お知らせ

Message

「債権の二重譲渡」によるファクタリングは危険!バレる理由と高過ぎるリスクを解説

2023年6月21日

売掛債権の早期現金化を可能とするファクタリングは、特に売掛金の流動化ができず資金繰りの負担になっている企業にとって利用価値の高い資金調達方法です。
しかしファクタリングを利用する際には「債権の二重譲渡」は決して行ってはなりません。
本稿では債権の二重譲渡という行為の概要から、背負うことになってしまうリスクなどを解説させていただきます。
債権の二重譲渡は大切な会社に大きなダメージを与え、ご自身の人生を大きく狂わせかねない非常に危険な行為であることを、本稿を通し改めてご確認ください。

「債権の二重譲渡」とは?

「二重譲渡」とは1つしかない物を複数の相手に譲り渡すという意味になります。
ある債権を複数の企業に対して譲渡した場合、「債権の二重譲渡」が行われた状態となります。
売掛債権はサービスの提供や商品の納入などを済ました際に発生する、代金を受取る権利を指しますが、債権の二重譲渡が行われた場合、本来1社しか有せないはずの権利を複数の企業が持つこととなります。
しかし同一の債権を2社が保有することはできないため、正当な権利がどこにあるのかなどが問われ、権利を証明できなかった企業は大きな損害を受けかねません。

二重譲渡を行った場合「詐欺罪」に問われる

債権の二重譲渡は、言うまでもなく犯罪行為として扱われます。
二重譲渡は「詐欺罪」に該当しますが、二重譲渡が行われた状況などによっては「横領罪」に該当する可能性もあります。
犯罪行為を行えば刑罰を受けることになるだけでなく、会社経営に様々な悪影響を及ぼす確率が大幅に高まります。
ほんの出来心であったとしても、債権の二重譲渡を行ってしまえば罪に問われるということは、忘れてはならない事実です。

請求書の偽造による「架空請求」も違法

ファクタリングは売掛債権を売買契約により売却し、現金化する資金調達方法です。
利用するためには売掛債権を保有しておらねばならず、保有していることを証明するために「請求書」の提出が求められるのが一般的です。
もし請求書を偽造した場合、他人名義の書類ではないため偽造罪には問われませんが、架空の書類をファクタリングによる資金調達などに利用した際には詐欺罪が成立することになります。
状況次第では10年もの懲役刑が課されることになりかねませんので、請求書の偽造も絶対に行ってはなりません。

その他の提出書類の偽造も違法行為が成立する可能性が高い

請求書以外にも、ファクタリングの審査を受ける際には運転免許証など幾つかの書類提出が求められる可能性があります。
どのような書類を偽造したかによって、適応される罪名は変わりますが、「私文書偽造罪」や「私文書変造罪」、「公文書偽造罪」に問われてしまうことになります。
どの罪名であろうとも犯罪行為であることは同じです。
求められた書類が提出できない場合、違う書類で代用できる可能性もありますので、どんな理由があろうとも偽造はせず、申込先のファクタリング会社に相談してみることが大切です。

債権の二重譲渡がバレるシチュエーション

ファクタリング利用時に債権の二重譲渡を行った場合、バレないで済む可能性はほぼゼロです。
ファクタリングによって資金調達を行う際には審査があり、債権の代金が振り込まれることで取引終了となります。
このような申込みから取引終了までの流れの中で、必ず債権の二重譲渡は気づかれます。ここからは二重譲渡が発覚するポイントともなる、2つのシチュエーションについて解説させていただきます。

債権の登記情報を確認されるから

ファクタリングの審査では、買取対象となる債権に関してのリスクを調査されます。
そのリスクの1つとして債権の二重譲渡は意識されており、ファクタリングの申込みを行った企業が本当に債権者であるかを登記情報で確認することも珍しくはありません。
また申込先によってはファクタリングを利用する際に債権譲渡登記が必要になることがあり、登記を行い権利がファクタリング会社に移動していれば、確実にバレてしまいます。

決済が行われないから

債権譲渡登記は3社間ファクタリング利用時は不要であることが多く、2社間ファクタリングでも登記の留保が可能な場所も存在しています。
しかしもし登記情報でバレないとしても、期日を過ぎても債権の代金をファクタリング会社が受け取れない場合には、債権の二重譲渡が疑われることになります。
最初から詐欺を目的として二重譲渡を行い、決済日までに姿を消したとしても、違法行為が発覚した時点で逃げ切れる可能性はなく、間違いなく罪に問われることは避けられません。

債権の二重譲渡が発覚した際に発生するリスク

登記情報や債権代金の支払トラブルによって債権の二重譲渡が発覚した際には、違法行為に対して大きな代償を支払うことになってしまいます。
そのリスクの大きさは、二重譲渡を行って一時的に得た現金と引き換えにするには大き過ぎるモノばかりです。
もし会社経営が危機的な状況であったとしても、二重譲渡を行うことにメリットはありません。

損害賠償請求が行われる

債権の二重譲渡が発覚した際には、詐欺による債権売却で得た現金をファクタリング会社に返すだけで済む可能性は非常に低いと言わざるを得ません。
現実的には被害にあったファクタリング会社から損害賠償請求が行われ、訴訟を起こす際の費用や実務を行う上で発生した経費なども上乗せされることが考えられます。
詐欺の対象となった被害企業の数や債権の額などによっては多額の請求となる可能性もあり、想像以上の請求が行われても何ら不思議はないのです。

自己破産に陥る可能性

大きな額の損害賠償請求が行われてしまった場合、支払うことができず自己破産に陥ることになりかねません。
さらに法を犯したことによって発生した支払いは、自己破産の理由として認められない可能性があり、申請しても支払いの免除が受けられない危険があります。
賠償金を支払うことができれば業務を再開することも不可能ではありませんが、債権の二重譲渡によってファクタリング会社に与えた損害に対しての賠償請求が、少額で済む期待はあまりできません。
実際には詐欺を行ってまで現金を得なければならない状況にあった企業にとって、立て直しは非常に厳しい道となるはずです。

社会的信用を失う

債権の二重譲渡によって詐欺罪を犯した企業は、社会的な信用を失ってしまうことは避けられません。
企業にとって大切な社会的信用を失墜させてしまった場合、信用を取り戻すのは容易ではありません。
特に現代では様々な情報がインターネット上で長期に渡って保存されてしまい、誰もが簡単に閲覧できる状況となります。
ふとしたタイミングで過去のトラブルが暴露されてしまうというリスクも存在し続けることになり、再びコツコツと信用を積み重ねられたとしても、一瞬でそれを失う危険を背負い続けることにもなります。

取引先や金融機関との関係が悪化する

長く取引を続けてきた相手先であっても、債権の二重譲渡によって詐欺罪の対象となった企業に対して引き続き取引を続けようとは考えてもらえる可能性は低く、新規の取引先を見つけるのも簡単なことではなくなります。
また資金調達のために金融機関へ融資を申込んだとしても審査に悪影響が出てしまっても何ら不思議はありません。
取引先を失い資金調達の選択肢も狭くなってしまっては運転資金の確保も難しくなり、経営が立ち行かなくなる未来が容易に想像できてしまうはずです。

初犯でも懲役刑が科される可能性が低くはない

債権の二重譲渡を行ない詐欺罪に問われた場合、懲役刑が課され最大10年の懲役となる可能性があります。
さらに状況によっては横領罪にも問われることもあり、詐欺罪と横領罪どちらにも該当してしまうかも知れません。
法を犯しても初犯の場合は実刑とならないことも少なくはありませんが、詐欺罪と横領罪の両方となった場合には実刑となり懲役刑が科される確率を大幅に高めてしまうことにもなります。
科される罰の重さで判断すべきではないものの、詐欺罪や横領罪は決して軽い罪ではないということも理解しておく必要があります。

会社経営そのものが不可能となる

ファクタリング会社に対して債権の二重譲渡を行ない経営者の方が実刑判決を受けてしまうと、その期間は会社経営に携わることができなくなってしまいます。
後を継いだ経営者に任せることは可能ではあるものの、債権の二重譲渡によって経営者が逮捕された企業の経営を続けるのは非常に難しいと言わざるを得ません。
債権の二重譲渡が自分の会社を立て直すために行った行為だとしても、結果として自分自身の大切な会社を失い、従業員に大きな負担をかけることになるかも知れないのです。

『「債権の二重譲渡」によるファクタリングは危険!』まとめ

・複数のファクタリング会社で同一の債権を売却する「債権の二重譲渡」は、詐欺罪に該当する行為
・登記の確認や債権代金の支払い遅延によって、債権の二重譲渡は必ずバレる
・債権の二重譲渡が発覚した場合には、賠償請求や実刑判決を受ける可能性があり、会社経営が立ち行かなくなる危険が非常に高まる

債権の二重譲渡を行ないファクタリング会社を騙して現金を得たとしても、バレずに済む可能性はありません。
違法行為が発覚した後には、賠償請求を含め経営者だけでなく大切な会社自体も大きなダメージを受けることは避けられません。
例え会社を守るためであっても債権の二重譲渡を行ってはならず、正しくファクタリングを利用するなどして健全な方法で経営の立て直しを目指すことが、企業経営者には求められます。

その他「コラム」記事

   ©2021 即日オンラインファクタリング「SoKuMo」, Inc.