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リバースファクタリングってなに?|リバースファクタリングの仕組みとメリット・デメリットを解説!
2022年12月14日
「リバースファクタリング」というサービスをご存じでしょうか?
売掛金を利用して資金調達をするファクタリングというサービスがありますが、リバース(=逆転する・反転する)ファクタリングとはどのようなサービスなのでしょうか。
リバースファクタリングとは、買掛金の先払いサービスであり、リバースファクタリングを利用することで、発注企業・受注企業ともに利益をもたらします。
しかし、リバースファクタリングはまだまだ知名度も低く、その仕組みやメリット・デメリットを理解している方は多くありません。
この記事では、リバースファクタリングの仕組みやメリット・デメリットを徹底解説します。
ぜひ最後までお読みください。
目次
リバースファクタリングとは
リバースファクタリングとは、発注企業が受注企業(外注先・下請け会社)への「買掛金の支払の短縮」や「買掛金の支払期日の先延ばし」を目的に利用するファクタリング。
発注企業としては買掛金の支払日を調整することができ、受注企業としては売掛金の早期回収ができるため、発注企業・受注企業の双方にメリットがあります。
通常のファクタリングは、受注企業がファクタリング会社へファクタリングの依頼をします。
それに対し、リバースファクタリングは発注企業がファクタリング会社へファクタリングの依頼をするため、「リバース(逆)」ファクタリングと呼ばれています。
買掛金の先払いサービス
リバースファクタリングは、簡単に言うと「発注企業が受注企業に支払う予定の買掛金を先払いする」サービスとなります。
また、支払期日までに買掛金の準備ができない場合などには、ファクタリング会社に支払いを立て替えてもらい、支払期日を遅らすことも可能です。
買掛金の支払期日までに支払いができなった場合、取引先との信頼関係が悪化してしまうかもしれません。
最悪の場合、今後の受注を断られてしまうリスクもあるでしょう。
そんな時に、リバースファクタリングを利用すれば、支払いが滞ることもなく、ましては本来の支払期日よりも先に支払いができるため、取引先との関係性は良い方向に向かうでしょう。
リバースファクタリングの仕組み
リバースファクタリングの仕組みは以下の通り。
- 発注企業は、受注企業に商品やサービスを外注する
- 受注企業は商品やサービスを提供し、発注企業はその請求書を受け取る
- 発注企業は受け取った請求書をファクタリング会社へ提出、ファクタリング契約を結ぶ
- ファクタリング会社は、契約後1~3日後に受注企業へ買掛金を先払いする(※)
- 発注企業は、当初の支払期日にファクタリング会社へ買掛金を支払う
以上の流れで、リバースファクタリングは行われます。
ただし、ファクタリング利用時に発生する手数料は受注企業の負担となるため、実際には請求書の額面上の買掛金から手数料が差し引かれた金額が先払いされる形となります。
⑤に関しては、本来の支払期日よりも後の支払いに対応(立替え)している場合もあり、その場合は遅れた分の手数料負担は発注企業となります。
ファクタリングとリバースファクタリングの違い
ファクタリングとリバースファクタリングの大きな違いは、ファクタリングの利用を依頼する企業です。
ファクタリングは売掛金を早期現金化したい「受注会社」が依頼するのに対し、リバースファクタリングは買掛金の先払いや支払日の延長をしてほしい「発注企業」が依頼します。
ただし、手数料を負担するのはファクタリングもリバースファクタリングも、受注企業となるため、理解しておきましょう。
リバースファクタリングを利用すべきケース
ここまで説明した通り、リバースファクタリングは、「買掛金の先払い」と「買掛金の支払日の延長」を目的に利用するサービスです。
そのため、リバースファクタリングを利用すべき会社は以下の通りになります。
- 外注先から支払サイトの短縮化を頼まれた会社
- 支払サイトが短く、買掛金も多い(資金繰りが苦しい)会社
- 余裕を持って資金繰りをしたい会社
- 黒字倒産する恐れがある会社
- 下請け会社やパートナー企業を探している会社
発注企業から見たリバースファクタリング
リバースファクタリングは発注企業、受注企業双方にメリットとデメリットがあります。
ここでは「発注企業」からみたメリットとデメリットを解説します。
発注企業のメリット
発注企業から見たリバースファクタリングのメリットは以下の5つです。
- 支払いサイトの調整ができる
- 外注先の資金繰りの援助ができる
- 優秀な外注先の確保ができる
- 支払いに関する事務作業・コストの軽減ができる
- 費用が発生しない
1,支払いサイトの調整ができる
リバースファクタリングは、支払いサイトの調整ができます。
外注先から支払いサイトの短縮依頼があった場合、その依頼に応じることで、自社の資金繰りが悪化することもあります。
なぜなら、本来3ヶ月間で準備できていた買掛金を1ヶ月や2ヶ月で準備しなくてはならなくなるため。
リバースファクタリングを用いれば、自社の支払いサイトは変えずに、買掛金の早期支払いに応じることができるのです。
また、資金不足などにより、どうしても買掛金が不足している場合には、ファクタリング会社に立替えてもらい、支払日を先延ばしにすることも可能。
売掛金の回収をした後に余裕を持って支払いをするなど、自社を運営する上で必要となる金銭のやり取りの調整ができるのはメリットと言えます。
2,外注先の資金繰りの援助ができる
通常、信用取引では商品やサービスの納品後1~2ヶ月後の支払いが一般的。
支払サイトが長いと、外注先も資金繰りが悪化しやすくなるため、事業を十分に行えない可能性もあるでしょう。
外注先の事業が十分に行えないと、発注業者の事業にも影響を及ぼすかもしれません。
リバースファクタリングで、外注先への支払いを早期化することで、外注先の資金繰り問題を解決でき、信頼関係も築きやすくなります。
今後の取引においても良好な関係を続けられるというメリットが生まれるでしょう。
3,優秀な外注先の確保ができる
外注先企業からしたら、支払いサイトが長い取引先よりも支払サイトが短い取引先の方が好まれます。
なぜなら、支払いサイトが短い方が会社の資金繰りは安定し、事業を行いやすくなるから。
リバースファクタリングで外注先への支払いサイトを短縮すれば、外注先からは良い取引相手と判断されるでしょう。
取引関係も良好になる上に、他の取引先よりも優先的に仕事を受けてもらえる可能性もあります。
4,支払いに関する事務作業・コストの軽減ができる
リバースファクタリングで外注先への支払いをすべてファクタリング会社へ一本化すれば、支払いをまとめることができます。
支払先の一本化により、振込手数料や振込作業にかける事務作業のコストの軽減が可能に。
事務作業を簡略化することができれば、その分本業に専念しやすくもなり、事業の効率も上がるでしょう。
5,費用が発生しない
リバースファクタリングを利用する際に発生する手数料は、基本的に受注企業(外注先)が負担します。
そのため、発注企業は上記の様なメリットを実質無料で利用することができるのです。
ただし、リバースファクタリングを提供する会社の中には、発注企業が手数料を負担するサービスもあるため、利用時には確認するようにしましょう。
発注企業のデメリット
発注企業から見たリバースファクタリングのデメリットは1つです。
1,外注先から請求金額アップの交渉をされる場合がある
リバースファクタリングでは、基本的に外注先が手数料を負担することになります。
しかし、外注先によってはファクタリング手数料分の発注金額の引き上げを求めてくる場合もあるでしょう。
また、手数料分の引き上げ交渉時に、取引自体の値上げ交渉をされるなど、リバースファクタリングが請求金額の上乗せのきっかけになり得ることも考えられます。
受注企業から見たリバースファクタリング
上記では発注企業のメリット・デメリットを解説しました。
ここからは、受注企業(外注先、下請け会社)から見たリバースファクタリングのメリット・デメリットを解説します。
受注企業のメリット
受注企業から見たリバースファクタリングのメリットは、以下の3つです。
- 売掛金の早期現金化ができる
- 売掛金の確実な回収ができる
- ファクタリング手数料が安い
1,売掛金の早期現金化ができる
リバースファクタリングを利用すれば、本来の売掛金の支払期日よりも前に支払いを受けることができます。
そのため、支払いサイトが短くなり、資金繰りが楽になるでしょう。
手元にある自由に使える資金が増えるため、新規事業に参画したり、本来なら受けられなかった仕事を受けられたりと、事業拡大のチャンスもつかめるかもしれません。
2,売掛金の確実な回収ができる
通常取引において、本来の支払期日まで支払いを待っている場合、その間に発注企業の経営状況が悪化する可能性もあるでしょう。
その場合は、売掛金の支払いが遅れたり、支払い自体を受けられなかったりすることも…。
リバースファクタリングを利用していれば、そのような心配はいりません。
発注先の経営状況に左右されることなく、確実に売掛金の回収ができるのです。
3,ファクタリング手数料が安い
リバースファクタリングは、発注企業と受注企業とファクタリング会社で契約を結ぶ3社間契約となります。
そのため、手数料は買掛金の1%~5%、高くても10%未満であり、通常のファクタリングよりも手数料が安く抑えられます。
通常のファクタリングであれば、売掛金の早期現金化や確実な売掛金の回収をするために、1%~30%の手数料が発生します。
同じメリットを受けながら、通常のファクタリングよりも低手数料で資金調達ができる点はメリットと言えるでしょう。
受注企業のデメリット
受注企業から見たリバースファクタリングのデメリットは1つです。
1,手数料を負担しなければならない
リバースファクタリングは、ファクタリングで発生する手数料を受注企業が負担する仕組みとなります。
売掛金の早期現金化と、確実な売掛金の回収はできますが、本来の支払額よりも少なくなるため、注意が必要です。
受注企業は、「手数料を支払ってでも早く現金を受け取る」か「手数料を支払わずに1~2ヶ月後の期日に満額受け取るか」のどちらかの選択をしなければなりません。
リバースファクタリングの注意点
発注企業、受注企業ともにメリットがあるリバースファクタリングですが、利用時には以下のような注意が必要となります。
1,利用できる会社が少ない
リバースファクタリングは新しいサービスであり、まだまだ知名度も利用者も少ないサービスです。
また、リバースファクタリングを利用したい発注企業は数千万円以上の買取を希望することも多く、資本力のない民間ファクタリング会社では簡単に取り扱いができません。
そのため、日本においてはリバースファクタリングを提供している会社は2~3つしかなく、複数の業者を比較して利用することができないため注意しましょう。
2,電子記録債権(でんさい)の導入が必要
でんさいとは、紙の手形や振込みに変わる決済手段であり、売掛の発生や譲渡などの金銭の取引を電子化して記録するシステムのこと。
リバースファクタリングは、全国銀行協会が設立している「でんさいネット」の導入が必要です。
でんさいを導入することで、二重譲渡などのリスクをなくし、安全な取引ができるというメリットがありますが、導入までに手間や利用料金がかかります。
そのため、でんさいをわざわざ導入しなくても利用できる通常のファクタリングや、借入など他の資金調達手段を用いた方が良いという方も多いでしょう。
リバースファクタリングのまとめ
リバースファクタリングは、買掛金の支払いの短縮や買掛金の支払期日の先延ばしができるファクタリングです。
通常のファクタリングと異なり、買掛金を保持している発注企業がファクタリングの依頼をします。
発注企業、受注企業ともにメリットがありますが、リバースファクタリングを提供している会社が少ないことや導入に手間が生じることから、現在は需要が高いとは言えません。
とは言え、外注先から支払サイトの短縮を求められた場合にはとても有効なサービスであるため、仕組みを理解しておいて損はないでしょう。