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ファクタリングはどんな法人におすすめ?メリットデメリットについて解説
2025年1月28日
法人向けの資金調達方法として、にわかに注目を集めているのがファクタリングです。
お手持ちの売掛債権を譲渡して、早期に現金化する方法です。
ファクタリングは法人が資金調達でよく利用する銀行融資とは異なります。
ファクタリングにはメリットとデメリット、両面あるのでここで詳しく見ていきます。
メリットデメリット両面見て、どのような法人におすすめかについてもあわせて紹介するので参考にしてください。
ファクタリングの主なメリットについて紹介
日本でも近年、ファクタリングを使って資金調達する法人も増えてきています。
増加傾向にあるのは、いろいろなメリットが期待できるからです。
主要なメリットとして、以下のようなポイントが挙げられます。
1.スピーディに資金調達できる
2.借金にならない
3.取引先の経営状況の影響を受けない
4.銀行融資が受けられない法人でも利用可能
5.取引先に内緒で資金調達できる
6.黒字倒産を防止できる
なぜ以上で紹介したポイントがメリットになるのか、以下で詳しく紹介します。
1.スピーディに資金調達できる
ファクタリングはスピーディに現金化できるのが、大きなメリットです。
業者によって審査スピードは若干違いがあるものの、中には最短1〜2時間で入金してくれるようなところもあります。
即日振込が可能な業者は、少なからず見られます。
他の法人向け資金調達方法は、ここまでスピーディではありません。
ビジネスローンでも数日かかりますし、銀行融資になると1か月前後かかる場合も珍しくありません。
売掛金を回収するまで、数か月かかる業界もあるでしょう。
しかしその間、原材料の仕入れや設備導入などで出費がかさむ場合もあるはずです。
ファクタリングを利用すれば、売掛金の現金化を前倒しできるので支出に柔軟に対応できます。
2.借金にならない
ファクタリングのメリットとして、借金とは異なる点も見逃せないところです。
あくまでも売掛債権の譲渡であり、借入ではありません。
つまりファクタリングを利用しても、バランスシート上の負債にはならないわけです。
負債が増えなければ、信用状況にもマイナスの影響をもたらしません。
負債が多ければ、金融機関に融資をお願いする場合、どうしても低評価にされてしまいます。
結果的に思うような融資が受けられなくなるでしょう。
信用情報に不安があれば、取引先もビジネスの中止や縮小を検討するかもしれません。
このような悪影響を及ぼさないのもメリットの一つです。
また借金ではないので、銀行融資などにありがちな担保や保証人を用意する必要もありません。
この点もスピーディに資金調達できる理由につながります。
3.取引先の経営状況の影響を受けない
ファクタリングは、先々に回収予定のある売掛債権を譲渡して早期に現金化する方法です。
もし今後取引先が倒産するなど、債権回収できなかったとしてもその影響を受けないのはメリットです。
一般的にファクタリングの契約は、ノンリコースの形で行われます。
ノンリコースとは償還請求権のない契約です。
償還請求権とは、もしデフォルトになった場合、利用した法人がその代金の肩代わりをするよう請求する権利です。
償還請求権がないので、たとえ取引先から債権回収できなくても、その代金を支払うよう求められることはありません。
もし償還請求権ありの契約であれば、それは貸付と解釈できます。
ただしデフォルトの危険性の高い売掛債権は、審査の結果否認される可能性があることも留意しましょう。
より着実に審査通過するためには、確実に債権回収できる信用性の高い売掛金を準備しましょう。
4.銀行融資が受けられない法人でも利用可能
ファクタリングの審査では、申し込んだ法人ではなく売掛先の信用力が重視されます。
買い取った債権を回収できるかどうか、業者にとっては最重要課題だからです。
銀行融資のように法人の信用力を重視するような審査とは異なります。
つまり銀行融資では審査落ちした法人でも、ファクタリングなら資金調達できる可能性があるのもメリットです。
極端な話、赤字決算や税金滞納しているような銀行融資ではまず否決されるような法人でも利用できます。
信用力のある取引先の債権を持っていれば、問題なく活用できるのもメリットです。
5.取引先に内緒で資金調達できる
ファクタリングには2社間と3社間の取引モデルがあります。
2社間は利用法人と業者のみの取引で、売掛先は関わりません。
一方3社間は売掛先まで巻き込んだビジネスモデルです。
2社間のメリットとして、取引先に知られることなく譲渡できる点も見逃せません。
取引先によっては、ファクタリング利用にあまり良い印象を受けない可能性もあります。
「売掛金の現金化を前倒しするのはお金によほど困っているからでは?」と思う経営者も出てくるからです。
2社間であれば、売掛金は従来通り利用法人が回収します。
そのうえで業者に送金するので、取引先に知られることはありません。
6.黒字倒産を防止できる
黒字倒産を防止できるのも、ファクタリングのメリットの一つです。
黒字倒産とは会計上黒字になっていても入金がないことで、キャッシュフローが悪化し、倒産することです。
納品したら会計上は売上が発生するものの、実際の入金は先の話になります。
場合によっては数か月先の入金の可能性もあります。
するとその間の経費や運転資金のねん出ができなくなる可能性も出てくるでしょう。
ファクタリングを利用すれば、早期に現金化できるので当面の支払いに対応できます。
ファクタリングの主なデメリットについて紹介
ファクタリングにメリットのあることは、ここまで紹介した通りです。
しかし一方でデメリットのある点も留意して、活用する必要があります。
ファクタリングのデメリットとして、主に以下のポイントを頭に入れておくべきです。
1.手数料分が差し引かれる
2.売掛金の額面が上限額
3.一括払いのみ
4.取引先の信用状態で審査結果が出る
5.悪徳業者に騙されるリスク
それぞれ、具体的にどのような点がデメリットなのかについて、以下で解説します。
ファクタリング業者に申し込む前に、目を通しておくと良いでしょう。
1.手数料分が差し引かれる
ファクタリングのデメリットとして、手数料を差し引いた金額が支払われる点は無視できません。
手数料は業者によってまちまちですが、1〜30%といったところが相場と考えてください。
かなり幅があるように感じられますが、売掛債権の信用力などをベースに個別に設定されます。
この手数料は、他の法人向け資金調達手段と比較して高めです。
銀行融資が2〜8%、日本政策金融公庫の公的融資で0.1〜2.5%です。
ビジネスローンでも10〜15%なので、条件次第ではより高い手数料を負担する可能性はあります。
何度も繰り返し利用すると、本来もらえる報酬よりも少額の現金しか手に入りません。
長期的な視野に立てば、むしろキャッシュフローを悪化させかねません。
状況にあわせて、うまく活用するように心掛けてください。
2.売掛金の額面が上限額
ファクタリングのデメリットには、調達できる資金に制約がある点も留意しましょう。
売掛債権の額面が上限になるからです。
大口の債権を抱えていれば、まとまった資金が手に入るかもしれません。
しかし中小零細や個人事業主だと、小口債権がメインでしょう。
何十万や何百万円しか現金化できず、設備投資など多額の資金が必要なケースには不向きです。
大口の債権を持っていなければ、運転資金をねん出するために活用しましょう。
一方設備投資などまとまった資金が必要であれば、銀行融資をお願いするなど使い分けるのがおすすめです。
3.一括払いのみ
ファクタリングで売掛債権の買取をお願いする際、代金支払いは一括払いが原則です。
2社間の場合、売掛債権を回収したら業者に支払うのですが、こちらも一括になります。
銀行融資のように、分割で返済するのは認められていないのもデメリットです。
もし分割返済を認めている業者があれば、悪徳業者の可能性が出てきます。
分割返済はいわば売掛債権を担保にした融資と解釈できるからです。
貸金業の業務に当たり、もし貸金業登録していなければ違法業者になるわけです。
4.取引先の信用状態で審査結果が出る
ファクタリングの審査では、利用法人よりも売掛先法人の信用状態が重視されます。
利用法人の信用力が不十分でも、取引先に十分な信用力があれば審査通過できるのはメリットです。
しかしそのまったく逆のことも起こりうるのでデメリットにもなります。
つまり自社の信用力は十分でも、取引先が業績低迷している、赤字決算が続いている場合です。
売掛先の信用力が基準を満たさないために、買取を断られる可能性もあります。
もし複数の売掛債権を抱えているのであれば、より信用力の高い債権で手続きするのがおすすめです。
公的機関や大企業、老舗の会社などの売掛債権で申し込みましょう。
5.悪徳業者に騙されるリスク
ファクタリングは貸金業のように、まだ法整備が進んでいない業界です。
貸金業者のように登録制にもなっていません。
このため、悪徳業者が一部紛れている恐れもあるのもデメリットと言えます。
契約条件があいまい、法外な手数料を請求されるなどのトラブルに巻き込まれるかもしれません。
「審査なし」や「手数料0.1%〜」のようなあり得ないPRをしている業者は要注意です。
心配であれば、口コミなどを見ておおむね高評価の業者を利用するよう心掛けてください。
メリットデメリットから見るファクタリング向けの法人とは?
ここまでファクタリングの特徴について、メリットデメリットの両面から見てきました。
メリットデメリットを踏まえると、ファクタリングによる資金調達がおすすめの法人がいくつかあります。
1.売掛先の信用力が自分たちよりも高い
2.支払サイトが長い
3.年間通じて確保すべき運転資金が上下動する
4.急な出費で今すぐ現金が必要
なぜ上で紹介した特徴を持った法人にファクタリングがおすすめなのか、以下で紹介します。
1.売掛先の信用力が自分たちよりも高い
もし自社よりも取引先の信用力が高ければ、ファクタリングを利用するのがおすすめです。
自社で借入するよりも、有利な条件で資金調達できるからです。
大手企業や公的企業、業歴の長い老舗企業などが該当します。
また有名企業でなくても長期にわたって取引していて、これまで支払い遅延が起きたことのない法人も良いでしょう。
このような信頼性のある取引先を抱えているのであれば、ファクタリングを積極的に利用しましょう。
2.支払サイトが長い
売上の発生から実際に入金されるまでの支払サイトの長い取引先を抱えているところもおすすめです。
支払サイトが長ければ、それだけ入金が遅れ、その間にもいろいろな支払いをしなければならないでしょう。
結果的にキャッシュフローの悪化が起こり得ます。
一般的に支払サイトは1か月といったところが、全業種における相場です。
もし2か月以上かかるような場合、ファクタリングで資金繰りの改善を行ったほうが良いでしょう。
医療や建設、運送業界は一般的に支払サイトが長めと言われているのでファクタリングの利用を検討しましょう。
3.年間通じて確保すべき運転資金が上下動する
繁忙期と閑散期がはっきり分かれているような法人は、資金繰りの一時的な悪化を招きやすいと言えます。
繁忙期前は大量の仕入れを行う必要がありますし、臨時職員を雇う必要性も出てくるでしょう。
売上が入るまでに出ていくお金が大きくなるので、資金繰りが厳しくなるわけです。
そこでおすすめなのが、ファクタリングです。
現金化がまだ先の売掛債権を売却して、当面の支払いに充当できます。
4.急な出費で今すぐ現金が必要
法人運営していると、想定外の出費を強いられることもあるでしょう。
たとえば設備の故障で急遽交換や修理を強いられる場合は、業界関係なくあるはずです。
また燃料費が高騰して、以前よりも支出が急激に増えると資金が枯渇することもあるでしょう。
ファクタリングのメリットとして、入金までスピーディな点を紹介しました。
最短即日現金化できるような業者もあるので、想定外の出費で持ち合わせのない時には重宝します。
ファクタリングのメリットデメリットに関するまとめ
売掛債権を譲渡して現金化するファクタリングは、借金ではありません。
負債にならないので法人の信用情報にマイナスの影響がないのはメリットです。
また十分な信用のある売掛債権を持っていれば、法人の信用力に多少問題があっても利用できます。
一方で手数料を差し引かれるので、最終的には手に入る金額が減ってしまうのはデメリットです。
また悪徳業者が一部含まれているのも、懸念すべき点と言えます。
ここで紹介したおすすめの法人に当てはまるのであれば、資金調達の一環としてファクタリングを活用するのも一考です。