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「審査なし」でファクタリングは利用可能?審査の役割やリスクも解説
2024年4月29日
※審査なしでファクタリングを利用することはできません。
審査なしでファクタリングを利用できるとか言っているファクタリング会社があればファクタリング会社を装っている闇金の可能性を疑ってください。
この記事では
・審査なしでファクタリングが使えない理由
・ファクタリング審査の重要ポイント
について解説します。
ファクタリングは、中小企業や個人事業主など融資の審査通過が難しいと言われる事業者も利用しやすい資金調達方法です。
しかし債権を現金化するには審査を受ける必要があり、必ず通過できるわけではありません。
審査に関して不安を感じる経営者様は「審査なし」で利用できる場所をお探しかも知れませんが、たとえ「審査なし」で債権を売却できる場所があっても安易に手続きを開始するのはおすすめできません。
本稿ではファクタリングにおける審査の役割から、「審査なし」のファクタリング会社へ申込むリスクなどを解説させていただきます。
目次
ファクタリングは原則「審査なし」での利用はできない
まず、「審査なし」でファクタリングを利用することは原則できません。
ファクタリングは融資とは違い返済能力は問われないものの、だからと言って買取申込を行った債権全てを買い取ることはできないのです。
ファクタリング会社が「審査なし」で債権を買い取らないのには、これからご紹介する2つの大きな理由があります。
その理由を知ることで「審査なし」で債権を現金化するのは現実的ではないと納得していただけるはずです。
ファクタリング会社にとってのリスクが高過ぎるから
ファクタリングによって現金化が行われるのは、売掛債権の中でも信用力を重視した取引で発生する「売掛金」です。
売掛金は法的な強制力が強い受取手形とは違い、公的な証書などは発行されません。
受取手形よりも発行の難易度が格段に低いため、現在多くの取引は売掛金によって行われていますが、債権の回収が不可能となるリスクが受取手形より高いのも確かです。
「審査なし」で売掛金を買い取るということは、そのリスクの高さを考慮しないという意味にもなります。
ファクタリング会社は債権回収が不可能になる大きなリスクを背負うことになりかねないため、「審査なし」での債権買取は現実的には不可能なのです。
妥当性の高い手数料が提示できないから
融資と違い利息が発生せず負債額の増加に繋がらないのも、ファクタリングを利用する大きなメリットです。
しかし債権の現金化を行うためには「手数料」の支払いが必須となります。
手数料は売掛先の情報などを中心とした審査によって決定されますが、「審査なし」となれば手数料を決定する根拠がなくなってしまいます。
ファクタリング会社側としては買取リスクの高い債権は手数料を高めに設定したいところですが、手数料が高いと判断されてしまうと利用者の満足度を低下させかねません。
債権を売却したいと考えている企業が納得できる妥当性の高い手数料を提示すべきですが、「審査なし」となればその判断ができなくなってしまうのです。
「審査なし」が実現可能な場合に考えられるリスク
もしインターネットでの検索などで「審査なし」で利用可能なファクタリング会社が見つかったとしても、手続きを開始するのは一旦踏みとどまってください。
原則必要なはずの審査が「審査なし」で利用できるとすれば、その理由があると考えるべきです。
場合によっては資金調達を行ったつもりが、資金繰りをより悪化させることにもなりかねません。
これからご紹介する「審査なし」のファクタリング会社を利用した場合のリスクを理解していただき、「審査なし」ではないとしても安全に債権を現金化できる場所をお選びください。
高額な手数料が請求される
ファクタリングに必要な手数料を決定する大きな要素は「債権回収に関するリスクの高さ」です。
「審査なし」によってリスクの高さが判断できないとなれば、高額な手数料請求を行うことでリスクに備えようとしてくる可能性があります。
ファクタリングの手数料相場は「2%から30%」と言われていますが、融資における利息制限法のような手数料を規制する法律は現状存在していません。
つまり高額な手数料を請求したとしても、それだけで違法とは言えないのです。
「審査なし」で利用できたとしても、高額な手数料が請求されてしまうと希望額の資金調達が行えず、資金繰りの悪化を進めてしまう危険性を高めかねません。
担保や保証人が必要になる
「審査なし」の場合には、高額な手数料以外にも担保や保証人を設定することで、債権回収ができなかった際の対応策とすることも考えられます。
ただし担保や保証人が必要となった場合には「債権の買取」ではなく「貸付」に該当すると判断されることになります。
一般的にファクタリングは融資ではない資金調達方法と認識されており、貸付に該当する契約内容となれば一般的なファクタリングとは呼べなくなります。
貸付に該当する場合は、「審査なし」で資金調達に成功できたとしても負債額を増加させてしまい、ファクタリングの大きなメリットを失ってしまいます。
担保を失ったり保証人に迷惑をかけたりしてしまうリスクだけでなく、「貸付に該当する」ということで発生するリスクへの考慮も必要です。
「償還請求権あり」での契約になる
日本国内で行われているファクタリングによる債権買取は、「償還請求権なし」での契約が原則です。
償還請求権なし(ノンリコース)であれば、売掛先が倒産したとしても債権の買戻しなどが求められることがなく、倒産リスクの回避にも役立ちます。
ですが「審査なし」で利用できるファクタリング会社は「償還請求権あり」を契約条件に含め、債権の回収ができなかった際には買戻しを求めてくるかも知れません。
償還請求権がある契約も貸付に該当することになり、「審査なし」というメリット以上のデメリットが発生してしまう危険性が高まります。
「審査なし」のファクタリングは違法貸付の可能性大
ファクタリングが「審査なし」で利用できたとしても、貸付に該当する場合には「闇金融」である可能性を疑うべきかも知れません。
貸付に該当する行為は貸金業登録などを行い、認可されている事業者でなければ行うことはできません。
しかし「ファクタリングを装った貸付」は、貸金業登録を行っていない闇金融による「違法貸付」の危険が否定できません。
契約内容に関して何か疑問を感じた場合には、本当に利用して問題ないかを慎重に判断しなくてはなりません。
ファクタリングにおける審査の重要ポイント
「審査なし」でファクタリングを利用することは原則できず、もしできたとしても大きなリスクを背負うことになりかねません。
そもそもファクタリングは融資とは違う審査基準によって、融資の審査に通過することができなかった企業も資金調達に成功できる期待が低くはありません。
ファクタリングの審査における重要ポイントを理解し対策することができれば、「審査なし」での利用は無理でも多くの企業にとって、審査通過は難しいことではなくなります。
売掛先の信用情報や経営状況
ファクタリングの審査での最重要ポイントは「売掛先の信用力」です。
売掛先が大企業や公的機関であれば、債権の支払いが滞るリスクはほぼゼロと判断できます。
また規模は大きくなくとも、堅実な経営を行っており過去の金融事故がないなど、企業としての信用度が高ければ審査に通過できる期待は高くなります。
取引頻度や支払いの遅延
申込後などには必要書類の1つとして、「売掛先との取引に使用している金融機関口座の通帳コピー」の提出が求められます。
通帳のコピーを確認することで、売掛先との取引頻度や債権の支払期日に遅れてしまったことがないかをチェックすることができます。
支払いの遅延がないことも重要ですが、定期的な取引がある企業は信頼性が高いと考えることができ、審査で高い評価を得られやすくなるのです。
債権の額面や決済日までの残り日数
高額な売掛債権は債権回収が不可能になった際の被害が大きくなり、少額債権は買取手続きの手間に対して売上が小さくなりやすいため、どちらも買取が歓迎されない可能性があります。
また会社規模に見合わない額の債権も審査通過を難しくする要因となりかねません。
基本的には、各ファクタリング会社が公式サイトなどに記載している買取可能範囲内の額であれば問題ありませんので、サイト情報の確認や問い合わせを行ってみることをおすすめします。
また決済日までの残り日数が長い場合も、審査に影響する可能性が考えられます。
しかし申込先によって判断基準は異なるものの、支払いサイトが60日以内であれば特に問題にはならないはずです。
ファクタリングを申込んだ企業の信頼性
売掛先の信用力が審査で重要視されるファクタリングでは、買取申込を行った企業が赤字経営などであっても影響はあまりありません。
しかし売掛先への通知が不要な2社間ファクタリングの場合は、決済日に売掛先から支払われた現金を横領することがないかなどの信頼性を問われることになります。
よほど横柄な態度を見せてしまったり手続きでの不手際が続いたりしない限りは大丈夫なはずですが、取引を行う上で問題のない行動を心がけることが大切です。
審査通過の可能性を高めるポイント
・公的な機関や大企業
・過去の取引実績が複数あり、支払いを遅らせたことがない
上記した条件に該当する取引先からの債権であれば、審査通過は難しくなくなり、低い手数料など好条件での買取も期待できるようになります。
もちろん取引先が上記に当てはまらないとしても審査通過できないというわけではなく、安定して誠実な経営を売掛先が行ってさえいれば、資金調達に成功できる期待は十分にあります。
『「審査なし」でファクタリングは利用可能?』まとめ
・「審査なし」でファクタリングを利用することは、買取リスクの高さなどから原則的に不可能
・もし「審査なし」で利用できるファクタリング会社があったとしても、悪質ファクタリリング会社である可能性があり、大きな被害を受けてしまう危険が高い
・信用力の高い売掛先の債権を選べば、審査通過は決して難しくはない
ファクタリングによる資金調達を「審査なし」で利用することは原則できません。
「審査なし」で債権買取が行えるとすれば、高額手数料など大きなデメリットが発生する危険が高く、資金調達の成功どころか会社経営において大きなダメージを受けかねません。
しかし中小企業や個人事業主も審査通過しやすいと言われるファクタリングならば、売却する債権選びなど、きちんと準備を行い申込むことで資金調達の成功は難しくなくなります。