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ファクタリング業界に「横の繋がり」は存在する?情報共有・乗換などについても解説
2023年9月19日
多くの業界で「横の繋がり」は存在しており、その繋がりを活かして状況共有などが行われています。
特に金融機関は横の繋がりが強いと言われており、同様に事業者向けの資金調達方法の選択肢であるファクタリングも、会社同士の繋がりが強いと思われているかも知れません。
本稿では「ファクタリング業界の横の繋がり」について、存在の有無やメリット・注意点などについて解説させていただきます。
ファクタリング会社の横の繋がりについて不安を感じている方も、この記事を読めば安心して利用していただけるはずです。
目次
結論「ファクタリング業界に横の繋がりは存在しない」
結論からお伝えさせていただくと、「ファクタリング会社間の横の繋がりは存在しない」となります。
ファクタリングと同様に事業者向け資金調達方法である融資の場合は横の繋がりが強く、ファクタリング業界では繋がりが存在しないのには、それぞれの資金調達方法としての仕組みの違いなどが大きく影響しています。
まずは金融機関とファクタリング、それぞれの横の繋がりについて解説させていただきます。
金融機関の「横の繋がり」が強い理由
銀行など、主に融資による資金調達を希望する場合に利用することになる金融機関では、貸付を行う相手となる企業の情報を詳細に確認します。
経営状況や計画を含めた返済能力が審査で重要視されますが、これは返済が不可能になる「貸し倒れ」のリスクに対して敏感にならざるを得ないからです。
金融機関同士の横の繋がりが強いのも、「貸し倒れ」に対するリスク対策という面が大きく影響しているのは間違いありません。
連鎖的に被害が発生する危険が存在しているから
融資による資金調達を行っている企業は、メインバンクを中心に大小複数の金融機関から借り入れを行っていることが多く、借入先が一社ということはあまりありません。
もし借り入れを行っている企業が、複数ある借入先の1つに対して支払いが滞ってしまった場合、資金繰りは段々と難しくなり、他の金融機関に対しての返済も難しくなる危険性は大きく高まります。
このリスクを抑えるためには金融機関同士の情報共有が非常に有効であり、金融機関は自社を守るためにも積極的に繋がりを持ち情報を得ているのです。
信用情報機関の存在
金融機関の大半は情報信用機関に加盟しており、申込情報や返済状況などの情報が簡単に共有できます。
日本国内での信用情報機関は「CIC・JICC・KSC」の3つがあり、「CIC・JICC」の2社は内閣総理大臣からの指定を受けた指定信用情報機関です。
中でもJICC(日本信用情報機構)では法人の信用情報も取り扱っており、法人に関する情報も比較的容易に手に入れることができるのです。
これらの情報は加盟している金融機関からの提供が主であり、金融機関同士の情報共有面での横の繋がりを容易にしている大きな要素となっています。
ファクタリング業界に「横の繋がり」が不要な理由
売掛債権を買取り現金化するファクタリングでは、ファクタリング会社同士の横の繋がりはほぼありません。
それは審査で債権買取を希望する企業の情報が、それほど重要ではないことが主な理由となります。
またファクタリング会社同士は競合関係にあるため、横の繋がりを強め状況共有を行うことにメリットを感じにくいことも、繋がりを不要とする一因となります。
利用者が決済を行わないから
ファクタリングの審査では「売掛先の信用力」が問われます。
信用力の高さは経営状況だけでなく、過去の取引頻度や支払いに関するトラブルの有無などの情報を元に総合的に判断されます。
そして決済に直接関与しない、ファクタリングの利用を希望する企業の情報は審査に大きく影響しません。
そのためファクタリング会社同士で情報を共有する必要性が低くなり、横の繋がりも不要となるのです。
独自性の高い審査基準が特徴だから
もし横の繋がりにより利用者の情報共有が行えたとしても、ファクタリングは申込先によって審査基準が大きく異なることが特徴であるため、情報を活かせるとは限りません。
実際に他社で利用を断られた企業が、審査基準の違いにより他のファクタリング会社では利用できたということも、それほど珍しくはないのです。
情報の共有がデメリットになる可能性があるから
企業間の横の繋がりが強まれば、顧客だけでなくファクタリング会社の情報も他社にある程度知られることになります。
融資の場合はお互いが貸し倒れのリスクを低下したいという思惑があります。
しかしファクタリングにおいては、横の繋がりが競合他社に手の内をさらすことに繋がりかねないのです。
情報の共有によるメリットが小さいだけでなくデメリットになる可能性もあるとなれば、ファクタリング会社同士が横の繋がりを持ちたくないと思うのも自然と考えられます。
ファクタリング業界に「横の繋がりがない」メリットと注意点
金融関係と違いファクタリング業界に「横の繋がりがない」のは、状況次第では利用者にとってメリットにもなる期待があります。
しかし横の繋がりが存在しないとは言え、気をつけていただきたい注意点も存在しています。
それら横の繋がりがないことで得られるメリットと注意点を正しく理解していただくことも、ファクタリングをより活用するためのポイントの1つとなります。
他社で審査落ちしていても影響がない
融資で審査落ちをした場合、その結果は信用情報機関に登録される可能性があります。
審査落ちした原因にもよりますが、共有された情報の内容次第では他の金融機関に申込を行った際にも影響を与えかねません。
一定の期間が空けば記録は消去されますが、ある金融機関での審査結果が他の場所での融資の受けやすさに影響するという可能性は否定できないのです。
対してファクタリングの場合は横の繋がりが薄いため、審査落ち直後に他のファクタリング会社に申し込んだとしても悪影響はありません。
もちろん期待した結果が得られなかった原因を考慮し、できるだけの対処をした上で申込むことが大切です。
しかし一度、審査落ちしたとしてもチャンスが残るのは、大きなメリットとなるはずです。
「乗換」を行いやすい
ファクタリングを利用する際の注意点の1つが「手数料」です。
手数料は審査によって決定されますが上限を定めた法律などが存在しないため、高額な手数料が請求される可能性が全くないとは言えません。
しかし、もちろん納得できない額が提示された場合は、他者への乗換を行っていただいて問題ありません。
また乗換を行う際にも、ファクタリング業界は横の繋がりが存在していないため、何か自社にとって不利な情報を共有されるという心配は無用です。
乗換が行いやすければ、自社に相性の良いファクタリング会社を見つけやすいということにも繋がるはずです。
乗換を行うメリットと注意点
競合他社からの乗換はファクタリング会社にとって歓迎すべきことであり、他社利用時よりも手数料などが優遇される期待が高くなります。
しかしファクタリングは同じ申込先を継続利用するほど手数料が低くなりやすく、審査が早く終わる期待も向上します。
そのため納得できない対応や買取条件を提示してくるファクタリング会社からは早めに乗換を行い、ある程度満足できる場所であれば継続利用をするなどの判断が求められます。
逆に特に不満はないが債権売却の度に乗換を行うのは、デメリットはなくとも得をできるチャンスを逃しているかも知れませんので少しご注意ください。
債権の二重譲渡などの不正は必ずバレる
ファクタリング会社間での繋がりがなければ、同一の債権を複数箇所に譲渡(売却)する「債権の二重譲渡」を行ってもバレにくいと考えてしまうかも知れません。
しかしその誘惑は非常に危険であり、債権の二重譲渡などの不正行為は必ずバレます。
例えば債権に関する登記情報を確認された時に知られる可能性があり、決済日になれば支払いに関してのトラブルが発生することは避けられません。
債権の二重譲渡は詐欺罪に該当し、横領罪が適用される可能性もあります。
損害賠償など金銭面だけでなく、社会的信用も大きく失いかねませんので、横の繋がりがないからと安易な行動に出るのは絶対に避けるべきです。
悪質業者に注意
資金調達方法としての利用価値の高さが認知されつつあることで、ファクタリングを利用する企業も増加傾向にあります。
しかし現状では融資ほど一般的な資金調達方法でないこともあり、ごく稀にですがファクタリングを装った違法貸付を行う悪質業者からの被害が発生しています。
横の繋がりが存在せず競合相手となるファクタリング業界では、利用者は資金調達先を自分で見つけ安全性を確認しなくてはなりません。
手数料の額が納得できる範囲に収まっているかや、契約内容が貸付に該当しないかなど、慎重に判断した上で債権売却の契約を結ぶことが大切です。
『ファクタリング業界に「横の繋がり」は存在する?』まとめ
・金融機関の横の繋がりは強く、ファクタリング業界での横の繋がりは存在しない
・ファクタリング業界では、競合他社との横の繋がりにより情報共有を行うメリットは薄い
・横の繋がりが存在しないことで、審査落ち後も他社へ申込みやすく乗換も行いやすい
金融機関は横の繋がりが強く、審査落ちの情報などは高い確率で共有されます。
しかしファクタリング業界では競合他社との情報共有を行っても、各社審査基準が異なることなどが影響しメリットは薄くなるため、基本的に横の繋がりは存在しません。
またファクタリングは横の繋がりが存在しないため、審査落ち直後であっても原因を考慮し対処した上で他社へ申込みを行えば、審査通過できる可能性は高まります。
ファクタリングは「横の繋がり」の悪影響を心配する必要はなく、ルールを守り安全性を確認していただければ安心して利用していただける資金調達方法です。