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給与ファクタリングは危険|給与ファクタリングの違法性と逮捕事例を解説!

2024年1月12日

近年SNSを中心に話題になっている給与ファクタリング。

本稿ではその給与ファクタリングについて詳しく解説していきます。

よく聞くけどどんなものかはわからない、そんな方はぜひ最後までお読みください。

支払期日前の売掛債権を買い取ってもらうことで、売掛金の早期現金化ができるファクタリング。

利用者の信用情報に関係なく、いわゆる「ブラック」でも利用できるという利用ハードルの低さから、近年利用者が増加傾向にあります。

そんなファクタリングを個人向けに応用した「給与ファクタリング」と呼ばれるサービスがあります。

給料日前に現金を受け取ることができるためとても魅力的なサービスですが、実は違法行為にあたる可能性があるかもしれません。

この記事では、

  • 給与ファクタリングの仕組み
  • 給与ファクタリングの法的見解と違法性
  • 給与ファクタリングの逮捕事例

を解説します。

給与ファクタリングは法に触れる可能性が非常に高いため、その仕組みと注意点をしっかり理解していきましょう。

給与ファクタリングとは

そもそもファクタリングとは、中小企業や個人事業主の「借りない」資金調達手段として開発されたものです。

中小企業や個人事業主が抱える売掛債権を、ファクタリング会社に買い取ってもらうことで、売掛金から手数料を差し引いた額の早期現金化ができるというサービス。

「もともと支払われる予定の債権の売買契約」であるため、貸付にあたらず信用情報を傷つけることなく資金調達ができるという特徴があります。

また、「売掛金がきちんと回収できるか」が審査で最重要視されるため、利用者に金銭的問題(赤字経営や税金滞納)があっても利用可能という利用ハードルの低さも特徴的。

給与ファクタリングは、上記のようなファクタリングの仕組みを個人の資金調達に応用したものです。

つまり「将来の賃金債権(=給料)を買い取ってもらい、給料日前に給料の現金化をする」サービスとなります。

給与ファクタリングの仕組み

給与ファクタリングの仕組みは、通常の2社間ファクタリングと同様です。

  1. 賃金債権をファクタリング会社に売却
  2. ファクタリング会社から手数料を差し引かれた金額が利用者に支払われる
  3. 給料日に入金された給料を全額ファクタリング会社へ支払う

2社間ファクタリングと同じ仕組みであるため、ファクタリングを利用したことが勤務先に知られることはありません。

金融ブラック等があっても利用できるため、魅力的なサービスに思えるかもしれませんが、違法性が高く危険な取引であるため、利用しないことをおすすめします。

以下に給与ファクタリングの違法性を解説していきましょう。

給与ファクタリングの法的見解

給与ファクタリングは、勤務先から受け取る給料という債権をファクタリング会社に買い取ってもらうサービスです。

通常の売掛債権の買取ファクタリングは、法的にも認められているサービスですが、個人が行う給与ファクタリングは法に触れる恐れがあります。

給与ファクタリングの違法性について、労働基準法と貸金業法、双方の視点から見ていきましょう。

労働基準法から見た給料ファクタリング

労働基準法24条では「直接払いの原則」が定められており、給料は雇用主から労働者に対して直接支払わなければならないことになっています。

そのため、裁判を経た上で給与債権の差し押さえを行わない限り、ファクタリング会社が勤務先から直接給料を回収することは認められません。

つまり給与「ファクタリング」と謳っていても、その実質は「給料日を返済日とする短期の借金=貸付」とみなされるのです。

実際、金融庁の見解としても「給与ファクタリングは貸付業に該当する」と発表しています。

(参考:金融庁ウェブサイト「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」

貸金業法から見た給料ファクタリング

上記の説明から給与ファクタリングは、実質的に「貸付」と同等という解釈となるため、貸金業法も関与してきます。

貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者からの借入についての法律であり、以下の内容が定められています。

  • 総量規制(借りすぎ・貸しすぎの防止)

-借入残高が年収の1/3を超える場合、新規の借入ができない

-総額100万円を超える借入の際「年収を証明する書類」が必要

  • 上限金利の引き下げ(利息制限法)

-借入額が10万円未満の場合:上限利率20.0%

-借入額が10万円~100万円未満:上限利率18.0%

-借入額が100万円以上:上限利率15.0%

  • 貸金業者に対する規制の強化

-貸金業務取扱主任者を営業所に置く

貸金業者は「貸金業登録」を行う必要がある

給与ファクタリングは「貸付業」に該当するため、貸金業法で定められたルールを守らなければなりません。

つまり、給与ファクタリングを提供する業者は「貸金業登録」をしたり、「利息制限法」の上限範囲内の手数料設定をする必要があります。

違法性が高い給与ファクタリング

違法性が高い給与ファクタリングですが、給与ファクタリング全例が違法に該当するというわけではありません。

以下の2つが該当する場合、違法行為となるため注意が必要です。

貸金業登録がされていない

給与ファクタリングは、貸金業者にあたります。

貸金業者であるため、給与ファクタリングを提供するには「貸金業登録」を受けなければならず、無登録の給与ファクタリングは違法行為。

貸金業登録を行っていれば「○○財務局長(1)第00000号」や「○○県知事(1)第00000号」のような表記を公式ホームページ内に記載し「貸金業登録をしていますよ」というアピールをしていることでしょう。

ホームページ内に上記の様な表記がない場合は、貸金業登録をせずに給与ファクタリングを提供している可能性が高いため、注意が必要です。

高金利で契約を結んでいる

通常の買取ファクタリングの場合は「買取契約」であり、利息制限法の適用外となります。

そのため、手数料1%~30%(金利換算:12%~360%)と高金利の設定でも問題はありません。

しかし、給与ファクタリングは貸金業であるため「利息制限法」が適用されます。

  • 貸付金額が10万円未満:利息上限20%
  • 貸付金額が10万円~100万円未満:利息上限18%
  • 貸付金額が100万円以上:利息上限15%

上記が法律で定められているため、これを超える金利設定をしている場合は違法となります。

通常のファクタリングの様に、給料に対してファクタリング手数料を20%で設定しているとしましょう。

給料20万円の人が、給料日7日前に給与ファクタリングを利用した場合・・・

給与債権20万円✕手数料20%=4万円 が手数料となります。

これを年利換算すると、年利1200%にもなってしまうのです。

このように、利息制限法を超えた法外な手数料を請求するのは違法行為となるため要注意。

給料ファクタリングの逮捕事例

違法な給与ファクタリングで、実際に摘発された事例を紹介します。

いずれの事例も「貸金業登録をせず」「利息制限法の上限金利を超えた手数料設定」をしているというものでした。

事例1|全国初の摘発事例

全国初の摘発は2020年7月、大阪府で起こった事例。

2020年3月~6月に、貸金業登録をせずに給与ファクタリングと称して貸付を行った容疑で、関係男女4名が逮捕されました。

貸金に該当する方法で利用者に現金を渡し、年利計算630~1620%にもなる法定上限を大幅に超える手数料を受け取っていました。

(参考:給与ファクタリング 大阪府警が全国初摘発

事例2|東京都の摘発事例

2021年1月には、東京都で給与ファクタリングを謳い、高金利で貸付をした疑いで7人が逮捕されました。

貸金業登録を済ませていない状態で、年利計算600%を超える金利で貸付を行っていました。

(参考:「給与ファクタリング」社長逮捕 高利貸し付け、13億円利益か―警視庁

給与ファクタリングは利用しないこと

「貸金業登録をしていて」「利息制限法で定められた範囲内の手数料設定をしている」場合は、違法には該当しません。

しかし、給与ファクタリングを提供している業者の多くが「貸金業登録をしていない」、いわゆるヤミ金業者となります。

ヤミ金業者は「ファクタリングは違法でない行為」「金融ブラックでも利用できる」などと、甘い言葉で契約を誘ってくるでしょう。

いざ契約すると、法外な手数料を請求してきたり、厳しい取り立てをしてきたり、悪質業者からの勧誘が増えたりする可能性が。

給与ファクタリングと関わることで、上記のようなリスクが生じやすくなるため、利用しないことをおすすめします。

給与ファクタリングは危険|給与ファクタリングの違法性と逮捕事例を解説のまとめ

この記事では給与ファクタリングについて、その仕組みと違法性について解説しました。

給与ファクタリングは全てが違法というわけではありませんが、違法な取引をしている業者が非常に多いです。

「貸金業登録をしていない」「法外な金利設定をしている」

これらに該当する場合は、間違いなく違法行為にあたるため利用しないようにしましょう。

また、知らずに利用してしまった場合は早急に弁護士に相談することをおすすめします。

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