国税庁からの回答では、金銭に関する債権の譲受を行った時に、債権者から徴収の対象となる各種手数料は、その名目にかかわらず非課税として扱われます。
つまり取引そのものだけではなく、取引結果で発生する手数料についても非課税なのです。
具体的にはファクタリング取引を行うことで生じることになる、事務手数料や振り込み手数料などが発生しますがいずれもこれは消費税の課税対象ではありません。
3.ファクタリングは課税売上割合に対して消費税の納付総額への影響を受けない
売掛金を現金化するためにファクタリングを行い、売掛金のうちの何割かが手数料としてファクタリング会社に入りますが、取引も手数料もすべて非課税である根拠として課税売上割合に影響していないという点があげられます。
つまり売掛金になっている段階で、売上という取引がすでに発生しており、この時点で売上に対する消費税が発生しています。
そのためファクタリングを行っても、売上が発生したことに対する課税があったという事実への影響が全くないため、ファクタリング取引は非課税となります。
4.ファクタリングは「保証」についても非課税である
ファクタリングには、「保証ファクタリング」と称される商品があります。
これは万一売掛先が倒産して回収不能になった場合に保証(保険)するサービスで、別途保証料が発生します。
ところで保証料についても消費税の視点から見ると非課税です。
ファクタリング取引で発生する手数料同様の根拠で、保証料についても消費税がかかりません。
5.ファクタリングの取引は本来的に消費税の課税対象になりえない
企業間取引で発生する消費税の中にはそもそもの話、消費税を課税するような対象と考えた場合に、「ファクタリングは対象になりえない」とされ、国税局が定義しております。
国税局では20ある取引を非課税として認識しており、ファクタリングは「手形割引料」とみなされます。
手形割引とは期日までに支払いを保証する約束手形を発行して現金化するものですが、その際に割引料を差し引きます。
この割引料も非課税対象で、ファクタリングの手数料を割引料とみなして非課税扱いとなります。
ファクタリング取引だとしても消費税が別途発生するパターンがある
ファクタリングについては取引にしても各種手数料や保証料が原則非課税であることを紹介しました。
しかし、一部課税対象となる取引があるので注意しましょう。
以下に紹介するような状況になった場合は、たとえファクタリング取引だとしても、課税の対象となってしまい、消費税を払う必要があります。
1. ファクタリング取引の中で債権譲渡登記を行なうとき
2. ファクタリング取引で司法書士を利用する場合の報酬
3. ファクタリング取引があっても消費税の納付義務そのものが消えるわけではない
1. ファクタリング取引の中で債権譲渡登記を行うとき
「債権譲渡登記」と呼ばれるものを行う際には課税対象となります。
これは債権を譲渡する際に債権者以外の第三者に対抗するための手続きで、具体的には債権がどのように譲渡されていたのかを公的に証明するために行うものです。
これにより現在の債権者が公的にわかり、第三者に二重譲渡することを防いでいます。
債権譲渡登記には一定の費用がかかり、その中で課税対象になる場合があります。
2. ファクタリング取引で司法書士を利用する場合の報酬
ファクタリング取引で司法書士を利用し、司法書士に報酬を支払う場合には消費税が課税されます。
ファクタリング取引で司法書士が介在するのは「債権譲渡登記」の時で、登記手続きなどは専門家である司法書士に基本的に任せることになりますが、そこで発生する報酬や交通費など課税対象になるので注意しましょう。
3. ファクタリング取引があっても消費税の納付義務そのものが消えるわけではない
ファクタリングそのものは原則非課税ですが、ファクタリングを行って売掛金を現金化した際に注意しておかないといけないのは、ファクタリングは非課税でもその現金の元になった売上げは課税対象であるということを忘れてはいけません。
売上に対しては、あくまで課税されているのです。そのことを忘れてファクタリングは非課税の事だけを頭に考えて払うべき税金の未納には注意しましょう。
知らないと思って消費税を請求する悪徳業者に注意しましょう
これまでファクタリングに関する取引は非課税であると紹介しました。
ところがファクタリング企業の中には悪徳な考えを持っている業者もいて、金融的な知識がないと判断すれば、「ファクタリング取引は課税対象なので消費税が発生します。当社ではその分についても一緒に請求します」と言って、本来の手数料とは別に請求してくる恐れがあります。
真っ当なファクタリング会社は消費税を要求することはしませんので、ファクタリング取引を始める前に「消費税が必要」というような業者であれば悪徳なので取引を控えましょう。
ファクタリングと消費税についての徹底解説のまとめ
ファクタリング取引において、消費税は原則としてかかりません。
国税庁による「有価証券の譲渡」という取引とみなされ、また実際の売上で発生している課税への影響がないことから非課税として扱われます。
ファクタリング会社との契約で支払われ得る手数料や保証料も非課税です。
ただし司法書士を使って債権譲渡登記する場合の司法書士の報酬は例外的に課税対象となっているので注意しましょう。
そのため、いざファクタリング会社と取引を開始する際に消費税を求める悪徳業者がいる場合があるので、消費税はかからないことを念頭に置いておけば、安心して取引ができるでしょう。