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〈建設業版〉ファクタリング活用法!資金繰り改善効果や注意点も解説

2023年12月18日

「建設業」は建築物や道路などを建設・整備する、我々の生活に欠かせない業種です。
一口に建設業と言っても様々な職種がありますが、中小の企業や個人事業主も多く、資金繰りに苦労している事業者も少なくはありません。

本稿では、建設業に関わる多くの事業者が抱えている資金繰りの問題点に対して、「ファクタリング」が問題解消に役立つ理由と活用方法を中心に解説させていただきます。
また建設業がファクタリングによる資金調達を行なう際の注意点も併せてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

建設業が抱える資金繰りの問題点とファクタリングの活用法

世の中には数多くの業種が存在し、それぞれに資金繰りに関する悩みや問題点を抱えています。
建築・土木・設備関係それぞれの「施工管理・設計・営業」、さらには大工などの職人を含めた建設業に関係する職種も同様です。
ここからは建設業が抱える資金繰りの問題点と、その問題点を解消するためにファクタリングをどのように活用すべきかを解説させていただきます。

問題点①工期が長く受注請負が基本であるため運転資金確保が難しい

建設業は業務を完遂した時点で報酬が発生する「受注請負」が一般的です。
受注請負自体は建設業以外の業界でも珍しくはありませんが、建設業は工期が長くなる傾向があるため、運転資金を確保する難易度は他業種よりも高くなりがちです。
業務遂行中に運転資金が確保できなくなってしまうと作業自体が進められなくなりかねないため、工期中の資金調達の必要性もより大きくなります。

活用法①審査通過のしやすさを活かしたスムーズな資金確保

ファクタリングの大きな特徴の1つが、融資と比較した場合の「審査通過のしやすさ」です。
決して審査が緩いというわけではなく、融資の審査で重要視される経営状況がファクタリングではそれほど重要ではなくなることが大きく影響しています。
ファクタリングの審査では売掛先の支払い能力と信用が重要であり、債権売却を行った企業が赤字経営であっても債権の決済への影響がまずないため、審査では重要ではなくなります。

売掛先が信頼できる企業であることが大前提とはなりますが、融資より審査通過しやすいのは事実です。
また建設業の場合では大手ゼネコンなど社会的信用の高い企業が売掛先となる場合には、好条件での債権買取が期待できます。
この審査通過のしやすさを活用したスムーズな資金調達が行えれば、建設業の資金繰りは大きく安定するはずです。

問題点②連鎖倒産のリスクが他業種よりも高い

1つの建物が完成するまでに、その工程全てを自社で請け負う建設業者は多くはありません。
それぞれの工程に専門業者が存在しており、効率的な施工が行われているはずです。
しかし数多くの事業者が1つの案件に関係する建設業では、どこか1つの事業者が倒産するだけでも、関係する事業者に作業面でなく資金繰り面での影響も発生しかねません。
最悪の状況としては1社の経営悪化が連鎖倒産に繋がるリスクも考えられ、建設業の連鎖倒産のリスクの高さは他業種よりも高いと考えられています。

活用法②原則償還請求権なしであるため倒産対策に役立つ

「償還請求権なし」での契約が原則であるファクタリングは、売掛先の倒産リスク対策としても活用することができます。
「償還請求権」は「遡及件」や「リコース」とも呼ばれますが、ファクタリングにおいては「売掛先が決済不能になった際に債権の代金を請求できる権利」を指します。

償還請求権なしで契約できるファクタリングでは、売掛先が倒産しても支払い義務などがないため、売掛先の倒産リスクは買取を行ったファクタリング会社が背負うことになり、活用することで連鎖倒産の恐れを回避しやすくなるのです。

問題点③支払いサイトの長さが資金繰りに悪影響を与える

後払いとなる「掛取引」での取引締日から、決済が実行されるまでの猶予期間が「支払いサイト」であり、建設業は他業種と比較しても支払サイトが長めになる傾向があります。
多くの業種では月末に締日を設定し翌月末に支払う(支払サイト30日)ですが、建設業では60日から120日ほどにもなる場合もあります。

資金繰りを安定させるためには支払いサイトは短いほどメリットがありますが、建設業の場合は工期の長さもプラスされ、非常に資金繰りに関しての重い負担となりかねません。

活用法③売掛債権を数ヶ月前倒しで現金化し資金調達

ファクタリングは決済日前の債権を早期現金化するサービスであり、多くの建設業が感じている支払いサイトの問題を軽減することが可能となります。
支払サイトの長い債権の場合では数カ月前倒しでの現金化も可能となるため、大きな資金繰り改善効果を得ることができるのです。

支払い期日が遠くなるほどに資金ショートに陥るリスクは高まりますが、ファクタリングを上手に活用していただくことでリスクを軽減していただけます。

問題点④工期の延長などによる緊急の資金調達の必要性

建設業は天候などの影響を受ける可能性や作業の進捗の遅れなどの様々な理由から、工期が延長される可能性を考慮する必要があります。
そして工期が延長した場合には、人件費の増加などによって緊急の資金調達が必要になることも考えられます。

しかし融資を活用して資金調達を行おうにも短期間で融資を受けられる期待は高くはなく、必要なタイミングでの資金調達に成功するのは容易ではありません。

活用法④最短即日現金化のスピードによる即対応

売掛先への通知が不要な「2社間ファクタリング」や、WEB上で手続きが完結できる「オンラインファクタリング」を選択していただくことで、即日での債権現金化も不可能ではなくなります。

急ぎの状況にも対応可能な資金調達の選択肢となるファクタリングを活用できれば、建設業で起こり得る、突発的に費用が必要になる状況にも素早く現金が用意しやすくなります。

問題点⑤負債額の増加による企業価値の低下

資金繰りに融資を活用している企業は建設業に関わらず多いものの、負債額の増加は返済の負担を大きくし、債務超過にも繋がりかねません。
また貸借対照表の肥大化も引き起こす要素となり、企業価値を低下させ融資を受けにくくなる危険も高めます。

融資は事業拡大や運転資金確保にも役立つのは確かですが、「融資に頼りきった資金繰り」には危険が潜んでいます。
そのため建設業の中でも特に中小企業や個人事業主は、融資を活用する際にも注意が必要です。

活用法⑤負債を増やさずに資金調達が行える

ファクタリングは法的には「債権の売買契約(債権譲渡契約)」に該当し、融資ではありません。
債権現金化によって手にした資金は負債として扱われることがないため、債務超過に陥る危険も、貸借対照表の肥大化を引き起こす心配もありません。

さらにファクタリングによって得た資金を返済に充てることで、貸借対照表のスリム化を進めるという活用方法もおすすめです。
スリム化が進めば、建設業を営む企業の企業価値を改善することも可能となります。

問題点⑥前金を用意する負担が大きい

建設業は工事を開始する前に必要になる、「前金」の額が大きくなりやすい業種です。
しかし前金が用意できなくてはスムーズに施工を開始することができず、工期を延長せざるを得なくなり費用がかさむ可能性を高めます。
さらには、取引先からの評価を落とすことにもなりかねません。

また依頼が連続して入った場合などは前金を確保するのが一層難しくなり、受注はできても思うように作業が開始できないという状況も考えられます。

活用法⑥受注段階から利用可能なサービスによる資金調達

ファクタリングによる現金化に利用できる債権は、施工を完了し取引金額や支払日が決定している「確定債権」であることが基本です。
ですが2020年の民法改正によって、過去の取引実績などによって今後発生が予想される「将来債権」もファクタリングに利用可能となりました。

まだ利用できるファクタリング会社は多くはありませんが、案件を受注した段階で利用できる「注文書」を買取対象としたサービスも存在しています。
このサービスを活用することで、建設業が依頼を受けた直後からでもファクタリングを利用し資金調達を行なうことも不可能ではなくなります。

ファクタリングを建設業が活用する際の注意点

これまでにご紹介した建設業向けの活用法でファクタリングを利用していただく際にも、いくつかの注意点を意識していただくことが大切です。
ファクタリングは建設業に活用していただきたいサービスではありますが、注意点を理解せず利用した場合には思わぬ問題が発生する可能性も僅かながらありますので、少しだけご注意ください。

手数料の支払いは避けられない

ファクタリングは融資ではないため利息の支払いは不要ですが、「手数料」の支払いが必要となります。
手数料は、債権回収のリスクに比例して額が増加するのが基本です。
そのため社会的信用の高い売掛先や、取引実績が十分にある売掛先の債権を売却することで手数料は抑えやすくなります。
また債権譲渡登記が必要になる場合には、別途費用が発生する確率が高く、債権譲渡登記が留保可能かなどもチェックしていただくことが大切です。

高額資金調達には相応の額の債権が必要

融資と比較した場合のファクタリングのデメリットとも言われるのが、「資金調達額」です。
融資の場合は設定する担保などによっては、担保の価値以上の高額資金調達に成功できる可能性もありますが、ファクタリングでは売却する債権の額以上の資金調達は不可能です。
必要な額の資金調達をファクタリングで行なうためには、手数料を考慮し希望額以上の債権が必要となる点にご注意ください。

違法貸付や悪質業者に対する注意が大切

ここ数年でファクタリングを資金調達に活用する企業は大きく増加しています。
しかし需要の急激な高まりが悪い意味で影響を及ぼし、僅かではあるものの質の低いファクタリング業者や違法行為を行なう闇金融の存在も確認されています。

この状況に対して金融庁は注意喚起を行っています。請求された手数料が高額過ぎるかを確認するだけでなく、償還請求権ありとなっていないかなど、貸付に該当する行為ではないかを判断していただいてから契約を締結することが重要です。

個人事業主は利用できない可能性がある

ファクタリングは債権を保有していれば利用対象となれる可能性が高いため、多くの企業が資金繰りに活用することができます。
ですが銀行系ファクタリング会社など一部では、利用対象を「法人のみ」としており、個人事業主は利用できない可能性があります。

「独立系」と呼ばれる金融機関が関係しないファクタリング会社は、個人事業主も対象としていることがほとんどなため、個人事業主には独立系ファクタリング会社がおすすめです。

「〈建設業版〉ファクタリング活用法!」まとめ

・建設業には「工期や支払サイトの長さ・連鎖倒産のリスク」など、建設業だからこその資金繰りの問題点が存在する
・ファクタリングは「審査基準・資金調達スピード・債権の早期現金化」などの特徴を活用することで、建設業の資金繰り改善に役立つ
・建設業がファクタリングを利用する際には、「手数料」や「契約内容は融資に該当しないか」などを確認することが重要

他の業種にはない資金繰りの悩みを抱える建設業ですが、ファクタリングを活用していただくことで資金調達がスムーズに行いやすくなります。
融資とは大きく違うファクタリングならではの特徴を理解し注意点も意識していただくことができれば、建設業にとってファクタリングは資金繰りにおいて頼りになる存在となるはずです。

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