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特化型ファクタリングとは何か?建設業向けの選び方について解説
2024年5月27日
ファクタリングは法人が保有する売掛金を現金化するサービスのことです。
最短即日現金化できるサービスもあり、資金繰りを改善する方法として着目されています。
普及とともに、いろいろなサービスが出てくるようになりました。
その中の一つに、今回紹介する特化型のファクタリングがあります。
特定の業界の売掛債権を買い取るサービスのことです。
この特化型ファクタリングは、建設業向けと言われています。
建設業がなぜファクタリングに向いているのか、利用する際にはどこに依頼すれば良いかについて解説しましょう。
目次
業界特化型のファクタリングを解説
基本的にファクタリングは事業を営んでいる法人や個人事業主であれば、業種関係なく利用できます。
しかし近年出てきているのが、特定の業種を営んでいる法人に対して提供するサービスです。
業界特化型のファクタリングはその業種に精通しているのが特徴です。
そして業界事情に合わせて、資金繰りの問題を解決できるようなサービス内容になっています。
業界特化型のファクタリングには、主に以下のようなタイプが考えられます。
1.医療関係
2.運送業
3.建設業
それぞれどのような特徴を有しているのか、以下で詳しく見ていきましょう。
1.医療関係
医療関係の特化型とは、診療報酬や介護報酬、調剤報酬を売掛債権とした買取サービスのことです。
通常診療報酬は、保険組合に請求して回収します。
しかし通常は2〜3カ月先に現金化するので、それまでにキャッシュのなくなってしまう恐れがあります。
突発的な支出が必要になった場合、対処できないかもしれません。
たとえば医療機器が故障した場合、報酬が入ってくる2〜3カ月後まで待つというわけにはいきません。
そこで医療関連特化型のファクタリングを利用するわけです。
診療報酬を買い取ることで、必要な現金を提供するサービスです。
医療機関や介護施設は、絶え間ない設備投資は欠かせません。
環境改善を続けることで、患者が快適に利用できるようにしなければならないからです。
2.運送業
運送業への特化型サービスも少なくありません。
運送業は売掛金の回収まで、ほかの業種と比較して時間がかかるためです。
通常売掛金を回収するには1〜2カ月かかります。
一方運送業の場合、3カ月以上回収までに時間がかかるのも決して珍しくありません。
現金がなかなか入ってこないため、その間にキャッシュフローが悪化する恐れもあります。
また運送業の場合、売上が向上することで自分の首を絞める事態も想定できます。
本来売上が向上すれば、良いことと思うでしょう。
しかし売上が上がれば運送量も増えます。
運送量が増えれば車両を増やす必要がありますし、スタッフを新規雇用する必要も出てくるでしょう。
出ていくお金は増えますが、売上が実際に入ってくるのは何カ月も先のことです。
現金が手元になくなって、借入を増やし、その返済に苦しむ事態も想定されます。
そこでおすすめなのが、運送業特化型のファクタリングです。
手持ちの売掛債権を売却することで、通常よりも早く現金回収できます。
手元にキャッシュを残せるので、売上が増えて支出が増えても柔軟な対応ができるわけです。
3.建設業
建設業特化型ファクタリングサービスも数多くあります。
建設業も、売上から入金までに時間がかかるのは業界全体の課題と言えます。
着工してから入金されるまでに半年以上かかることもざらです。
すると受注が増えても、出ていくお金ばかりでなかなか入金されずに資金繰りに苦しむ法人も出てくるわけです。
もし資金繰りに苦しんでいるようであれば、建設業特化型のサービスを利用すると良いでしょう。
お手持ちの売掛債権を買い取ってもらうことで、より早く現金を確保できるからです。
建設業界を見てみると、いわゆる一人親方のような個人事業の形態を取っているところも少なくありません。
建設業向けファクタリングの中には、このような一人親方も対象で債権買取しているところもあります。
建設業の抱える課題とファクタリング
建設業に特化型のファクタリングはいろいろとあります。
建設業に特化してサービス提供できるのは、業界の抱えている課題と大きく関係しています。
なぜファクタリングが建設業界向きなのか、以下のような特性があるからです。
1.長期プロジェクトのものが多い
2.各種経費は立て替えになる
3.支払いまでの期間が長い
4.元請けの倒産リスク
なぜ上で紹介した特徴が、ファクタリングによる資金調達向きなのか、以下で解説します。
1.長期プロジェクトのものが多い
建設業は長期プロジェクトのものが多いので、資金繰りの厳しくなる恐れが出てきます。
建設業のプロジェクトを見ると早いものでも数カ月、数年単位になるものも少なくありません。
しかも入金は建設完了後からさらに1カ月かかることも珍しくありません。
そうなると半年のプロジェクトの場合、実際に入金があるのは7カ月後になってしまいます。
とくに中小法人や一人親方の場合、複数プロジェクトを同時並行で動かすのは厳しいでしょう。
すると大型のプロジェクトが決まれば、そこに注力しなければなりません。
そうなるとほかの案件は受注できずに、一時的に収入が途絶える可能性もあります。
入金が一定期間なくなれば経営状況は悪化しますし、最悪倒産もあり得ます。
そこでファクタリングの活用です。
売掛債権を保有していれば売却することで前もって現金を確保し、必要な支出に充てるわけです。
2.各種経費は立て替えになる
建設業では各種経費について前払いになります。
工事資材や人件費の支払いは前もって行わないといけないので、手元に十分な現金がないと資金ショートを起こしかねません。
また建築資材ですが、高騰状況にあると言われています。
世界情勢の変化や円安などさまざまな要因で物価高になっていると言われています。
実際、2022年の建設業倒産のうち10%超が物価高を要因にしたものと言われるほどです。
2022年の建設業倒産数は、直近2年間と比較して大幅に増加しました。
このように案件を受注したら、必要経費はまず立て替えなければなりません。
手元に資金がなければ、特化型ファクタリングの利用も検討しましょう。
建設業の事情にも明るいので、フレキシブルな対応が期待できるからです。
3.支払いまでの期間が長い
建設業の場合、工事の進捗状況に合わせて支払いがなされます。
しかも工事は完了するまでに少なくても数カ月かかりますし、数年かかる案件も少なくありません。
このため、実際に売上を現金にするためにはかなりの時間を要します。
その間キャッシュフローが悪化して、必要な経費の支払いが間に合わなくなる危険性もあります。
実際に売上の入金が発生するまでのつなぎ資金として、特化型のファクタリングを利用するのも一考です。
お手持ちの債権を売却し、入金までのやりくりの原資に利用するわけです。
4.元請けの倒産リスク
建設業の基本は、下請け構造にあります。
元請けがあって、下請けに孫請けと複数の業者が上下関係で構成されています。
この構造によって、支払い面で何かとトラブルが起こりやすいのです。
取引相手も下請けの場合も珍しくありません。
元請けの支払いが遅延していることで、孫請けはさらに入金が遅れる事態も考えられます。
さらに元請けが倒産した場合、入金が受けられなくなる可能性もあります。
すると下請けや孫請けも経営が厳しくなって、連鎖倒産に巻き込まれる可能性もゼロではありません。
そうならないために特化型のファクタリングを活用しましょう。
ファクタリングの場合、その多くが償還請求権の付いてこない契約だからです。
償還請求権とは、取引先の倒産で売掛債権回収がデフォルトになった場合、利用法人に請求できる権利のことです。
万が一取引先が倒産しても、未払債権の責任が発生しません。
責任を負う必要がなく、なおかつ早期に現金化できるサービスなので、利用しない手はありません。
建設業特化型ファクタリング選びのポイントについて解説
建設業者が資金繰りに困っているのなら、建設に特化したファクタリングの利用を検討しましょう。
サービスはいろいろとあるので、どれか一つに絞り込む際には以下のポイントで比較検討してみてください。
1.建設業における実績
2.信頼性の高さ
3.手数料
4.買取額の上限
5.現金化までのスピード
それぞれ具体的にどのような部分をチェックすれば良いのか紹介するので、利用時の参考にしてください。
1.建設業における実績
ファクタリング業者のこれまでの実績を確認しましょう。
とくに建設業に対する買取実績の多いところを選んでください。
建設業に関するノウハウが豊富で、業界ならではの事情にも精通していると考えられるからです。
建設業の審査通過率が長ければ、審査に通りやすいとも解釈できます。
審査難易度が高いと、それだけ現金を手にするのに手間取ってしまう恐れも出てきます。
2.信頼性の高さ
業者の信頼性も見逃せないポイントです。
ファクタリングは登場して間もない資金調達方法で、業界の整備がまだ進んでいません。
このため、一部悪徳業者も存在していると言われています。
そこで優良なサービスを提供している、信頼に足る業者か確認することは重要なポイントです。
業歴が長く、資本金が多く経営基盤の安定しているところは安心感があります。
また金融機関とパイプのある業者も信頼度は高いでしょう。
サービス内容に関する情報が明記されていることも条件の一つです。
買取可能額や手数料が掲載されているか、公式ホームページで確認してください。
3.手数料
手数料の低いところを利用すれば、お手持ちの売掛債権を効率的に現金化できます。
ファクタリングには業者と利用者の2社間とそこに売掛先の加わる3社間の2種類があります。
手数料の相場は2社間が10〜20%、3社間は1〜9%が相場です。
3社間の方が低いのは、業者が直接売掛先から債権を回収するからです。
2社間は利用者が回収して業者に支払う形を取ります。
利用者が売掛金回収して業者に支払わない可能性もあるので、高めの手数料設定になるわけです。
手数料を重視するなら、3社間の利用がおすすめです。
しかし3社間の場合、売掛先に通知して同意を得なければなりません。
ファクタリング利用を先方へ内緒にしたければ、2社間の利用も検討してください。
4.買取額の上限
建設業の場合、売上は高額になりがちです。
数億円単位の売掛債権を抱えることも決して珍しくありません。
そこで自分たちが持っている債権を全額現金化できるか、買取額の上限を確認しましょう。
建設業特化型のファクタリングはそのあたりの事情にも精通しているはずです。
数億円の多額の債権でも現金化できる業者も多いので、Webサイトなどで確認してください。
5.現金化までのスピード
申し込んでから審査結果が出て、入金されるまでのスピードも比較ポイントの一つです。
着工するにあたって、資材や人員をスピーディに確保することは建設業にとって欠かせない条件です。
そこで申し込んでから債権を現金化するまでスピーディな業者を利用してください。
建設業特化型ファクタリングの場合、注文書を必要書類にしているところも少なくありません。
従来の請求書ベースと比較して、審査手続きがスピーディなのでおすすめです。
建設業特化型ファクタリングのまとめ
建設業は入金されるまでに何カ月もかかることは決して珍しくありません。
その間の資金繰りに苦しんでいる法人代表者も少なくないでしょう。
建設業特化型のファクタリングは、業界事情に精通しています。
事情に即してサービス提供しているので、建設業者としては心強いでしょう。
手数料や現金化までのスピードなどを比較して、自分たちにとって最適な業者を見つけてみると良いでしょう。